10/12/03 22:31:01
日本で作ったアニメを韓国で放送するという従来のパターンとは逆に、韓国製アニメが日本にやってくる。
CSのアニメ専門チャンネル「アニマックス」で10日から放送される男児向けのテレビシリーズ
「鉄拳戦士アイアン・キッド」(金曜午後6時半)。韓国の大元メディアが制作、日本の老舗である東映
アニメーションが日本進出をサポートした。両社の担当者に話を聞いた。
「アイアン・キッド」は、出版や有料チャンネルの運営まで行う韓国の大手制作会社・大元メディアの作品で、
米国やスペインなど二十カ国以上で放送された。人類初のロボット戦争から百年、伝説の武器
「アイアン・フィスト」を手に入れた少年と、謎の少女の冒険物語。
これを日本で放送するための“仲介役”となり、日本語版を制作したのが東映アニメーション。
両社の関係は深い。一九七三年の設立以来、東映の作品制作を請け負っていたのが大元で、作品を
韓国で放送する際のパートナーでもあった。
東映アニメーションの木下浩之コンテンツ事業部長は「今、アニメのターゲットが細分化されている中で、
大元さんに男の子向けの作品があると聞き、うまく日本で展開できるのではと考えた。ライバルであり
パートナーというのは、アニメでは、よくあること」と話す。
そもそも子どもは“原産国”を気にせずアニメを見る。「いい作品」さえあれば日本でムーブメントを起こす
ことは可能だと考えている。日本語版制作では、日本人声優を韓国で合宿させ、作品や文化を理解して
もらったという。
大元メディアのキム・ブルギョン コンテンツ本部長は「韓国には日本のアニメを見て育った人が多く、
そういう人たちが『アイアン・キッド』の開発者になっている。この作品が日本でどう評価されるのか、
ワクワクしています」と期待する。
一方で、「日本は独自の製作委員会方式が定着していて、既に出来上がった作品が参入するのは
米国以上に難しい」ということから、アニマックス、東映アニメーションの協力は不可欠だった。
「アイアン・キッド」は、世界の主流になった立体感のあるCGアニメだが、キャラクターや物語には
東洋的なものも感じさせる。欧米のアニメも作ってきた韓国人の技術力と、日本アニメの影響。
国内市場が小さいことから、明確に海外を視野に入れてきた国際競争力。
こうした事情を背景に、ドラマ、音楽のように、アニメも韓流の一翼を担うようになるのだろうか。
キムさんは「今回のことは、そんな大きな戦略ではない」と控えめで、
「韓国が、日本が、ではなく一緒にいい作品を作っていきたい」と続ける。
>>2へ続く
東京新聞
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