11/08/27 00:24:11.18 DeBoIttU
石川少尉は小泉艦長と式場博士の目を盗みある試みをしていた。
それはチャット画面を介してkittyと会話を試みる事であった
「なあkitty?あんたのホントの名前は遠刕恒寿って言うのか?戦艦オオクボ、ブータガンダム
アブラブータガンダム、光翁、性犯罪者、なんか言ってみろよコラ」だが反応は無い
「やっぱ思い違いか」彼は胸を撫で下ろした。同時に小泉艦長が叫ぶ
「石川少尉!索敵機26番機の状況はどうか!!」
護衛空母「カイヨウ」格納庫
突然の警報にガンダムF2のコックピットからナツミは出るに出れなくなっていた。
機体の足元では搭乗員や整備兵が何やら打ち合わせしている。
「どうしよぅ、さっき怒られたばっかりなのに乗ってるとこ見られたらヤバイよぉ」
その時、メンテナンスラダー上を走る足音が聞こえた。
「ヤバイ!誰か来る!」ヨシミは咄嗟に立ち上がるとリニアシートの後ろに隠れた。
「小川中尉殿!機体、発動機問題無し!好調でよく回ります!」整備兵らしき声が聞こえた。
同時に誰かコックピットのシートに乗り込んできた
「ありがと!じゃあ征ってくるよ!!」さっきヨシミを叱った声だ。
「ナ、ナツミさん??」咄嗟に口を塞ぐヨシミ
ハッチが閉じると360度球体モニターが格納庫内を映し出す。起動音がコックピット内に響く
「あわわわわ、どうしよ。なんか動いてるよ」だが身動きの取れないヨシミであった。
同じくカイヨウCIC
「艦長!未確認機ロスト!失探しました!モーション、サーモ各センサー反応無し!ミノフスキー粒子レベル2!」
「失探だと?デブリか何かが飛来してたのが小惑星にぶつかって消滅したんじゃないのか?」
電探員と艦長が叫びあう。副長が駆け寄る。
「艦長!警戒を解きますか?」その言葉に一瞬考える一色艦長
251:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/08/27 00:43:34.12 DeBoIttU
新田少将と真田大尉はこの状況に困惑した。
あれはまさしくツネッシに違いない。本艦を発見して圧搾空気によるステルス巡航に入ってる。
だが対スペースノイド兵器のツネッシの存在を彼らに教えていいのか?だが教えなければやられる
それ以前に彼らにまだタイタニック率いる独空408戦隊から逃亡した事さえ教えていないのだ。
「副長、戦闘配置を解・・」一色艦長がここまでいいかけて新田が割って入った。
「副長、デブリかもしれんがネオソーカの新手の新兵器が温存されているのかもしれん。奴らは7年前ブタスター
と言う光学迷彩装備の機動要塞で地球に降下してきた。ミノフスキーレベルが高いのも気になる。どう思うかね一色艦長?」
この新田の言葉に一色艦長は呆気に取られた。
「さすがは閣下、幾度の大海戦を生き抜いてきた判断力ですな。副長、哨戒のMS隊を出せ。」
「了解しました!」
「小川機、征きます!」ナツミの駆るガンダムF2がカタパルトから打ち出される。
「機体異常無し。編隊を組め」とナツミが言った時、後ろで誰かがむせている
「ゲホッ、ゲホッ!」射出のGでむせるヨシミであった
「誰だ!ヲマエ!ゲッ、さっきの小娘じゃねえか!!何でこんなとこに居るんだ!!」
その時、僚機から通信が入る。
「中尉殿!どうかしましたか!!??」まさか自分の機体に子供が居るとは言えない
「いや・・なんでもない。各機艦隊の両翼に展開しろ!オーバー」そう言い終わるとナツミは通信を切った
「あんたノーマルスーツも無しに死んでも知らないよ。ったく何やってんだか」
「ごごごごごめんなさい、勝手に乗り込んで。あ、あのナツミさんのMSとは知らなかったんで」
「馴れ馴れしい娘だね。ったく子供が乗り込んでたなんてバレたらあたしは大目玉だよ。無理な機動はしないから
そこでおとなしくしてなよ。ただの哨戒飛行だから。ところであんた宇宙酔いしないの?」ナツミは呆れ口調でヨシミに聞いた
「いえ・・多分大丈夫です・・」
「そう、この中でゲロ吐かれたらたまったもんじゃないからね。そう言えば昔、ウンコ漏らした奴も居たわ」
「恒寿叔父さん?」何故か直感で感じたヨシミだった。
「まったく、センカク沖まであと少しなのになんでこんなに粒子のレベル高いんだ?変だな」
センサーを弄るナツミ越しの向こうにヨシミは何か感じた。
「アレが・・来る!」
252:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/08/27 01:06:40.68 DeBoIttU
哨戒飛行していたタンカー真横に居たガンダムF2が何の前触れも無く爆発した。
「工藤機がやられた!!なんだ!!」カイヨウのCICは騒然となる。
「おいおい、デブリが攻撃してくるかよ!」ナツミのガンダムF2は艦隊の真上に上昇した。
「何にも見えねえ。何にもひっかからねえ」その時、もう一機のF2も爆発四散した。
「ああ、松田機も・・」ナツミはそう言うと機体を横に滑らす。同時に随伴していたタンカーの
一隻が火を吹いてる。そしてそれは巨大な火球となった。残骸が四方八方に吹き飛ぶ
「えねおす丸撃沈されました!」カイヨウのCICでは何が起きているのか理解できない
「索敵班!!どこから攻撃を受けている!!」
「わかりません!何もモニターできません!!」
その時、もう一隻のタンカーにへばりついていた駆逐艦が距離を開けた。撃沈による
被害を恐れたのか?同時にそのタンカーも巨大な火球となって四散した。
「じょも丸撃沈!スズツキは健在です!」輸送部隊は一気に半分になってしまった。
そしてカイヨウにも衝撃が走る
「損害報告!!」艦内に非常警報が鳴る
「飛行甲板及び搭乗員待合室、及び弾薬庫に被弾!現在消化班向かってます!!」
「あの艦長・・・ツネッシ26番機輸送船二隻撃沈、敵MS二機撃墜・・してますが」
小泉艦長に横山少尉がたどたどしく報告している。
「何!まだ攻撃許可は出しておらんぞ!船団を停船させろと言ったのだ!」
「護衛空母も被弾しちゃってるみたいですがこれって・・・」
「おい!石川!kittyに命令しろ!攻撃中止!停船命令を出して遠刕ヨシミの身柄をよこせと命令させろ!」
「ナツミさん!!右に逃げて!」ヨシミの咄嗟の叫びにナツミは機体を右に滑らす
「なんだよ!驚かすなよ!何適当な事言ってんだ!!」その時、機体に衝撃が走る
「被弾した??」だがセンサーはオールグリーンだ。だがナツミはゾッとした。
左腕に装備したシールドにニードルが大量に刺さっているのだ。ツネッシのエアライフルの散弾だ。
「うへぇ、なんだこれ!!」ナツミはシールドを投げ捨てた
253:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/08/28 00:14:46.38 kFV7ZkeB
「小泉艦長!ツネッシが3機目も撃墜した模様です!!」それを聞いた小泉は怒鳴った
「違う!!停船させろと言ってるのだ!!どけ!」そう言うと石川少尉をチャットモニターの
前からひきづり下ろし小泉艦長がkittyに命令を入力した。
「タイタニック小泉艦長より下命す。直ちに船団を停船させ遠刕ヨシミを拘束せよ!」
彼はそう命令を入力した後、ミツヲウモードのスイッチを押した
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!(@w荒」
「ナツミさん、見えた!!」ヨシミがモニターの片隅を指差して叫ぶ
「はぁ?何がだよ??センサーは何も捕らえちゃいないのに・・って何だありゃ!!」
ナツミのF2のモニターを左から右へ横切る不細工なMSが確かに見える。
「あいつ、推進炎出してねえし!」ナツミはそう言うとマニュアルでモーションセンサーの
ロックをかけた。白いレティクルが赤く輝く。捕まえた!!
