【喪素裸】イケメンは地獄に堕ちろ!【喪芸裸】at MOTENAI
【喪素裸】イケメンは地獄に堕ちろ!【喪芸裸】 - 暇つぶし2ch931:劉 陳邦 ◆JAPwm84zgg
11/10/22 00:18:41.70 0
 そしてそんな俺の現場の管理者としてはだらしない態度が神楽嬢に対する周囲の非難を余計に募らせる結果となってしまった。
 つまり俺が神楽嬢を依怙贔屓(えこひいき)していると。
 人によっては神楽嬢が俺の加護を得るために意図的に俺に取り入り、
俺に媚を売っているものと勘違いする者もいたようだ。
 神楽嬢への周囲からの非難・・・。それはごくまっとうなものであったが、彼女の仕事が遅すぎる、というものだ。
 いくら新人とはいえ、許容範囲がある。
 元来がおっとりしたマイペース型の彼女は席についてから髪をかき上げ、ヘアバンドの位置を直し、
それから書類やスキャナーで取り込んだモニター内の書類情報にじっくり目を通し、自分で納得してから
一枚打ちはじめ、打ち終わるとまた時間をかけて確認し、髪をかき上げるといった按配だったのである。
 書類上の諸々の確認は君の仕事ではないと言っても、彼女は「だってお仕事ですから」と言って聞き入れなかった。
 はじめて外に働きに出た神楽嬢にとっては、作業上の一つ一つの項目や手続きをすべて自分の目で確認し、
間違いがないことを確かめてから次に進むという丹念なやり方こそが本当の仕事であるという思い込みがあったようだ。
 あるいは自分自身が納得しなければ先に進めないという芸術家気質が災いしたのかもしれない。
 そう言えば彼女は自動車の教習場に通ったが、いくら時間やお金をかけても最後まで免許が取れなかったと言っていた。

932:劉 陳邦 ◆JAPwm84zgg
11/10/22 00:24:35.45 0
 派遣会社から送られて来る派遣さんに対して、うちの会社では一律、「試用期間」を設けている。
 その試用期間に当たる二週間以内なら、無条件に(これといった理由を告げる必要すらなく)、
労働契約を解除できるというものであるが、最初の一週間で早くも高田、若槻、プッシーの3人から、
かわいそうだが神楽はここでの就業に適さないから辞めてもらったらどうかという意見が出始めた。
 確かに神楽の仕事量は通常のマルクスの新人の1/4にも満たなかった。
 もし彼女がマルクス以外の派遣会社の従業員ならそれでも良かった。入力に適性がなかったら、他の仕事に
回せばいいだけの話である。しかし彼女は入力専門に派遣されてきたマルクスの従業員だった。
 俺はここで変に意地を張ってしまった。神楽を辞めさせるどころか、逆に入力指導員の若槻に、
通常の新人には絶対教えることのない裏技や変則的な入力方法を叩き込んででも神楽の成績を上げさせるように命じたのだ。
 若槻は拒否しなかった。元来がどこか浮世離れした坊ちゃんお嬢ちゃん、
根がのほほんとした呑気者同士、神楽とは気が合うようで、一向に上がらない神楽の成績をよそに、
それでもほぼ一日中張り付いて、気長に熱心に指導を続けていた。


