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J-CASTニュース 11月22日(火)20時2分配信
世界中で大ヒットしたアニメ映画「攻殻機動隊」などの監督、押井守さん(60)が現在のアニメ作品について「オタクの消費財と化し表現の体をなしていない」と批判した。
ネットではこの発言に納得する人もいるのだが、自分達の好きなアニメを批判していると感じたアニメファンは
「押井こそオワコン(終わったコンテンツ)」などと押井さんに対する盛大な批判を展開している。
■ほとんどのアニメはオタクの消費財と化した
押井さんは1983年に劇場アニメ映画「うる星やつら オンリー・ユー」で監督デビューした。
「機動警察パトレイバー」「攻殻機動隊(GHOST IN THE SHELL) 」「イノセンス」など数多くの作品をリリースしていて
「攻殻機動隊」については95年にアメリカでホームビデオ週間売上1位を記録する快挙を遂げた。「マトリックス」など海外の映画にも多大な影響を与えている。
朝日新聞は2011年11月21日付けの電子版コラム「アニマゲ丼」で、押井さんの東京芸術大学大学院映像研究科での講演(11月12日開催)を紹介した。講演で押井さんは
「僕の見る限り現在のアニメのほとんどはオタクの消費財と化し、コピーのコピーのコピーで『表現』の体をなしていない」
と語ったという。つまり、制作者には新たな創造性や、作品を通じて訴える思想的なものが欠如し、
過去にヒットした作品の焼き直しばかり。例えば「萌え」が流行すればそうした作品ばかりになっている。
また、今のアニメはオタクと呼ばれるファン層に媚びたものが多く、こうしたことから「表現」が制作者から無くなった、という批判だ。
確かに11年9月から始まった20本近い新作テレビアニメを見ると、さえない男性主人公の周りに美少女が群がる「ハーレムアニメ」が驚くほど多く、
過去にヒットした「ハーレムアニメ」作品と共通する内容がかなり多い。
■宮崎駿監督も過去の作品のコピーに嘆いていた
実は、過去のヒット作品を真似たものが増えていることについては、以前から警鐘が鳴らされていた。
宮崎駿監督はベルリン国際映画祭で「千と千尋の神隠し」が金熊賞(グランプリ)を獲得した02年2月19日、記者会見を開き、
記者から日本アニメの世界的な地位を質問されると、「日本アニメはどん底の状態」とし
「庵野が自分たちはコピー世代の最初と言っていたが、それより若いのはコピーのコピーだ。そうしたことで(アニメ業界が)どれだけ歪んでいて薄くなっているか」
などと答えている。庵野というのは大ヒットアニメ映画「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督(51)のことだ。
今回の押井さんの発言についてネットでは
「萌えクソアニメの乱発は誰が見ても異常」
「アニメ業界が飽和しすぎで、コピー品を粗製乱造しなきゃ回らなくなってる」
「売らなきゃ食っていけないからな。安定して売れるのがオタク向けの萌えやエロ」
などと納得する人もいるのだが、現在主流となっているアニメのファン達は、自分達の趣味趣向、好きなアニメを批判するのは許せない、と激しく反発。しかし理論で立ち向かえないからなのか
「押井のアニメくそつまんねーんだよ」
「押井も信者向けの消費財じゃん」
などといった作品批判や、人格批判へと発展し、大混乱となっている。
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