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36 名前:名無しさん [2008/07/28(月) 05:32]
現代は軽薄な時代とも言われます。自分勝手な人が多いとされます。
そして、現代の文明は、「死」を隠す事で成り立っています。
人間が死ぬ事が、「負け」であるかのように、私達は思い込まされています。
取り分け、医学に於いては、治療する事が出来ないと言う事は、
一つの「敗北」であるかのように、捉えられる事が多いです。
言うまでもなく、人間にとって、死は避ける事が出来ません。致死率は100%です。
人間は誰でも何時かは、この世に別れを告げる日が遣って来ます。
そのような「真実」と、向き合う事が出来なければ、生を全うする事などは本当は出来ません。
生きる事の厳しさ、喜びと言う「真実」に触れる事で、私達の魂は揺れ動かされます。
「生きる」と言う事の意味について徹底的に考え、
言わば「覚悟」を決めて於く事は、人間として如何しても必要な事です。
それなのに、現代社会ではともすれば、それが御座なりにされています。
若くして不治の病になってしまう人もいます。
そんな時、本人や家族達は、「何故」と言う不条理の思いに捉われます。
しかし、90歳まで生きて「天寿を全う」した人も、
若くして亡くなった人も、それぞれの人生が掛けがえのないもので、
価値のあるものである事には、何ら変わりがないのです。
全ての動物の中で、やがて自分が死ぬ存在であると言う事を、はっきりと認識しているのは人間だけです。
他の動物は自分に何が起きているのか、それを理解しないままに死んで行きます。
「死」の意味は、人間だけに与えられた特別なものであり、
真摯に向き合う事で生命を、より良く充実させる事が出来ます。
日々の生活の何気ない輝きを、皆さん本当に見直してみて下さい。
ささやかな一瞬は、一度過ぎ去ってしまえば、再び戻っては来ないのです。