933:劉 陳邦 ◆JAPwm84zgg
11/10/22 00:31:54.71 0
 そんなある日、突然現場に満田が現れた。
 神楽の仕事ぶりを見させてもらうと言う。他のマルクスの派遣従業員達から神楽に対する苦情が
(満田の元に)殺到しているという。神楽がうちに来てからまだ三週間目のことだった。
 満田は先ず神楽の勤務日報を見て、あまりの成績の悪さに驚き、
「なんでもっと早くおっしゃっていただけなかったんです?」と俺を責めた。
 それから神楽の席が見える壁際に立って、
授業参観日の父兄のような眼差しで、斜め後方から神楽の仕事ぶりを見学し始めた。
 その満田の姿に気づいた若槻(この時も神楽に張り付いていた)が俺の方を見て何事かを目顔で訴えている。
 俺は声に出さずに「余計なことせずに、そのまま席を離れろ」と口だけ動かして、
身振り手振りで指示を送った。それが解らないのか若槻はどうしようか迷っている様子。
 俺が小声で「ハウス! ハウスっ! シッ、シッ!」と言ってやると、若槻はようやく頷いて、神楽の席を無言で離れた。
 そんなことになっているとはまったく気づかないでいる神楽は相変わらずのマイペースぶり、
時折髪の毛に手をやって束ね直したり、打ち終わった伝票をスタッカーから取り出し、
デスクの隅でトントンやって揃えたり、小分けして輪ゴムで束ねたり、クリップで留めたりしているが、
それらは本来入力者の仕事ではなく、またそれを知らない満田ではない。
 見る見るうちに満田の鼻の穴が大きく膨らんで、俺はもう生きた心地がしなかった。
 それでも満田は辛抱強く、壁際に立ったまま30分近く神楽の仕事ぶりを目で追っていた。
 そしてとうとう「あの、申し訳ないんですが、神楽を今すぐここへ呼んでいただけないでしょうか?
(マルクスの)自社規定により、神楽を引き取らせていただきます。
このままでは他の従業員の士気にかかわりますので」と言い出した。

934:劉 陳邦 ◆JAPwm84zgg
11/10/22 00:42:07.60 0
 なす術がなかった。俺が言われた通りにすると、満田は神楽を連れ立って現場の外へ出て行った。
 それから5分後、現場に戻ってきた神楽はすっかり表情が変わっていた。
 顔に紅白の斑状の筋が走り、急に5歳は老け込んだように見えた。硬い表情で俺の席まで来ると、
「申し訳ございませんでした。知りませんでした」と泣きそうな顔で俺に頭を下げた。
 俺は思わず「いや、俺じゃないんだ、この糞マンピーが、この両生類みたいな顔した強情女が、
いやマルクスが勝手に決めたんだ、俺はもっと君にここに、俺のそばにいてほしかったんだ」と口走りそうになったが、
満田に睨まれて口に出せなかった。
 ちらちらとこちらを振返る作業者たちの興味本位の視線を感じながら、
俺はこれではまるで見せしめみたいで可哀想じゃないかと思いつつも、
現場の責任者としてギリギリの平然を装い、「いや、こちらこそ。せっかく来てもらったのに申し訳ない」と
立ち上がって神楽に軽く頭を下げて、それが彼女との今生の別れとなってしまった。
 かくして俺の短い夢のような時間は費えてしまった。
 もちろんその後も音信不通。愛しのマイエンジェル、神楽嬢は携帯電話すら持っていない人だったのである。

935:劉 陳邦 ◆JAPwm84zgg
11/10/22 00:45:09.37 0
 後でマルクスの作業者から聞いた話では、この時満田は俺に呼ばれて神楽を引き上げに来たと休憩室で言っていたらしい。
同じことを神楽本人にも告げたかも知れず、それを思うと俺までなんか泣きそうになる。
 胸が痛い。あれから約1年が経った今でもだ・・・。

