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≪自民案より危険な民主案≫
ただ、民主党は野党だった平成17年に、当時の自民党案よりさらに危険な法案を
国会に提出しており、民主党政権が最終的に目指している法律は恐らくこれだろう。
というのは、現在、民主党ではハードルを下げて早く法律を制定してしまおうと画策
しているからで、真の狙いはこの法案成立にあると思われる。
法案では、「人権侵害」を「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」としている
だけで、一体、何が人権侵害に当たるのかは定かでない。また問題の「不当な差別的言動」も、
法案では「特定の者に対し、その者の有する人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせ
その他の不当な差別的言動」といった極めて曖昧な説明がなされているだけである。
したがって、人権委員会によって一度「差別発言」に当たると認定されてしまえば、裁判所の
令状なしに自由に家宅捜索や文書等の押収が行われ、出頭命令にも従わなければならなくなる。
しかも拒否した場合は30万円以下の過料に処せられる。これは表現の自由や令状主義を
保障した憲法に明らかに違反する。
このように旧共産圏まがいの監視社会と恐怖政治をもたらす恐れのある法律が、人権侵害
救済法である。しかも、民主党案では旧自民党案と異なり、「中央人権委員会」に加えて
全国各都道府県に「地方人権委員会」が設置され、国民の言動をくまなく監視することが
可能となるから、その危険性は遥(はる)かに大きい。これは言論の自由にとって重大な脅威となる。