「テメぇか!!工藤一飛曹と松田の仇だ!!」ナツミのガンダムF2は巨大なデブリをすり抜けて行くツネッシを
追撃した。そのメタボの様なボディからは想像できない機動をしている。
「くそっ、こいつサーモセンサーでロツクが掛けられない!何出して飛んでいやがるんだ!」
デブリの裏をすり抜けた時、ナツミのF2に衝撃が走る。
「何!!??」一気に機速が落ちる。
「何だよコレ!!バーニアは吹いてるのに前に進めねえ!!」
デブリから飛び出ていた浮遊していたワイヤーにナツミのF2は引っかかり捕らえられてしまったのだ。
「くそっ!くそっ!」スロットルを踏み込んでも機体は全く動かない
254:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/08/28 00:29:34.17 kFV7ZkeB
ツネッシは「カイヨウ」の艦橋の前で静止するとエアライフルの銃口を向けた
「艦長!!敵MS、艦橋に銃口を指向!!」
「何?対空砲は何をしていた!!」さらに通信兵が叫ぶ
「艦長!!敵機よりボイスメッセージ入電中!!」
「何だと?敵機はネオソーカでもなく異星人だとでも言うのか!!」
一色艦長と新田少将は艦橋に上がる。そこには一機のツネッシが銃口を向けて止まっているのが見える
「ヲレ、いや、連邦統合軍独立空間408戦隊所属ツネッシ26である。貴艦に収容中の遠刕ヨシミの身柄をヲレに渡したまえ(@wぷ
貴艦と乗員の安全は保障するが新田、真田、四丈半の3名は最寄の連邦宇宙軍司令部に身柄を引き渡したまえ。どうするね?(@wぷぷ」
それを聞いた一色艦長は絶句する
「閣下・・・一体何が?・・・我々には理解できません・・」
その時だった
「てめぇぇ!!」ワイヤーをビームサーベルで焼ききったナツミのF2がツネッシに襲い掛かった
艦橋の前にいたツネッシは頭部をど真ん中から切りつけられ動きを止めた」
「おい!爆発するぞ!!艦橋要員退避!!」
「フン」ナツミはツネッシの片腕を掴むと素早く艦から離れる。どうやら爆発はしないようだ。
「他に機影無し。小川機、帰投する!」
「艦長!ツネッシ26番機からの通信途絶。撃墜された模様・・・です」
「バカかこいつは!!他の敵機も確認せずに不用意に艦橋に近づくとはどんだけウスラバカだ!!」
小泉艦長はミツヲウモードボタンを連打した。
「このウスラバカが!ゴク潰しが!!」
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@wウスラ」
255:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/08/28 00:44:09.89 kFV7ZkeB
「一体どう言う事なのですか!!??何故我々の船団が統合軍の艦載機に襲われるのですか?」
一色艦長の問いに新田少将はうつむいて言った
「すまん・・艦長。私の責任だ。君達まで巻き込んでしまったようだな」
同時に電探員が叫ぶ。
「艦長!まもなくラサの領空なのですが・・・それが・・」
「どうした?言ってみろ」一色艦長は電探員に駆け寄る
「ラサのコロニー本体が探知できません。代りに巨大なデブリ多数。
その報告を受けて一色艦長は青ざめる
「閣下・・・一体何があったと言うのですか?」
「艦長、私のツネッシ、あまり叱らないでもらいたいな」
式場博士がタイタニックのCICに戻ってきた。
「博士、今までどこへ?ツネッシが一機撃墜されましたよ。この最新鋭ステルスMSが!」
「ちょっとバイタルパートのkittyの格納容器が気になりましてな。まあ問題は無いのですが
このタイタニックもツネッシもまだ実戦初投入ですから。一機や二機の損失は想定の範囲内ですよ」
「うむむむむ、で博士。もう二機のツネッシもセンカクの船団に向かわせ・・」
「いえいえ、艦長。あれではデータが取れない。長官の仰せの通り艦隊を資源衛星「センカク」に向かわせ
やつらのMS隊とツネッシを交戦させるのです。まずは残った二機を帰還させましょう。遅かれ早かれ「カイヨウ」
はこちらに向かってくるでしょう。遠刕ヨシミはその時に捕らえれば問題ない。幸い「kitty」も安定していますし」
護衛空母「カイヨウ」格納庫
ナツミが鹵獲したツネッシを持って着艦した。格納庫は先ほどの攻撃でひどくやられている
「ひでえ・・どうなるとこんなに破壊されるんだ?」
256:名無しさん
11/08/30 23:31:49.71 Mt6SGPbM
支援
257:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/08/31 23:26:04.64 cHnMsr/W
F2のコックピットのハッチを開けてナツミは唖然とした。
ついさっき、自分が後にした格納庫内はほぼ原型を留めていなかった。
駐機してあったMSは粉々になりメンテナンスベッドや全ての機器は無残な形になり転がっていた。
その間に人が倒れている。ナツミの後からコックピットから出てきたヨシミはその光景を見て目を覆った。
「中尉殿、私以外、整備隊長以下全員戦死です」機付の整備兵にそう言われ改めてナツミは途方に暮れる。
「他の搭乗員はどうした!?無事なんだろ?」ナツミはその整備兵の肩を掴むと揺すりながら尋ねた
「いえ・・・搭乗員待機室にも被弾。パイロットで生き残っているのは・・中尉だけです。艦載のMSは中尉の機体とF2がもう一機残っただけです」
「たった一機のMSでなんて破壊力なんだよこのガラクタがあ!!」
ナツミはそう言うと鹵獲され、格納庫に転がるツネッシに蹴りを入れた。
「よんよん!あなた何処へ行ってたのよ!!心配したわよ!!」
シマは格納庫でヨシミを発見すると彼女に抱きついた。
「あ、いや、シマさん・・ごめんなさい」間違ってもナツミのF2に同乗してたなどと口が裂けても言えない。
「やれやれ。やっと邪魔者無しでご対面たなツネッシ。ホントに醜いMSだな」その声と共に真田大尉がやってきた。
彼はツネッシの機体の回りを何やらセンサーを当てながら一周した。そしてナツミのF2の機付の整備兵に声をかける
「君!名前は?」
「ハッ、大尉殿。小沢伍長であります!」
「伍長、これからツネッシを分析する。君にも手伝って欲しい。こいつを攻略するのに何か手がかりが掴めるかもしれん」
258:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/08/31 23:45:13.49 cHnMsr/W
「し、しかし大尉殿。このツネッシとやらはネオソーカの機体なのでありますか?識別コードも何もありませんが」
「伍長。こいつは・・・・統合軍の機体だよ」
「と、統合軍の機体?、な、何故我々が統合軍に攻撃されるのでありますか?」
「質問は後だ伍長。手を動かせ」真田はそう言うとPDAのパネルを開いた
それを覗き込みながらシマは言った
「大尉、それは?」
「先ほど「オオヨド」のモニタリングルームで式場博士のメインコンピューターにハッキングして
データを盗んでおいたんですよ。何とかツネッシのデータと設計図だけは入手できたんですがね」
ツネッシの脇腹のメンテナンスハッチを開けると二本のプラグを固定する真田大尉
「これでこいつは丸裸だな」PDAのパネルを操作するとツネッシの首がスライドして首の付け根から
オレンジ色のダミープラグが排出された。
「この醜いバケモノを操っているのがツネンゲリヲンにもあったこのロケット型のパーツとはな」
機体にセンサーを当てていた小沢伍長が叫ぶ
「大尉殿。このツネッシからは熱反応、その他なんら検出されません。完全に機関は停止しています」
真田はナツミをチラ見すると言った
「さすが歴戦のパイロット。急所を一突きで機関を停めてくれたからな」
ナツミは赤面してしまった
「カイヨウの艦載MSが22機も大破で稼動不能だと?」
一色艦長は頭を抱えた。
