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極端に目の大きな少女雑誌の挿絵は「過度に感傷的なるもの、病的なるもの」、
男女の駆け落ちなどを描いた「卑猥(ひわい)俗悪なる漫画及び用語」は、
児童書や漫画本からは「廃止すべき事項」である。1938(昭和13)年10月、
内務省警保局図書課は「児童読物改善に関する指示要綱」を発してそう定めた。
『あばれはっちゃく』などで知られる児童文学作家、山中恒さんは、新刊『戦時児童文学論』
(大月書店)で、当時の児童書や漫画本への規制の経緯を追っている。
前年に開戦した日中戦争が長期化の様相を見せ始めていたこの年の5月、
国家総動員法が施行されていた。その直前の2月、内務省は当時「赤本」と呼ばれていた
安価な漫画本の編集者を集め、今後は漫画も検閲を受けるよう指示していたという。
山中さんは「赤本は夜店などで売られ俗悪な漫画が多かったから、日本の青少年を
健全に育成するためだといってみな規制に賛成した。しかし本当の狙いは、当時最大の
大衆出版社で、『少年倶楽部』などの版元でもあった講談社ではなかったか」という。
要綱は「教訓たらずして教育的たること」「絵は極めて健全なるものたること」などと
指示しているが、客観的な基準は示されていない。俗悪本を取り締まると称して、
出版社が当局の意向を常にうかがわなければならない体制が作られたというのである。
(>>2以降に続く)
ソース asahi.com 2010年12月7日15時4分
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