10/12/08 11:30:37
(>>1の続き)
さて、いま東京都は、過激な性描写を含む漫画などの販売を規制するとして、都青少年
健全育成条例の改正案を提案しており、12月議会で可決される可能性がある。
改正案に反対する漫画家や文化人、出版関係者などが3日、東京都庁で開いた記者会見で
山中さんは「官僚は法令の拡大解釈にはたけている」と、条文のあいまいさによる拡大解釈の
危険を訴えた。
会見では法社会学者の河合幹雄桐蔭横浜大教授も、今回の条例改正案は「警察にとっての
使い勝手は良いが、表現の自由にかかわる出版物に対しては、最低限の歯止めにとどめる
べきだ」と発言した。
現行の改正案では「強姦(ごうかん)等の著しく社会規範に反する性交または性交類似行為」
などの表現が対象となる。わいせつに関する「社会規範」は、時代による変遷が大きい。
河合教授はこれを「13歳未満の子供に対する暴力的な性犯罪」「強姦と強制わいせつ」などと
明示的に限定しても、都の主張するような青少年の保護という目的は十分に達成されるはずだ
とも指摘する。
「子どもを守る」という目標の前では、「表現の自由」はかすみがちになる。だが、だからこそ、
漫画や児童書の規制を入り口に、権力が表現をコントロールしようとしてきた歴史を、
もう一度かみしめたい。(樋口大二)
(了)