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地方からアニメ文化を発信しようとする動きが注目されている。その地の特色をいかした
イベントや作品で、ファンをひきつける。
■徳島 街ぐるみ、2万人集う
ゴールデンウイークまっただ中の3~5日、徳島市の中心市街地を、大勢のアニメファンが
行き交った。
2009年に始まったイベント「マチ★アソビ」。春、秋、冬の年3回開かれ、6回目を迎えた。
アニメの監督や声優のトークイベント、新作の宣伝ビデオの上映会など、会場は市街地に
点在している。
川沿いの遊歩道は、アニメのコスプレをした若者が目立った。「コードギアス」の登場人物に
扮した県内の女子高校生(16)は「同士と出会える場が徳島にできた」と楽しそう。大阪市の
フリーターの女性(26)は「攻殻機動隊」を手がけた神山健治監督のトークイベントが目当てで
「質疑応答ができ、もう泣きそう」と興奮気味だ。ほぼ毎回参加する広島県の男性銀行員(25)は
「街をあげての雰囲気が好き。徳島はマチアソビで初めて来たが、親しみがわいた」。
仕掛け人は、「空の境界」などで知られるアニメ制作会社「ユーフォーテーブル」(本社・東京)の
近藤光社長。徳島市出身だ。
「地方ならば仕事をしやすい環境が作れる」と同社は、09年に徳島市中心街にスタジオを開設。
近藤社長の人脈で業界関係者に声をかけ、「マチ★アソビ」も始めた。当初は集客を不安視する
声もあったが、2万人を集めるイベントになった。
「東京と同じでは勝ち目はない。徳島ならではの特色が必要」。徳島駅から徒歩10分ほどの
範囲に商店街や名所眉山が収まる、街全体を楽しんでもらう。街を囲む水路を周遊する
観光船に乗り、橋の下に飾ったアニメの巨大な絵を眺める「橋の下美術館」という企画も好評だ。
会期中の4日、同社は、映画館が姿を消していた徳島市の繁華街に、アニメ中心の映画館を
開設すると発表した。会見に同席した原秀樹徳島市長は「徳島といえば、阿波踊りだけでなく
アニメも、と言われるようにしたい」と意気込んだ。
■北陸 「聖地巡礼」で観光振興
UHF局などで放送中のアニメ「花咲くいろは」は、「金沢の奥座敷」と言われる石川県の
湯涌温泉がモデルだ。老舗旅館に住み込みで働く女子高校生が成長する姿を描く。
制作する「ピーエーワークス」は、石川県の隣の富山県南砺市に本社を置く。東京周辺に
集中するアニメ制作会社にあって、地方を拠点にするのは珍しい。堀川憲司社長は2000年に、
妻の実家がある富山に同社を設立した。デジタル化の進展があって地方での起業に踏み切ったが、
より積極的な意義を見いだしていった。「たくさんのフリーのスタッフに外注するのがアニメ作りの
主流だが、同じ場所に集まって一つの作品を作り上げる環境が、地方ならばできる」
観光振興への期待も高い。08年のアニメ「true tears」は南砺市などが主なモデルで、
ファンが作中に登場する場所を訪れる「聖地巡礼」が話題になった。堀川社長は「県外に
なじみの薄い城端を知ってもらえてうれしかった」。
4月に始まった「花咲く~」もネット上に、聖地巡礼の様子が盛んにアップされている。
モデルにした、のと鉄道西岸駅の看板の一つを作中の駅名に変えるイベントが4月29日にあり、
約350人が詰めかけた。のと鉄道の担当者は「乗降客が1日20人前後の駅に、こんなに人が
来るとは」と驚いていた。(宮本茂頼)
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「マチ★アソビ」で思い思いのコスプレを披露するアニメファンたち=徳島市
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