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(>>1のつづき)
■やはりそこには「満腹感」
遠藤「映画に関して言うと、20代前半の3人に1人がネットで楽しんでいると回答しています。これは、比率としてはかなり高いので、違法アップロードされたものを見ている人も相当多いんじゃないかな。
中国版YouTubeとも言える『優酷網』は、日本からのアクセスが一番多い時期もあったから」
まつもと「とは言え、そもそもアニメの場合、テレビで大々的に無料視聴が可能です。そして、それを(ダビング10という制約はあるにせよ)録画して繰り返し視聴させることもできるわけで、いわば巨大なフリーモデルとも言えます。
ですからネット視聴の機会が増えたからといって、セルビデオの販売に大きな影響は及ばないのではとも思います」
URLリンク(ascii.jp)
(世代に関わらずDVDでの鑑賞が50%以上を占めているが、20代前半だけはネットで無料視聴しているとの回答が多い)
遠藤「物理的にはそうかもしれない。けれど、意識―ある意味マインドシェア―への影響は大きいように感じる。収入が下がる中、無料で手に入るならばお金はできるだけ払わないという意識。
不景気・ネット・エコなどの意識の変化、この3つの要素が同時に来ているということが大きいでしょう。
そして、実際に違法動画を視聴しているかはともかくとして、デジタル化されてネットに存在することがわかると、『いつでも手に入る/見ることができる』という考えを生んでしまう。
購入というアクションを起こす一段階手前に、ネットでの無料視聴という選択が出現している。善悪はともかくとしてね。
それがさっきの仮説、“映像としてではなくグッズとして買っている”というところにつながっていると思うなあ。
言わば、食べるものがあると分かっていれば、あえて今食べなくてもいい、そんな感じですよ。実際には食べ物を持っているわけではないけれど、ネットに行けばいつでもそれが手に入る」
まつもと「同じようにコンテンツを食べ物に例えたお話は、アニメ「イヴの時間」のプロデューサー・長江努さんがされていたのを思い出しました」
遠藤「かつては(デジタル品質で劣化なく視聴ができる)DVDも無かったわけじゃないですか。
ネットは非同期だし蓄積メディアだから、ビデオがない時代のテレビ番組みたいに、見逃したらもう一生見られないといったプレッシャーはない。同期性がなくなって蓄積されていく」
■アニメが再び浮揚するためには?
まつもと「縮小する国内市場に合わせてしまっては、海外のビジネスチャンスを取り損ねたり、そもそもの供給力が小さくなってしまいます。
とはいえ、足元の売上も大切となると、MCSや動画協会のデータから見えてくるように、
(1)プレミアム消費に即した商品(グッズ)を開発する (2)劇場を新たなウィンドウとしてさらに開拓する、といったあたりが打ち手となりそうですね」
遠藤「あとは、深夜アニメで多様性を支えるコアな作品がどう視聴されているかをデータで見るには、映画でいうところの5万人くらいが見る“規模は小さいけど重要な作品”の動向が把握できるといいね」
まつもと「ネットから話題となり、韓国での放送反対運動などがありつつも、海外ファンも多数獲得したヘタリアなどは1つのベンチマークになるかもしれません」