11/02/05 07:03:48 ZBs3v25v
そして、上下左右ならぬ上下αβという風に二軸の周囲を蜂が8字運動をするように読みまわるしかない
読者はやがてそういう風に読まれる物語の微妙なぶれに気づくだろう
そのぶれは、表紙に描かれた記号や物語のテクスト中に散りばめられた記号をヒントに軸方向を適切に
設定するとき、一定の方向を指し示すことに気づくだろう
そしてその方向が天頂方向であるということに気づくだろう
その時読者はこれこそが物語中ではほとんど明示されない天蓋領域からのメッセージであることに
気づくだろう
テキストの多い明示的な統合思念体のI/Fである長門に対して天蓋領域はメタ的で暗示的な性質をもつ
ことに気づくだろう
その性質ゆえに天蓋領域のI/Fがなぜあれほどテキスト面で貧弱で存在が希薄であるかを理解するだろう
そのメッセージを理解した者だけが上下巻を通して語られる物語の実相に迫り得るだろう
そしてそれを理解せぬまま次回作の出だしを読んで飛躍に驚く読者を尻目にして、理解した読者は
頭をひねりつつ更に難解な読解に挑まされることになろう