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本当に地震はあったのかしら。
京都の雅な桜を眺めている私は、３週間前のあの恐ろしい地震が夢だったのではないかと思ってしまう。
花見の帰りに寄ったＫさん馴染みの懐石、
ここはウニの蒸したのが絶品なのだそうだけど、ウにのあるべき小鉢には白身のお刺身がちょこんとあるだけ。
ここにも震災の影響が来ているのだ。
大地震は夢じゃなかった。
現実に引き戻され暗い気持ちになった。
気つけなきゃ！
そう思って、店を出た後、京都の人間しか入れてもらえないという格式の高いフレンチへ行く。
こんな時ダイエットなんて言ってられません。
私が太ることが被災地のためになるな・・・そう思ってあけたワインはとても美味しかった。
でも、少しだけ悲し味がしたのは気のせいではないだろう。
まだ少しだけ震災の傷の残る心で感じる京都は、怖くなるほど美しかった。
沈んではいられない。お金を使わなきゃ。
清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ったお抹茶をいただくための京焼きの茶碗。
家に帰ったら、これで御抹茶を飲みながら、松任谷由実さんからいただいていた最中を頂いて元気を付けよう！
しかし繰り返し思うのは貯金をしていればよかったという事。
こんな時、無一文の作家がいかに無力かを思い知らされる。
私はこのごろ打ちのめされっぱなしだ。
帰りの新幹線でキヨウケンのしゅうまい弁当を食べよう！