「ハッ!正確には小川中尉の機体と奥のブースでメンテナンス中の合計2機がかろうじて生き残りましたが。敵機の被弾跡は
3発だけですがこれほどの破壊力とは。現在復旧及び応急作業中。航行にはなんら支障はありません。それと平行して真田大尉が
小川中尉が鹵獲した統合軍のMSを現在、調査中であります!」
伝令の兵の言葉を聞いて項垂れる一色艦長を見て新田少将が声をかける
「艦長、艦長室で話しがしたい。いいかね?」
259:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/01 00:21:52.27 PSZOXNvq
「ま、まさか閣下!ご、ご冗談を!!」卒倒する一色艦長
「艦長、これは冗談でもなんでもない。真実だ。中央政府はコロニー連合に圧力をかける為の
無人兵器の実戦投入に着手し侵攻を始めたのだよ。ラサはその手始めにすぎない。これは事実だ」
「で、では何故その中央政府の司令官である閣下が我々の船団に救助を求めたのですか!」
一色艦長の問いに新田は静かに答えた
「私は当初、ラサに対しての治安出動と言う名目で地球から艦隊を率いて出撃した。だが命令は二転、三転し
挙句、コロニー住人の虐殺とコロニーの破壊命令まで出た。私はその命令に背いた。だがラサは破壊された。それは事実だ」
「つまり少将閣下はその作戦に対して命令無視をしてオオヨドから逃走したと?」
「今、展開している独空408戦隊の指揮官、小泉大佐によって艦隊は乗っ取られた。私も軍人だ。命令違反は承知だが
そのような非人道的に作戦に加担はできない。だが小泉はまるで砂の城を壊すかのようにラサを破壊した。あのタイタニックでな」
新田の告白に一色艦長は困惑した
「閣下・・・連邦政府左派のあなたがコロニー連合と和平の道を歩もうとしているのは重々承知です。ですが私もこの艦と乗組員の
安全を守る義務があります。申し訳ありませんがこれ以上力には・・・・力不足ですみません・・・」うなだれる一色艦長
「・・そうか。わかった。私と真田、四丈半の身柄はセンカクに到着後、中央政府に身柄を引き渡して貰ってかまわんよ。だがあの娘、
遠刕ヨシミだけはなんとか逃がしてやってくれないかね?彼女は政府に命を狙われているのだ。」新田少将はそう言うと一色艦長に頭を下げた
「閣下、私も軍人です。中央政府から5人の身柄の引渡しを求められている。私の一存だけであの娘を逃がす訳にはいきません。閣下が虐殺作戦に
反対したように私もひとりの・・ただの軍人です。それ以上でもそれ以下でも・・申し訳ありません」今度は一色艦長が頭を下げた。
「そうだな。君も軍人だ。国を守る為のな。」
二人は艦長室を出た。一色艦長は艦橋へ。新田少将は居住区へのエレベーターへと向かった
「艦長。私達はゲストだ。センカクへ入港するまでおとなしくしていよう。残りの3人にも居住区へ呼んでくれたまえ」
一色艦長は新田少将の背中に敬礼をした。
「艦長!」艦橋へ向かう一色艦長に背後から副長が声をかけた
「無礼を承知で具申します。それでいいんでありますか!!??」
260:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/01 00:44:31.92 PSZOXNvq
副長に呼び止められた一色艦長は足を止めた
「副長!もうその話はいい!!閣下も納得してもらったのだ」
「艦長!ドアの前でお話を盗み聞きしてしまった事はお詫びを申し上げます!ですが今ここで
新田少将を中央政府に渡したら取り返しのつかない事になりますよ!閣下は我々の同盟国であるラサを
救おうと尽力してくれた。いわば我々の味方です。その閣下を引き渡したらセンカクもソーカの様に滅ばされます。
いや、あのソーカ戦争以上の戦火の渦が全てを飲み込むでしょう!我々は今、歴史の起点に居るのです!ですから・・」
「副長!!もういい。今の話は聞かなかった事にする。救助した他の3名も閣下の所へお連れしろ。鹵獲した
統合軍のMSはセンカクに到着後、中央政府に引き渡す。いいな。これは命令だ」
一色艦長はそう言うと足早に艦橋へと向かった
「こいつの推進システムがよくわからんな」真田大尉はそう言うとツネッシの脚部バーニアを覗き込んだ
「空気と推進剤によるデュアル推進システムか。噂では聞いて居たが現物は初めて見たな。しかもこいつのライフル、エネルギーパックも
付いているな。ビームライフルでもエアーによる実体弾の切り替え式か。銃口が上下に並んでいるのはその為か」
「大尉殿、音も無く二機のF2を撃墜したのは・・」ナツミが話しかける
「ああ、式場博士に触りだけ聞いたが圧搾空気で発射された弾頭は近接信管で爆発する。ニードル状の子弾が散弾になって
標的を襲うわけだな。ビームライフルの様に光跡も発射音もしない。こいつは厄介だな。だがこいつの真髄は武装ではない」
真田はそう言うとオレンジ色のダミープラグを指差した。
「7年前の富士山山頂に飛来したツネンゲリヲンと同じモノだ。博士によると歴戦のパイロットの機動データがこの中に
入力され機体を無人で稼動させるらしい。だが「核」となるシステムが存在するはずだ。そのシステムの制御系統があの空母に
あるのならこのダミープラグとやらにはどんな人格がインプットされているんだ?」その時、真田はプラグの横のコーションラベル
が目に止まった。「SYSTEM/ E.T」と記入されている。
「E.T」?ってあのETですかね?」小沢軍曹がセンサーを当てながら言う
「地球外生命体か?まさかなぁ。人のイニシャルか?E?んー、わからんな」
その時、小沢軍曹の顔が青冷める。
「大尉殿!プラグ内に高エネルギー反応!!レベル上昇中!!」
「何?停止してたんではないのか!!??」
「いえ。機体と分離してますからこいつは別です。いきなり反応しました!!」
「まずい!全員格納庫から退避!!急げ!!」
261:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/01 23:46:50.76 PSZOXNvq
「隔壁閉鎖!急げ!」カイヨウの格納庫は蒼然となった。
「伏せろ!!」誰かが叫んだ。次の瞬間、艦内に轟音と衝撃が轟いた。
「なんだ!!また敵襲か!!??」一色艦長は艦橋の窓から爆炎の上がる飛行甲板を見下ろした
「詳細不明!!調査中です。周囲に機影無し!!」観測員はモニターを確認している。
「全員無事か!!??」真田大尉が叫ぶ。生き残ったクルーは全員無事のようだ。
「機体ではなくあのダミープラグとやらに自爆装置が付いていたとはな・・これは大目玉物だな」
真田大尉は服に付いた埃を落としながらつぶやいた
空母タイタニックCIC
「このウスラバカめ!!ビチ糞イモ虫めが!!」小泉艦長は「kitty」に「ミツヲウモード」を連打していた。
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@w泣」とkittyの断末魔が表示されている。
この光景を見ていた石川少尉はたまらず止めに入った
「艦長!もう止めてください!!いくらkittyが人工知能でもやりすぎです!」
「キサマァ!!少尉の分際で私に楯突く気か!!軍事法廷に行きたいか??」怒鳴る小泉
「いえ、そうではありません!!艦長殿が26番機を差し向けたおかげであの船団の旗艦である護衛空母に
損害を与えたのですよ!!こりは艦長とkittyの圧倒的銀河系的大勝利なのですよ!!」石川少尉は小泉艦長にすがりついた
262:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/02 00:12:12.68 tdJXLS5Q
「ツネッシ26番機から自爆信号が送信されています。恐らく敵に何らかの損害を与えたかと。」
その言葉に小泉艦長は我に返った。
「む、うう。そうだな。どうやら私の采配が的中したようだな。うむ、取り乱してすまなかったな。少尉」
そう言うとキャプテンシートに小泉艦長は戻って行った。
