10/12/04 18:49:23
第156号議案「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」の条文のうち、一番、
「基本」になっているのが、第7条第2号という条文です。この条文の意味をつらつらと考えているうちに、
幾つかの疑問が湧いてきました。
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第七条 図書類の発行、販売又は貸付けを業とする者並びに映画等を主催する者及び興行場(興行場法
(昭和二十三年法律 第百三十七号)第一条の興行場をいう。以下同じ。)を経営する者は、図書類又は
映画等の内容が、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、相互に協力し、緊密な連絡の下に、
当該図書類又は映画等を青少年に販売し、頒布し、若しくは貸し付け、又は観覧させないように
努めなければならない。
一 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全
な成長を阻害するおそれがあるもの
二 漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為
又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張する
ように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の
健全な成長を阻害するおそれがあるもの
(平四条例一九・平一三条例三〇・一部改正)
(中略)
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創作物であれば、時代・場所の設定は自由ですし、架空の時代、そもそも、全く価値基準の異なる世界を
舞台とする場合もあるでしょう。このような創作物について、現在の刑罰法規を基準として、規制の対象と
することは、ナンセンスという他はありません。
(3)前にも述べたとおり、「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為」は要するに犯罪ということです。
しかしながら、犯罪を犯すことと、「犯罪について表現すること」は違います。「犯罪について表現すること」
を規制の論拠にすることは、危険な一線を越えることになります。
暴力、薬物、組織犯罪等、何でも規制の対象となることを可能にする危険な先例を造ってはいけません。
「非実在犯罪」規制はいらないのです。
(本文より一部抜粋、全文はソース元でご確認下さい)
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