11/11/02 23:57:33.18
―深夜アニメは若者の人気を集めていないのか。
それは一部のファンに過ぎない。制作者側はあくまでもDVDの販売で稼ごうとしており、
一部に受ければよいというものを作る。
実際、1万枚売るといっても、1万人が買うわけではない。1人のファンが2~3枚買っているのだ。
そうした作品は、10年もたてば誰も知らないものになってしまう。
―テレビや携帯端末でインターネットの動画を見るサービスも増えている。競合しないか。
非常に悩ましい問題だ。確かに、ネット動画をテレビで見る人もいる。今後は、外出先で
加入者がアニメを見られるように権利関係を整えることは必要だと思う。
しかし、これまでどおり、家庭に帰ってリモコンに手を伸ばして、長い時間アニメを見たい人も
残ることは確かで、事業の核はあくまでもアニメ放送なのだ。
―滝山社長はフジテレビのグループ会社で「キャプテン翼」など、アニメの“輸出”をしてきた。
アニメの海外展開については。
それは親会社のソニー・ピクチャーズエンタテインメントがやることだ。
ただ、かつては「まげものとアニメ」には電機や自動車メーカーの広告がつかなかった。
まげものとは時代劇のことで、シニアや子どもにはカネがないとみられていたから、アニメの
制作費も少なかった。だからテレビ局もドラマのように著作権までおさえなかった。
他方、海外では新たな放送局の増加に伴って番組が不足した。そこで制作会社も海外に
アニメを売った。
文化的な障壁がないから日本のアニメが普及したともいわれるが、実際はテレビ局の
権利の影響を受けなかったことが大きいというわけだ。
日本の映像コンテンツの85%以上はテレビ局が作っている。いま米国の動画サービスが
日本に来たが、テレビ局がみすみすコンテンツを渡したりしないだろう。テレビ局の影響を
受けないのは、海外ドラマかハリウッド映画、そしてアニメくらい。だから海外に販売できるのだ。
韓国の作品は日本市場を意識して世に出され、受けている。日本も世の中が変わるなかで、
今のままでよいのだろうか。権利に対する発想も変えていかなければならない。