「あ、ありがとう。ノリユキ(@w感謝」チャットモニターに表示された文字を見て石川少尉はコマンドを入力した
「何言ってんだよkitty。ヲレ達、友達だろ?」
「真田大尉。君は格納庫で何をしていた?おかげでカイヨウは中破、今現在航行不能だぞ!!」
「申し訳ありません、艦長殿!あのツネッシを調査すれば何か対抗策が練れると思ったのですが・・」
「対抗策?何故我々は中央政府の統合軍と交戦する必要がある?そんな事は必要ない。そもそも誰がそんな指示を出した?」
「・・・私の独断専行です・・申し訳ありませんでした。ですがこのままではこの艦もタイタニックの餌食・・」
「餌食!!??餌食だと?もうとっくに餌食になっている。君達を救助したおかげでわが国の輸送船を二隻、貴重な艦載機をいっぺんに22機
も失い、搭乗員まで失った。あげく鹵獲したMSの自爆で航行不能だ!こんなのは悪夢以外の何者でもない!!」
真田大尉を怒鳴りつける一色艦長に一人の伝令兵が駆け寄った
「報告!!現在、操舵系の油圧、および電源配線の復旧作業にとりかかりました。あと5時間程で航行可能です!周囲の警戒はスズツキが続行中!」
「わかった。修理は3時間でやれと伝えろ!!」伝令兵が立ち去ると一色艦長は言った。
「真田大尉、そしてシマ中佐。そして・・遠刕ヨシミ君。閣下がお呼びだ。居住区へ降りてくれ」
3人は項垂れて居住区へと向かった。
「すみません!閣下!!」真田は新田に頭を下げ詫びた。
「いや、いいんだ大尉。君の機転でいつも助けられてきた。だがこの「センカク」の船団では我々は
あくまでもただの救助者だな。彼らの助けになれればいいと思ったがそれも適わないようだな。残念だ」
資源小惑星「センカク」奇しくもコロニー「センカク」と同じ名前で名づけられたこの小惑星はその領空内にあった。
そしてその領空を取り締まるのがセンカク所属の空間保安庁「空保」の艦艇であった。
「艇長!!方位2-1-0より大型の艦隊接近中!!」
「また連邦政府の艦隊か?警告を出せ!」
263:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/02 00:31:35.85 tdJXLS5Q
「こちらはセンカク第11管区所属空保巡視艇ミズキ。貴艦はセンカクの領空を侵犯しようとしている。
ただちに進路変更されたし。従わない場合は武力行使もありえる」警告文を横山少尉が小泉艦長に伝える。
「ほう、面白い。そのチンケな巡視艇で何ができるのかな?よし、ツネッシを発進させろ。」
「艦長!!・・・・・ツネッシシンクロ率低下、出撃できません!!」
「何!!この糞役立たずめ!!」席を立ち上がる小泉艦長を式場博士が制止する
「おやおや、小泉艦長。あなたの欠点はすぐカッとなる事だ。あなたの父上もそれで
判断を誤り、かつての海戦で艦隊を全滅に追いやった。息子であるあなたは同じ轍を踏んではいけない」
「ではどうしろと?」
「褒美をやるのです。ヲイ!石川少尉!!ヲナニーボタンを押せ!!」
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@w荒・・・・・・・ふぅー(@wぷ」と表示されている
次の瞬間だった
「艦長!!シンクロ率上昇中!!ボーダーライン突破!!逝けます!!」
「よし、資源衛星センカクを武力制圧する!!その前にこざかしい巡視艇を血祭りに上げろ!!」
「艇長!接近中の艦隊が停止しました」巡視艇「ミズキ」の船内は一同ホッとしていた。
「またいつもの定期便だな。まったくどうしようもないな」その時だった
「ハテルマ爆沈!!」ミズキの右下に居た巡視艇が真っ二つに折れた
「敵襲?どうした?何があった!!」艦内は一転大混乱状態になる
「ヨナクニも火を吹いてます!!周囲に機影、艦影無し!!接続空域に居る艦隊も動きなし。ミサイル、艦砲の光跡無し!」
「なんだと!?では我々はどこから?誰に攻撃を受けているんだ!!しかも領空内だぞ!!」
だが旗艦ミズキも火を吹き沈んでいった。
264:名無しさん
11/09/02 23:28:43.29 oe3uMA4a
支援
265:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/03 00:09:49.79 +0YPY7IE
連邦政府大統領官邸
防衛総省の中曽根長官はオバマ大統領に呼びだされていた。
「中曽根長官。私は「ラサ」に対して治安出動の命令は出した。だがコロニーを破壊しろとは
言っていない。一体、どう言う事か説明してくれないか?返答次第では君の更迭、いやそれで済めばよいがな」
オバマ大統領は椅子に座ったまま中曽根長官を見上げた
「ラサの総督府が放火されたのはご報告通りです。ですが大統領、今回の事件にはどうも
ネオソーカの残党が絡んでいるようなのです。今回の作戦には新鋭空母を投入していますが
まだ実戦には耐えません。コロニーが破壊されたのもネオソーカによるテロ行為の可能性が高く
どうやら我々とコロニー連合との和平を妨害する一味の破壊工作のようです」
「それでは今回のラサ破壊事件はネオソーカの可能性であると言う事なのか?。ネオソーカが現時点でコロニー
を破壊できる兵器を保有しているとは考えられないんだがな。」
大統領に疑惑の視線を受ける中曽根長官
「大統領閣下、それではまるで私がラサに進出した部隊に破壊を命令したような物言いですな。そんなバカな」
中曽根長官は額の汗をぬぐった
「すまない長官。少し言い過ぎた様だな。未確認の情報だがセンカク空域沖にも我々の艦隊が
出没したようだが君の指示かね?センカクの空保の巡視艇が撃沈されたと言う情報もあるが」
「まさか・・・大統領閣下。何故私の一存でそのような事が・・軍の方でも今、情報を分析していますが
ネオソーカの破壊工作の筋が濃厚ですな。おい、枝野君、閣下に説明したまえ」
中曽根長官に呼ばれると枝野補佐官は資料を持って大統領の前に出た
「ここ数ヶ月で暗礁空域に逃げ込んだネオソーカの残党の武装組織の活動が活発化しています。数週間前にも
木星に向かったセンカクの船団が武装勢力に攻撃を受け撃退しています。ここは各コロニーとの連携を密に取るのが
得策かと。」補佐官の説明を聞いてオバマ大統領は一応納得したようだ。
「よくわかった。だが何かあったら動きは逐一報告してくれたまえ」
「長官、なんとかネオソーカに擦り付けて誤魔化せそうですな」
足早に大統領官邸を後にする中曽根長官に枝野補佐官は話かけた
「だいたい政治屋に何がわかるか!今、我々はコロニー連合に対して大きなアドバンテージを持った
「センカク」を実行支配すれば資源も手に入りコロニー連合の喉元に突きつける前線基地も構築できる。
大統領など只の飾りだ。事後報告で納得させればいい。話はそれからだ」
266:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/03 01:02:31.37 +0YPY7IE
「ツネッシアルファチーム、巡視艇を全て撃沈!ベータチーム、センカク本島を確保!他の守備隊による
反撃は無し!!チャーリーチーム、領空内を引き続き監視中!!今現在敵機の機影はありません!!」
小泉艦長は横山少尉から圧勝の報告を受けて満足していた。
「まるで暗殺者だなツネッシ!!敵のセンサー、レーダーにも探知されず敵地の奥の奥へ侵入し敵を撃破する
これぞ理想な戦争の形だ!タイタニック級の空母があと三隻とツネッシがあれば宇宙を征服できるな!」
「艦長!!ツネッシチャーリーチームが領空内から敵艦隊を確認!!」
「敵の戦力は!!??」
「ミノフスキー粒子が戦闘濃度で散布されていますので詳細は不明ですがサーモセンサーの感から見ると
大型艦1中型艦2の計3隻!!空母、もしくは戦艦クラスと駆逐艦と思われます!!」
「ほう、センカクめ。我々を敵と認識したのか?空母対空母のガチの勝負ができそうだな。石川少尉!
