10/11/02 23:28:38 O
>>894 続き
檻の中の教室でボカロたちは一斉に答案に向かっている。
月に一度行われる「定期試験」。
ここで一定の数値を下回るボカロから順に殺されていく…生死を決める心理テストだ。
ボカロの人権~などとほざき、余計な仕事を増やすのはいつだって安全圏にいるお偉いさんたちだ。
半端な優しさは暴力よりタチが悪いってのを知らないらしい。
現に目の前のボカロたちは死刑を免れようと血走った目で答案に取り組んでいる。
ただ一人を除いて。
「じぃ~~~」
あれから、ミクは余計な事を俺に言わなくなった。
ただ熱っぽい視線を送るだけだ。
目を合わせると嬉しそうにはにかんで笑うミク596号。
ウザい事この上ないが問題発言をしていない限り電気は流せない。
「…出来たのか?」
「は、はいっ。ミク頑張りましたっ」
忌々しい事に答案は正解で埋めつくされていた。
あれから何度もN氏には蹂躙されているのに、少しも堪えていないらしい。
バキッ。
物静かなルカが鉛筆の芯を折った。
優等生(笑)のプライドを傷つけたようだ。
「…よく出来てるな。偉いぞ」
「はわわっ///」
頭を優しく撫でてやると、ミクは真っ赤になって阿呆みたいに喜んだ。
この馬鹿は本当に俺以外目に入っていないらしい。
「…先に部屋に戻っていいぞ」
「こ、ここに居てはダメでしょーか?し、静かにしてますっ…」
「…まぁ、いいぞ。大人しくしてろよ」
「は、はひ…」
ルカやリンがミクを憎らしげに睨み付けているのを確認し、俺は再びミクの頭を優しく撫でておいた。
くすぐったそうに微笑むミクに吐き気を覚えるが我慢する。
明日からの檻の中が楽しみだ。