10/12/15 22:58:14 ZH93AIMl
西洋の古典全書みたいなのに乗っかるようなのは俺はだいたい読んだよ
それで古典はいいの?といえば、まあいい、おもしろいのはある
ヴィクトリア朝のディケンズやオースティンで人間模様は書ききってるし
19世紀ロシアで思慮と葛藤を覚えて、その頃のフランスもユゴーやデュマみたいなロマンが奮い立たせてくれるね
南米の幻想文学は雨の日にぴったりだし、日本の私小説はワナビだった俺には宝庫みたいなもんだ
でも一番すきなのは太宰だねロマン灯篭みたいなやつ
4兄妹でストーリーバトンをして、当時流行のデカダンチックに物語を組みたててく3人の弟妹を裏切って
アンカーになった兄がどんでん返しのハッピーエンドで決着させる話
弟たちはバカにしてたけど俺はこの兄さんが大好きでね
頭の良いふりして斜めに構えるやつらより、自分の理想への率直さと大胆さを尊敬してる
あるいはカミュみたいな、他人に誤解されても自分を信じて、信念を曲げるくらいなら死を選ぶムルソーとかすごくいいね
何百人と登場する小説もいいがたったひとりに注目してそいつの人生観を表現してるのが俺にはぴったりだし気に入るし
それは自分の素質とは正反対な物が多い
普遍的でもなんでもねえよ、単なるないものねだりだ
何かを手に入れるというのはただのないものねだりなんだよ
自分にとって得かどうかが読書で問題であって
その作品が世の中でどういう位置づけでどれだけすばらしいものだなんて俺には鼻くそみたいなもんだな、どうでもいい