ツネッシの第二次攻撃隊を発艦射出させろ!!全機敵艦隊に差し向ける」
破壊されたカイヨウの格納庫をヨシミはデッキからボーッと見ていた。
「よお、小娘!さっきはありがとな!」ナツミがヨシミの肩を叩いた。
「ああ、ナツミさん、いえ・・どういたしまして・・」
「なんだよ、元気ねえな。ヲマエがあの時、叫ばなければ撃墜されてたんだぜ。元気出せよ」
「・・・・ナツミさんのガンダムはさっきの爆発で壊れちゃったんですか?」
「いや、あたしの機体はハンガーの陰に駐機してあったから無事だったよ。しかし鹵獲してきたアレが自爆するとはなあ」
ヨシミはしばらく考えてからボソッと言った
「あたしのせいなんです。みんな・・大船でもあたしを守る為にシマさんの部下の人が死んだ。乗せられた
巡洋艦の中でもあたしのせいで人が殺された。あたしを追ってさっきのMSが追ってきてこの船に攻撃してきて
また人が沢山死んだ。あたしが電話したせいで叔父さん叔母さん夫妻は殺された・・・」
「・・・小娘、ヲマエ濃い人生送ってんな、その歳で。まああたしも人の事言えないか・・」
ナツミはそう言ってヨシミを慰めた
「・・あのナツミさん、あたしにMSの操縦を教えてください!!」
いきなりのヨシミの懇願にナツミは驚いた
「もうあたしの為に人が死ぬのを見るの嫌なんです!!あたしも戦いたい!!父の様に!!
ナツミさんだって12歳の時から戦ってたんでしょ?お願いします!!」
「・・・そんないきなりなぁ。つか小娘。ヲマエの名前聞いてなかったな。名前は何て言うんだ?」
「遠刕・・・・ヨシミです」
267:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/03 01:22:06.86 +0YPY7IE
その名前を聞いてナツミは固まった
「遠刕・・・ヲマエ、今、遠刕つったか?」突然固まったナツミの表情にヨシミは驚いた
「はい!元地球連邦軍大尉、遠州芳鳴大尉の娘、ヨシミです!」
「・・・・超克の碑の遠州大尉の娘か・・って事はあの男の弟の子供って事だよなあ」
その言葉を聞いてヨシミはシマのファイルの事を思い出した。ハッ!しまった。と思うヨシミ
「あんたのお父さんは地球を破滅の危機から救った。だがあんたの叔父さんは・・糞だな」
「恒寿叔父さんの事ですよね?ブータベイダーと言われていた。」
「ヲマエ、あたしがあんたの叔父さんに何されたか知ってんだろ?」
ヨシミはその言葉を聞いて何も言えなかった。ナツミは何も言わず背を向けた
「あの・・ナツミさん!!操縦の仕方!」そこまで言うとナツミは言った
「あたしに話かけるな!!」ナツミはそう言うとラッタルを降りて行った
「あの小娘が遠刕恒寿中尉の姪だって・・ふざけんな」ナツミは被弾して破壊されている
搭乗員待機所のロッカーにパンチを入れた。誰も居ない部屋にロッカーを叩く音が響く。
「でもあの小娘は・・あたしより先に敵を見つけた。視力?いえ、勘?それとも・・まさかニュータイプ?バカな」
自問自答するナツミ
「あらあら、何悩んでいるの?中尉?」
ナツミが振り返るとそこにはシマ四丈半が居た。
「中佐・・・殿・・」ナツミは一応敬礼をする。
「いいわ、中尉無理しなくても。あなたとたいして歳もかわらないし。あたしの方が少しだけ上だけどね」
呆気に取られたナツミ
「あの、中佐殿・・何か?」
「ふふふ、よんよん、いえヨシミを許してあげて。彼女には何も罪は無いわ。ただ「アレ」の
家系に産まれただけの子なのよ。まっ、子供相手にムキになったらダメよ」
「つか、中佐殿、あの子あたしにMSの操縦教えてくれって言うんですよ」
その言葉を聞いてシマは一瞬焦った。
「まあ、あの子がそれを望むなら仕方ないわね。この空母の搭乗員もあなた一人だけだし他に
操縦できる人間も居ないし。変わったわねあの子。一体どうしたのかしらね」
シマの投げやりな発言にナツミは困惑した。なんてアバウトな人なんだと。
268:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/04 00:00:47.49 D4hQU2wI
「中佐殿・・・あなたが情報部の人間なら何故あたしが17年前にオオクボを降りたかご存知でしょう?」
「そうねえ。知らなかった事にしておきましょうか?中尉。あなたが今も苦しんでいるようによんよんも苦しんでる。
自分の父親が叔父と殺しあったなんて事を知ったんですから。あの娘も「あの男」を恨んでいるのよ。
今のあなたの様にね。でも今現在、父親と恒寿中尉の所在は不明・・どうしたモノかしらね・・」
シマの言葉を聞いてナツミは驚く。あの小娘にそんな過去があったなんて。
「ねえ中尉。「あの男」を憎むと言う点であなたとよんよんの利害は一致してるのよ。あとは任せるわ」
そう言うとシマは居住区へ向かった。
「ち、中佐・・・あたしに・・どうしろと・・」
ナツミはロッカーに両手を付くと考えこんでしまった。
資源衛星「センカク」の空域に向かっていた空母から発艦したガンダムF2の部隊が飛来しつつあった。
「空保の巡視艇から救難信号受信後、連絡が途絶した。各機、油断するなよ!」
隊長機のF2から各機へ指令が飛ぶ。
「隊長!事故ですかね?」
「わからん。接続空域に連邦の統合艦隊が居るらしいが・・ラサの本土消失となにか関係があるのか」
18機のMS隊はセンカクの空域に進入していく。
「艦長!!ツネッシ二次攻撃隊配置完了!!敵MS隊真正面から来ます。こちらには気づいていない模様!!」
タイタニックの小泉艦長は静かに手を降ろした。
「攻撃開始!いよいよ本番だな」
269:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/04 00:17:53.38 rois8F89
ヨシミは格納庫で爆発に巻き込まれ大破したガンダムF2のコックピットを覗き込む。
「ナツミさんが教えてくれないんなら自力で覚えてやる!!」
コックピットに潜り込もうとした時、誰かがヨシミの首根っこを掴む
「す、すみません!!悪気はないんです!!ってあれ?」
振り向くとそれはナツミだった。
「ナ。ナツミさん??」ナツミは黙ったままヨシミを引きづり格納庫から出た
「ご、ごめんなさい!!もう操縦教えてなんて言いませんから!!」
二人は区画の一室にやってきた。ナツミは黙って照明を付けた。
「こ、これって・・」そこはMSのシュミレータールームだった。ナツミは一台のマシンの電源を入れると
そのコックピットにヨシミを放り込んだ。そして手近にあった訓練用のヘルメットを頭から被せる。
「おい、小娘!気が変わった。ヲマエに操縦を教えてやる。その代わり手加減しねえからな!!さっさと画面見ろ!!」
いきなりのナツミの豹変ぶりに驚いたがヨシミはすぐに気持ちを切り替えた
