10/11/19 14:54:00
発売前の『けいおん!』を、とっくの昔に全話鑑賞済み
「ずれ」とは、アニメが日本からアメリカに輸入される際に生じる「タイムラグ」のことである。よくよく考えてみると、「けいおん!」の
第1期が日本で放映されたのは09年4月から6月までである。つまりバンダイエンタテイメントが北米でのライセンスを受けたと発表
したのは、日本で「けいおん!」が放映されてから1年近く経った後だったのだ。しかもこの段階ではライセンスを受けただけなので、
実際の北米版DVD発売はさらに先の話になる。「けいおん!」は米国ではテレビ放映もされていないので、米国のファンが正式な
形で「けいおん!」を楽しむまでには日本での放映から1年以上も待たなければならない。
米国のアニメファンはそんなに我慢強い人たちなのだろうか? 答えは「ノー」だ。実は米国のファンは、とっくの昔に「けいおん!」
を楽しんでいるのだ。カギは「ファンサブ」と呼ばれるネット上の動画にある。ここでは、アニメ作品のエピソードが日本で放映された
直後にその動画ファイルがアップされ、米国をはじめ海外の熱心なファンが、その動画に自主的に各国語の字幕を付けてタダで
流通させる、という活動が行われている。ファン(fan)による字幕(subtitle)を付されたこのような動画を「ファンサブ(fansub)」と呼び、
ファンサブを作成する海外のアニメファンは「ファンサバー(fansubber)」と呼ばれている。日本での放映から、ファンサブが完成する
までには平均して24時間もかからないといわれている。
エンターテイメント消費者としての米国人は「移り気」なことで有名だ。彼らは、日本で放映されたエピソードを見るのに、正規の
北米版DVDがリリースされるまで1年近くも待っているようなことはしない。そのかわり彼らは即座にネットにアクセスし、YouTube
などの動画投稿サイトや BitTorrentなどのファイル共有サービスで出回っているファンサブで「今すぐに見たい」欲望を満たすのである。
これを前提に冒頭の場面を改めて考えると、時間軸の「ねじれ」が見えてくる。つまり、アニメエキスポで盛り上がっていたファンたちの
ほとんどは、実はネット上で「けいおん!」第1期のエピソードを既に全話鑑賞済みの人たちだった、ということである。さらに、2010年
4月から日本では「けいおん!!」のアニメ第2期が始まっていたから、2010年7月のアニメエキスポ時点で彼らは第2期のエピソード
までも、ほぼリアルタイムで消化していたことになる。
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