936:劉 陳邦 ◆JAPwm84zgg
11/10/22 06:01:45.34 0
 日本経済の閉塞感は大きい、と言うか年々ひどくなっている。
 俺の家の近所でも街道沿いの喫茶店やら園芸店やら自転車屋やら惣菜店やら蕎麦屋やら煙草屋やらが次々に潰れ、
「テナント募集」の看板を掲げたまま埃に埋もれる空き店舗となって軒を連ねている。
 ローカルな選挙の期間だけこれらの空き物件は選挙事務所となって賑わうが、
駅から自宅に向かう際の夜道は年を追うごとに確実に暗くなっている。
 うちの事業所も一階が大きく空いており実質使っているのは従業員の靴箱、守衛所、トラックヤードだけなので、
過去にはこの一階の有閑スペースを本格的なパーテーションで区切って、
運送会社やら菓子会社やら製薬会社やらの事務所や倉庫として貸してきたが、
一昨年、菓子会社の支店と製薬会社が相次いで潰れて以来、
新たな借り手も現れず、一階はずっと空いたままになっている。
 そしてうちの会社も御多分に洩れず年々業務収益は縮小、
伊藤が所長を兼任する近隣の事業所の一つが来年の頭からうちの事業所に併合されることが正式に決まった。
 現在その事業所に2人いる社員のうち、ひとりは年末いっぱいで退職、
1人はそのままうちの事業所に転属することになった。うちに来る方は松岡というバリバリのヤリマン、
違ったやり手の男勝りで気の強い28歳の独身女だ。
 来年からうちの事業所は女の社員が1人増えることになるが、
このもろサディスチックな女王様気質の松岡に年下のプッシーや若槻が
いじめられやしないか今から心配である。
 そしてその事業所の業務の引継ぎや設備の移管を速やかに履行すべく、
来月の頭から高田がその事業所に赴くことになり、年内いっぱいうちは社員4人で回さなきゃならない。
 これから年末~来年にかけて慌しい日々が続きそうだ。

 ―さてさて、今日も仕事である。この本降りの雨の中、防水コートを羽織って早めに出かけ行かなければなるまい。。。

937:('A`)
11/10/22 07:23:38.95 0
エロイムエッサイム
エロイムエッサイム
エロイムエッサイム…

938:('A`)
11/10/22 13:37:51.10 0
最近の劉、なんかセンチメンタルでつまんない。

939:劉 陳邦 ◆JAPwm84zgg
11/10/23 09:03:41.63 0
 最近急に禁煙をはじめた若槻が休憩中に現場で、佐々木丸とバンドの話で盛り上がっている。
 日頃口数が少ない佐々木丸も趣味の話となると勝手が違うようだ。それとも相手によるのか・・・。
 そう言えば小学校三年までピアノを習っていて、本人によれば大学時代も友人のバンドで
クラリネットを吹いていた???という若槻である。
 何となくそばに寄った俺に若槻が「佐々木さんベースなんだって。ほら先輩、佐々木さんバンドで何やってんだろ?って
言ってたじゃん」と話しかけると、「何やってるんだろって、バンド(演奏)に決まってるじゃないですか」と佐々木丸は
相変わらず、俺には素っ気ない。
 その佐々木丸に向かって俺は「佐々木、騙されんなよ? こう見えてもこいつ(若槻)は
もう、けっこうジジイだ。ロックといっても、こいつの好きなバンドってディープパープルとかレッドツェッペリンとかエアロスミスとか、
そういう古臭いハードロックばっかなんだよ。今時ダセーよな?」
 佐々木は身を引くように椅子に座り直して下を向いたまま「けっこうジジイって、私も若槻君と同い年なんだけど・・・」
 ―あら? そういや2人とも27歳だ。・・・また、やっちまった・・・。
 それでも気を取り直すように俺は佐々木に向かって「で、佐々木はどんなのやってんだ? オリジナルとか?」
「いえいえ、まだまだ、そこまでは・・・。雑誌のメン募やネットでメンバー集めて最近やっとスタジオに入りだしたばかりだから」
「集めてって、じゃあ、お前がバンマスか?」
「ん?」 と佐々木が顔を上げて若槻を見る。「バ、バンモス? バンモスって何?」
「バ・ン・マ・スね」と若槻王子が教え諭すように優しく答える。「バンド・マスターの略。
つまり、バンドのリーダーってこと」それから俺を手で指して、「こう見えて、
つか、見た目どおり、この人けっこうジジイだからさ。俺も時々何言ってんだかわからない時あるんだよねw」
「あははははwww」と佐々木。
 ―畜生、2人して俺をコケにしやかって・・・。しかしそれは口に出さず、俺は「「で、どんなのやってんだ、佐々木のバンドは?」
 佐々木はじぃ~っと俺を見て、かなり間を置いてから、「ディープパープルとか
レッドツェッペリンですけど・・・」

 レッド・パープル。それが佐々木がやってるバンドのバンド名らしい。

940:('A`)
11/10/23 10:29:15.41 0
劉、リア充乙

941:('A`)
11/10/23 10:42:21.40 0
劉って、鯛男だよな。
板変えたら?