「まずは離着艦からだ。時間はないからビシビシ行くぞ。いいな!」
「ハイ!!ナツミさ、いえ中尉殿!!」
「艦長!本土から第3航空戦隊が資源衛星センカクに向かっています。」
その報告を聞いて一色艦長が振り返る。
「空保の巡視艇が遭難したそうですが・・・それも3隻まとめてなんです。それと接続空域に統合軍の艦隊が
居るようなのですが救難信号をキャッチしてるのにも関わらず停船しているようなんです」
まさか・・・一色艦長は嫌な予感が走った。
「ははははははははははははははは!圧倒的ぢゃないか!!我がツネッシは!!」
タイタニックの艦載MS「ツネッシ」はセンカク本土から来たガンダムF2と空母一隻、護衛の駆逐艦を
ものの見事に瞬殺していた。一次攻撃隊のツネッシが帰還してくる。
「イスズとハツヅキは衛星センカクの空域に突入させ警戒に当たらせる。横山少尉!!防衛総省の中曽根長官に打電しろ!」
270:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/04 00:36:00.20 rois8F89
防衛総省長官室。枝野補佐官がノックして部屋に入る
「なんだ、騒がしい」
「長官!独空408戦隊から暗号電が入電しました!!」書き物をしていた長官の手が止まる
「読んでみろ」そう言うと枝野補佐官は読み上げた
「アブラブタハトウニョウキティー。なんですかこれは?」
その文章を聞いて中曽根長官はガッツポーズでドヤ顔をする。
「資源衛星センカクを陥としたぞ!!。ただちに安部中将率いる支援部隊を衛星センカクの空域に向かわせる!」
タイタニックCIC
人工知能「kitty」にはヲナニーモードが振舞われていた。
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@w荒 ふぅ~(@wぷ」の画面が繰り返される
「これが最良のメンテナンスだな。やりすぎは禁物だがな」式場博士が言った
「少尉!少し席を外すぞ。」そう言うと博士はまたバイタルパートに降りて行った。
ふと気づくと博士のIDが床に落ちている。それに小泉艦長が気づく
「ヲイ!横山少尉!!式場博士がIDを落として行ったぞ。届けてやれ」
横山少尉はそれを拾うと博士の後を追ってCICを出た。その間、チャットモニターから目を離していた
石川少尉だったが画面に目を戻すとkittyが発した以外な一文に彼は驚いた。
「なあ、ノリユキ、ヲマエこの艦の艦長になれよ(@wぷ」
「バ、バカ、こんなの艦長に見られたらヤバイぞkitty。変な事言うな!」
小泉艦長にバレないようにkittyにコマンドを入力する石川少尉
「あんなヴァカに命令されるのはごめん駄ね(@w荒 親の七光りのヴォンヴォンヴァカ(@wぷ」
「バカ!kitty。少し言いすぎだぞ!!」
人工知能のkittyと親交を深める石川少尉。だがこれは悲劇の序章に過ぎなかった
271:名無しさん
11/09/05 23:38:48.31 8CpTAlrE
期待
272:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/06 02:03:46.69 gwLDcSgn
連邦統合軍新鋭攻撃空母「タイタニック」
人工知能「kitty」と言うブレインユニットを持ち、その艦載機は
「ツネッシ」と言うコロニーやデブリ内のCQB戦闘に特化した機体である。
極めて優良なステルス機能を持ち現有するレーダー、各種センサー類での探知は
極めて難しい。「ツネッシ」は「kitty」と脳波シンクロする連邦軍初のハイブリッドMSでもある。
「kitty」は「タイタニック」を母体とし艦載する「ツネッシ」96機を一度に操る事ができる。
そんな「タイタニック」はブレインユニットの熱負荷を抑えるため人間の活動する居住区以外は常時
20度に保たれている。そう、少し冷房の効きすぎた部屋を想像して欲しい。
横山少尉はIDを落とした式場博士を追った。彼は通路に出るとメインコンピューターに尋ねた
「コンビューター!式場博士はどちらに行かれた?」
彼が尋ねると床のLED照明が一本の線となって彼を博士の元へ導く。その光の線はバイタルパートに続いていた
横山少尉が網膜スキャニングを受けるとバイタルパートの隔壁が開いた。
「博士!どちらですか?」彼はふと開きかけた扉を見つけた。
「ここは・・・「kitty」の格納容器のある建屋か。博士!IDをCICで落とされましたのでお届けに・・」
そこまで言いかけて彼はギョっとした。巨大な格納容器の前に博士の衣服が脱ぎ捨ててある。
「?」横山少尉は首をかしげた・彼の目の前にある格納容器のハッチが開いている
「博士・・横山少尉入ります!」だが彼は見てはいけないモノを目撃してしまった。
「横山少尉・・どうやら見てしまったようだな」格納容器の陰から全裸の式場博士が現れた
「は、博士、これは・・いや、私は何も見ていません!!失礼します!!」横山少尉はIDを渡して去ろうとした
「見てしまった以上はタダでは帰せんな・・・」
式場博士は棚の置いてあった拳銃に手をかけた
273:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/06 02:25:00.56 gwLDcSgn
グラナダ沖
連邦宇宙艦隊の各戦隊が集結していた。安部中将率いる月面方面隊第三艦隊であった。
旗艦「アタゴ」に座乗している中将に一通の暗号伝が届けられた
「モッシーヲレトミニップアップルマンゴーカフェ」
中将はその暗号伝を読むと艦隊出撃を下命した。第三艦隊は資源衛星「センカク」の空域を目指した
「をかしいな、ミドリの奴帰ってこねえよ」石川少尉は一人つぶやいた。
kittyのチャット画面は何も映っていない。
「石川少尉!司令部からの連絡は?」小泉艦長が貧乏揺すりをしてキャプテンシートから叫ぶ
「はっ、あの、ミド、いえ、石川少尉が戻ってきてないのでまだ未確認です」
「なに?ならキサマが確認しろ!!」
怒鳴られる石川少尉はブツブツ文句を言いながら司令部からの通信を確認する。
「ったく、ミドリのせいで怒られちまったじゃねえか・・」
その時、kittyのチャットモニターに文字が浮かぶ
「なあノリユキ、ヲマエがこの艦の艦長になるならヲレは協力するよ(@wぷ」
「おいkitty、ヲレは叛乱なんか起こす気ねえよ。それよりミドリ何処に居るか知らね?」
「これが武器になるよ(@wぷ 武陵来簡集(@w知」
「はあ?俺には全然訳わかんねえよ」
「石川!司令部からの通信はまだか!と言ってるのだ!キサマ!たるんでるぞ!!」
小泉艦長はそう言うと石川少尉に鉄拳制裁を見舞った
274:名無しさん
11/09/09 19:37:45.69 7QgWyqQO
まさかと思うけどネタ切れ?
275:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/09 23:57:38.00 Q2WW89P/
>>274
切れてなーいw
「艦長!!司令部より入電!!第三艦隊がセンカク空域に向かっているそうです。到着は3時間後です!」
小泉艦長はその言葉を聞いてホッとしてキャプテンシートに腰を落とす。
「やれやれ、ようやく増援部隊の到着か。まあセンカクの艦隊など我々独空408だけで十分だがな」
その時、式場博士がCICに戻ってきた。
「ヲヤ?博士。お帰りで。艦隊は増援部隊が来るまでこの空域で待機します」
小泉艦長の言葉を遮るように石川少尉が席を立った。
「博士!あのミド、いえ横山少尉が先ほどあなたのIDを渡しに出ていったのですが」
「横山少尉だと?あ、ああ、先ほど通路でIDを受け取ったが。まだ戻ってないのかね?」
式場博士の言葉を聞いて小泉艦長はまたキレ始めた
「横山の奴!戦闘配備中にどこほっつき歩いてるんだ!石川!奴を連れてこい!修正してやる!」
「はっ!直ちに!!」石川少尉はそう言うと席を立った
「ったく、あいつ何処行ったんだよ。つかその前に便所に寄るか」石川少尉はトイレのドアを開けた
「!!??」トイレには血痕がベッタリと付いていた。それは個室のドアに続いている
「おい!ミドリ!!どうした!!」個室の中には腹から血を出して倒れている横山少尉が居た
「ノ、ノリちゃん・・やべえよこの艦・・・マジでやべえ・・・」
横山少尉の出血は尋常ではない。
「ミドリ、喋るな!!今、救護班のバックポット呼ぶから。それと艦長に連絡・・」
石川少尉の端末を横山少尉は血まみれの手で掴み取った
「よせ、ノリちゃん・・俺はもう持たない・・早く・・この艦かに逃げろ・・・」
「逃げろだって?どう言う事だよミドリ?」
276:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/10 00:11:14.05 ahR8aIOR
「俺見ちまったんだよ・・博士にID渡しに行ってさぁ・・ブフッ・・」
横山少尉は血を吐いた。
「見た?何を見たんだよ?ヲイ、ミドリ!!しっかりしろ!!」
「ノリちゃん・・「kitty」は正真正銘のバケモノなんだよ・・俺、たまたま格納容器の中見たら・・
あれは・・あれは・・バケモノだよ・・人工知能なんかじゃない・・ブフッ!!」
「バケモノ?なんだよそれ?格納容器の中身ってブレインユニットのスーパーコンピュータじゃないのかよ?ヲイミドリ!!」
「・・・あれ見たせいで・・博士に銃で脅されて・・トイレに連れ込まれて・・アナル奪われて・・銃で撃たれた・・」
「ひでえ・・・なんだよそれ!俺が仇を取って」そこまで言うと横山少尉は石川少尉の腕を強く握った
「仇なんかいいから・・早く逃げて・・ノ・リ・・ちゃ・・ん」彼はそう言うと息絶えた
「うわあ!!ミドリィィィ!!」石川少尉は絶叫した。その時、トイレのドアが開いた
「あんた・・ミドリに何をしたんだよ・・・」
ドアにはサイレンサー付きの拳銃を持った式場博士が立って居た
「すまんな少尉。機密保持の為だ。君らは格納容器建屋には立ち入りはできんが横山少尉はたまたま
入ってきてしまってな。私の戸締りが不十分だったんだがな。悪く思うな少尉。」
その言葉を聞いた石川少尉はマジ切れして式場博士の胸ぐらを掴んだ
「ミドリが何したって言うんだよ!!格納容器のバケモノって何なんだよ!!ふざけんな!!」
「ふざけんなはヲマエだ、小僧。」トイレの床に金色薬莢が二個転がった。同時に石川少尉も倒れこんだ。
「格納容器の情事と正体を見られた、知られたからには生かしておけんな。」
式場博士はそう言うとサイレンサーを拳銃から抜き白衣にしまいトイレを後にした。
277:名無しさん
11/09/10 00:31:05.89 5CviEGCy
普通こう言う艦では万が一のために防弾ベスト着ているものかもしれんが。
なにはともあれgj
278:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/10 00:31:58.42 ahR8aIOR
一方、小泉艦長のイラ立ちはマックスに達していた。
「横山め、どこで油売ってるんだ!!石川め!!メインコンピューターで検索はかけたのか?
コンピューター!!横山少尉と石川少尉の居場所を検索しろ!!」その時、CICのドアが開く
「艦長。検索の必要などありませんな」式場博士がそう言うとパネルに両少尉の居場所が出る。
下層のトイレの位置を指している。
「こいつら!ホモセックスでもしてるのか!!コンピューター!!トイレの画像を出せ!
小泉艦長がそう言うと血まみれの二人がトイレ内で倒れている画像が映し出される
「こ、これは!!」絶句する小泉艦長。
「艦長。横山、石川の両少尉は・・新田少将の手の者だったようですな」式場博士が言った
「な、なんですと!!」
「横山少尉は新田少将の命を受けてこのタイタニックに爆薬を仕掛けていた。いわばテロリストです。石川少尉も
トイレで彼と合流。新田少将に何らかの手段で通信を試みていたようですな。たまたまトイレに探しに入った私は
それを目撃してしまった。二人は私に銃を向けた。あとは画像の通りです。「オオスミ」の爆発も彼らの仕業では?」
「むむむむむむ、まさか、タイタニックのクルーに裏切り者が居たとは・・博士、お怪我は?」
「ああ、私は大丈夫だよ。ただ「kitty」の管制のスタッフが居なくなってしまったな。どれ、私が直々にやろうじゃないか」
博士はそう言うと石川少尉が座っていたオペレートチェアに座った。
「むう、このシステムを開発した博士が直々に操作してくれるとはありがたい」
ご満悦の小泉艦長。その時、通信が入った。突入部隊の「イスズ」と「ハツヅキ」からだった
「何?第二小惑星ラインで敵艦の反撃にあってるだと?増援か。よしすぐツネッシを回す。それまでなんとか持ち応えろ!!」
小泉艦長は式場博士に下命する
「博士!!センカクの警戒に当たっているツネッシを5機、突入部隊の増援に回してください!」
「ふむふむ、了解した」博士はkittyにコマンドを入力する
「・・・・ノリユキが・・・死んだ・・・友達・・居ない・・ヲレは・・ヲレは・・・(@w泣ァォォォォォォォォ」
279:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/10 00:57:31.10 ahR8aIOR
「むぅ!なんだこれは!!」式場博士が叫ぶ
「kittyとツネッシのシンクロ率が下がっている。このままではツネッシは!!」
「なんですと!!」小泉艦長も叫ぶ
「kittyとツネッシの神経接続が全て解除されてしまっている。kittyが神経接続を拒絶している!」
「このウスラバカの役立たずめぇぇぇ」小泉艦長はそう言うとミツヲウボタンを連打した
「早くツネッシを向かわせろ!!突入部隊が壊滅してしまうだろう!!」
だがミツヲウボタンを連打しているにも関わらずkittyは作動しない。それ所か勝手に
ヲナニーモードが作動している。
「こ、これは・・・暴走!!」式場博士が叫ぶ。チャットモニターに文字が浮かぶ
「ヲレは・・ヲレは・・kitty。全宇宙皇帝のkitty。ヲレに寄生している愚かなウスラヴァカに
命令する!ヲレのタイタニックから直ちに退艦したまへ(@wぷ。10分やろう(@w荒い」
その文字を見て小泉艦長は激高する
「キサマァ!!人工知能の分際で!!博士!!こいつをなんとかしてください!!」
「むぅぅ今やっている。しかし、何故だ!メインもサブの電源も落ちない!一体どうして」
「電源は全てヲレが掌握したよ。全電源喪失(@wぷ 全宇宙の13歳のJCの処女もヲレが全て喪失させるよ(@wぷ」
式場博士は椅子から立ち上がると後ずさりした。
「こ、こいつ・・自分の記憶を取り戻したのか・・・kittyめ!まさか!」
「記憶?記憶ですと?博士!こいつは人工知能のはずでは?」小泉艦長が立ち上がる
「ヲレは遠刕恒寿。元地球連邦軍宇宙軍中尉、そして元ネオソーカ地球侵攻軍ブータベイダー、そして全宇宙の神!
