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【コラム/毎日】口蹄疫報道で十分な報道ができたか、後悔もある。ネットで流布された「報道規制」はデマだが・・・
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25時:流言とデマ /宮崎
口蹄疫取材では、農家への訪問自粛を余儀なくされた。
被害農家の心情に配慮し、取材活動で感染を拡大させないよう気を遣ったつもりだが、後悔もある。
爆発的に感染が広がる間の取材は電話が頼り。
窮状を訴える農家の生の声に、口蹄疫がいかに怖い病気かを実感した。
インターネットで流布した「報道規制」はデマだが、当初から質量ともに十分な報道ができたか……。
農家への中傷に腹立たしく思うこともあった。
特に初発と推定される水牛農家には「国会議員の紹介で発生国から研修生を受け入れた」
「自殺した」などの心ないうわさが出回った。
県が十分に裏付けせず来訪者を「不特定多数」と農林水産省に報告したのも、結論ありきに思える。
農場は狭い道を上った山奥で、簡単に観光客が行けるような場所ではない。
国の疫学調査チームは中間報告で「海外からの従業員や研修生は受け入れていない」と否定した。
災害時の不安な心理下で広まる情報の危うさは「流言とデマの社会学」(広井脩・著)が指摘している。
異常事態の中でこそ、冷静に情報の真偽を見極めたい。【石田宗久】
毎日新聞 2010年9月6日 地方版
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