942:劉 陳邦 ◆JAPwm84zgg
11/10/23 14:40:19.83 0
 篠崎というカーニヴァルの営業の男がバックレやがった。
 カーニヴァルの派遣従業員達に渡すはずの前借金や寮に入っている従業員の
年金手帳やら健康保険証やらを持ったままだ。
 今なぜかマルクスの小宮が篠崎の後を追っているという。もうすぐカーニヴァルから
俺の所へも連絡が行くだろうという。
 久しぶりの仕事の依頼だ。腕が鳴るぜ。俺は貸し金庫から持ち帰った鞄の中から、
油紙に包まれたスタームルガーを取り出し、皮手袋をした手で弾倉に弾を詰める。
皮手袋はもう10年も使っているやつで、柔らかくなった皮がしなやかに俺の手に馴染む。
 先週篠崎はうちの現場の様子を見に来ることになっていた。
 河野と今野だけでなく、実はカーニヴァルには他にも問題がある奴がいて、
俺としてはそいつらをまとめてクビにしてやりたい。カーニヴァルに電話して、
とにかく一度現場でのこいつらの態度を見に来いと要請したのであるが、
篠崎は二度も来ると約束して、遂に1度も来やがらなかった。
 女だと小宮はいう。俺と2人で篠崎が立ち寄りそうな女の所を潰そうという。
ブサメンの小男のくせに篠崎はなぜかもてて交際中の女が何人もいる。
自分のとこの派遣の女とも付き合っているかもしれない、誰か心当たりないか? と
小宮が言うので、俺は「ああ、あるな」と答えた。1人だけ・・・、元ヤン西野だ。

943:('A`)
11/10/23 15:18:19.41 0
劉って本当は殺し屋なのか?WWW

944:劉 陳邦 ◆JAPwm84zgg
11/10/23 16:03:53.50 0
 小宮と篠崎はギャンブル仲間で飲み友達でもある。
 苦労の絶えない派遣の営業職同士、気が合うのだろう。共に独身で年齢も近い。
 俺も一度だけ小宮にうるさく誘われて篠崎と3人で飲んだことがあるが、俺はどうも篠崎を好きになれない。
 理由ははっきりしている。この男が小宮に輪をかけて女にもてるからである。
 その小宮が探せば篠崎はすぐに見つかるだろう。
 元々青白い顔して縁なしメガネをかけた小心な男である。ペ・ヨンジュンのNGぽくはあるが・・・。
 そして俺の愛用のスタームルガー、KP85だが、もちろんオモチャだ。何の気なくネット通販で購入した
東京マルイのエアガンである。
 俺は時々こいつを忍ばせた鞄を貸し金庫や駅のコインロッカーに預けて、
ふやけて退屈な日常に非日常的な緊張感をかもそうと試みているというわけ。
 シークレットブーツの靴音高く、エポレット(肩章)付のミリタリーコートの裾をなびかせて、
押し黙ってロッカーや金庫の前に歩み寄る俺は何かの間違いで、
光線の悪戯とか周囲が小学生ばかりとかの状況によっては、かっこいいのではないかと期待して。
 しかし手袋をした手で弾倉にBB弾を無理矢理押し込もうとしたから、
途中で暴発して飛び出してきたBB弾が俺の顔をしこたま撃ち、目に当たって右の瞼が腫れ上がっちまった。
 そしてコンビニで買った弁当を温めるか訊かれ、「はいっ」と頷いた拍子に、
天パー気味の前髪の中に紛れていたBB弾が落ちてきてカウンターの上に硬い音を立てて跳ね返り、
けっこうかわいいいつものレジの娘に「馬鹿じゃね?」みたいに、変態でも見るような目つき、
侮蔑のこもった視線で一瞥され、「すみません」と呟いて萎縮し肩を丸めて立ち尽くす俺の日常・・・・・・。


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