11/07/26 22:05:32.34
好調な業績を続ける東映アニメーションが、今期も順調なスタートを切った。7月25日に
発表された同社の第1四半期の連結決算は、売上高78億800万円と前年の58億3300万円を
33.9%上回り、過去最高の水準に達した。さらに営業利益は11億7900万円(同36.2%増)、
経常利益は13億4400万円(同30.5%増)、四半期純利益は8億1700万円(同26.0%増)と
利益面でも好調さを維持した。
同社の事業セグメントは、映像製作・販売事業、版権事業、商品販売事業、イベント事業の
4つで構成されるが、この全てで増収増益を実現した。有力タイトルを中心とした経営の
多角的展開が業績に貢献している。
映像製作・販売事業の売上高は22億9000万円(前年同期比23.8%増)、セグメント利益は
1億1500万円(同792.3%増)であった。『ワンピース』、『スイートプリキュア♪』、『トリコ』、
『デジモンクロスウォーズ』などを主要タイトルとするテレビアニメ制作は前年並みだったが、
劇場アニメ部門やパッケージソフト部門、海外向けの番組販売が好調だった。
劇場アニメの増収は定番シリーズの『映画プリキュアオールスターズDX3』に加え、『ジャンプ
HEROES film』、『手塚治虫のブッダ』と公開本数の増加が押し上げた。映像パッケージは
『ワンピース』、『プリキュア』シリーズが好調で、売上を大きく伸ばした。
世界各国で積極的な番組販売を行っている海外部門も『ドラゴンボール』シリーズの北米向け
ビデオ化権、フランスを中心にヨーロッパが好調だった『ワンピース』テレビ放映権、さらに
リバイバルに力を入れる『セーラームーン』シリーズのイタリア向けテレビ放映権・ビデオ化権
などが牽引した。
さらにソーシャルゲームの大型タイトル『スラムダンク for モバゲー』、動画配信サービスも
好調に稼動した。劇場アニメ、映像パッケージ、海外販売、配信とバランスのとれた構造となった。
版権事業は、売上高は26億4100万円(前年同期比20.8%増)、セグメント利益は11億7700万円
(同15.3%増)である。前年に引き続き『ワンピース』、『プリキュア』シリーズの2大タイトルが
中心である。しかし、国内部門は好調だったが、為替変動の影響もあった海外部門は
不調だった。
また、イベント事業でも『ワンピース』、『プリキュア』が中心となった。『ワンピース』では
国内有力テーマパークでの展開、ドームイベント、プリキュアのキャラクターショーなどもあり、
売上高が前年の7.7倍8億7800万円、セグメント利益は7900万円である。
第1四半期の結果を受けて、東映アニメーションは業績予想の上方修正も行っている。
既に第2四半期も好調に推移しているとして、第2四半期の売上高予想は109億円から140億円、
営業利益は11億円から20億円、経常利益は13億円から22億円、純利益は8億円から13億円に
引き上げられた。いずれも好業績だった前年を上回る。
通期予想も売上高211億円から242億円、営業利益を22億円から31億円、経常利益25億円から
34億円、当期純利益を15億円から20億円に変更する。ただし、こつらの修正率は、第2半期
業績修正率の半分程度にとどまる。これについて東映アニメーションは、景気の不透明さや
業界の環境を考慮したものと説明する。東映アニメーションの決算予想は、これまで慎重に
見通す傾向が強かった。業績の進捗を見ながら段階的に業績修正することが多く、
平成24年3月期もそうした展開を期待したいところだろう。
アニメ!アニメ!ビズ
URLリンク(www.animeanime.biz)
平成24年3月期 第1四半期決算短信
URLリンク(corp.toei-anim.co.jp)
業績予想の修正に関するお知らせ
URLリンク(corp.toei-anim.co.jp)