11/04/03 22:24:32.47 pjXE6EcC0
>>474
人に対する想像力、さいしょはありあまるほどあって、
思いやったり、斟酌するから負けるんだと思って捨てたのではと考えます。
「女ともだち」とかいう短編で、杉並在住を鼻にかけている姉妹が、
ゆきずりの旅行者の青年たちに怪我させられたととっちめる場面で、
本当は姉妹のどちらかが振り回したカメラが、どちらかの顔にあたった
だけなんだけど、それを言い出せない真理子と、旅行の予定が狂う、
お詫びします解放してくださいと困惑する青年たちの描写は見事でした。
「車のガラスに吊り下げたマスコットをみると彼らを責めたくない」とか
純朴な青年ぶりが小物ひとつでびしっと表現されていました。
自分をバカにした旧知（杉並テニス同僚、商社マンと結婚したアパート仲間）
を筆で大勢に暴露してこきおろす快感とひきかえに何かが消えた。