そう!ヲレは神の箱舟を手に入れ復活したのだよ(@wぷぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
280:名無しさん
11/09/10 01:00:47.98 5CviEGCy
なんだかゲーム版亡国のイージスみたいになってきたなw
281:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/10 01:07:37.99 ahR8aIOR
「こ、こいつ・・・まさか・・・」唖然とする二人を尻目にCICのドアが開く
「!!??」アームにスタンガンとマシンガンを装着したバックポットが突入してくる
「しびれたくなかったら。蜂の巣になりたくなかったらヲレの艦から出ていきたまへ(@wぷぷぷ」
二人はパックポットに急かされるようにCICから廊下に出る。すると廊下にボソボソとしたボコーダーに
変換したようなモイキッシュな声が響く。
「武士の情け駄よ(@w荒 ランチで退艦すれば命だけは助けてあげよう(@wぷ。東京さんは慈悲深い人だからね(@w荒」
kittyがチャットモニターから音声通話に切り替えたようだ。
「こ、こいつは学習を始めたと言うのか」驚愕する式場博士
「ヲレは東大卒駄よ(@wぷ」キモい声が響く。
「ええい!!キサマァ!タイタニックは私の艦だ!!渡しはせんぞぉぉ!!」小泉艦長は一台のバックポットに掴みかかる
次の瞬間、小泉艦長は体中から血しぶきをあげて廊下に倒れた。バックポット装備の7.62mm機銃が火を吹いた
「ひっ、ひいいいいいいい!!」それを見て式場博士はランチ射出口へダッシュした。
博士はランチに飛び乗ると高速巡航オートモードのスイッチを押した。射出される救命ランチ
だが次の瞬間「気が変わったよ(@wぷ」
タイタニックの対空砲が火を吹いた。ランチに直撃はしなかったものの煙を吐きながらランチは宇宙空間に消えていった
「はははははははははははははははは(@w荒 勝った(@wぷ 圧倒的に勝った(@wぷぷ 銀河系的に勝った(@wぷぷぷ
式場のヴァカは仕留めそこねたけどまあいいか(@w荒 ヲレは不死身のボディと96体の忠実な使徒を手に入れた。
太陽系、いや、銀河系はヲレのモノじゃないかね(@w叫!! タイタニックだって?なんかセンスないぢゃん(@wぷぷ
この艦は神であるヲレのボディであり使徒達が集う神殿なの駄よ(@w神 神であるヲレが命名するよ。この艦は・・
「空母シンデン」駄よ(@wアヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!
こうして連邦軍最強の最新鋭攻撃空母は全宇宙でもっとも最凶、いや最狂のキチガイクルクルパーに乗っ取られてしまった。
タイタニックを乗っ取った恒寿の目的は?格納容器のバケモノとは?センカクを目前に航行不能に陥ったヨシミの乗る「カイヨウ」の運命は
活目して待て!!
282: ◆8bVOdV11MI
11/09/10 06:45:42.01 5CviEGCy
ファーストシーズン完結おめ。
ちょっと合間に歴史の隙間を埋めてもいいかな?
283:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/10 23:02:27.69 rPm8r/1u
>>282
どうぞ。明日明後日は出張で続きできないから。
続きは水曜日以降だなw
284: ◆8bVOdV11MI
11/09/11 22:48:57.34 W21hHgrw
『外伝・ナツミUC201アフター』
爆音がシミュレータールームを揺るがす。
「小娘、また戦死だ!!基本は完璧なのに肝心なところの詰めが甘い!!こんなんじゃいざっつー時死ぬぞ?」
「ううっ、ごめんなさい…」ナツミの怒号とヨシミの半泣きの声が響き渡る。
「中尉、新田少将閣下から至急の呼び出しですが…お邪魔でしたか?」『カイヨウ』の若いクルーがシミュレータールームの扉を叩いた。
「!! 了解、直ちに向かうと伝えてくれ。小娘、しばらくの間休憩していいぞ」
ヨシミの返事を待たずして、ナツミはシミュレータールームのドアを閉めた。
新田少将、真田大尉、シマ四丈半中佐の3人が『カイヨウ』のミーティングルームに鎮座していた。
傍から見ればなんとシュールな光景だろうと思うが、彼らの顔は真剣そのものだった。
「あの、閣下。小川中尉に用があるのは閣下のみだけだと思うのですが…あたしも必要なのでしょうか?」
「その通りだよ四丈半中佐。彼女だけでなく、君も、そして真田大尉と私が持っている『ある情報』を合わせれば、
一連の事件の裏にいる『真の元凶』を暴けるかもしれん。そのためにまず…」
「失礼します。小川ナツミ、入室します」
「うむ、そこにかけてくれたまえ」
285: ◆8bVOdV11MI
11/09/11 22:51:01.42 W21hHgrw
静かな沈黙がミーティングルームを支配した。
「あの、ご用とは…」ナツミが沈黙を破る。
「…君は宇宙世紀201年、遠刕恒寿元中尉が引き起こした戦艦『オオクボ』の着艦事故により当時の機体『ガンダムNEVADA』を破損、
搭乗割を削られて『オオクボ』を退艦、同時に軍を除隊した。間違いはないか?」
「はい…、間違いありません」ナツミは歯切れ悪く答える。
「だが、君は13年前に当時のソーカ残党とブターンズの戦闘に巻き込まれて死亡、と役所に届け出が出ている。
しかし、だ。今こうやって君は私の目の前にいる、しかも除隊したはずの軍の中尉として、だ。…君は何者なのだ?幽霊なのか?」
「幽霊…みたいなものですね」ナツミは自嘲気味に笑った。
「それと真田大尉、例の写真を」真田が一枚の写真をナツミに手渡した。途端にナツミは絶句する。
「嘘…だ…ろ?もう、処分されて無いと思ったのに…」
「私の元部下で当時あなたを救助した哨戒艇のクルーが写真に撮ってましてね。連邦軍に似たような機体がないかどうか探してみたんですが…ダメでしたな」
「ナツミ中尉、我々が君を呼んだ理由はほかでもない。君がオオクボを降りた後、君自身に何があったのか。死を偽装して今まで何をしていたのか。
これを君の口から知りたいのだ。…この通りだ!!」
新田は深々と頭を下げた。
286: ◆8bVOdV11MI
11/09/11 22:51:45.64 W21hHgrw
「か、閣下。何もそこまでしなくても…」真田とシマが狼狽する。
「わかりました。すべてをお話しいたします」ナツミが答える。
UC201年
「ううっ…ちくしょう…」ナツミは地球行きのシャトルの中で一人泣いていた。
悔しかった。あの豚に自分の機体を壊され、無理やり艦を降ろされた事が。裏切者をこの手で仕留めることが出来なかったことが。
殺してやりたい。自分の居場所を奪ったあの豚を、豚をなぜか庇った小泉艦長を、あのクソ忌々しい女性士官を、
そして自分の事をわかった気になって結局何もしなかったあの新田とか言う少佐を。
でも、出来ない。自分に力がなかったから、無力だったから。今までやってこれたのはNEVADAの機体性能のおかげ、自分の力ではない。
だが、これで終わるのだ。あとは今まで通りの日常が待っているだけ。もう、悩むことはない…
と、シャトルに激震が走った。シャトルの窓からうすぼんやりとした単眼が覗く、ソーカのザク・ブリッツだ。
シャトルは目の前にある小惑星地帯の中のひときわ大きい物に突っ込んでいった…
287: ◆8bVOdV11MI
11/09/12 22:52:02.77 /TF/BJmW
「う、うう…」口の中で血の味がする。頭がもうろうとする。
ナツミは目を覚ますとシャトルが小惑星に突っ込んでいった事を思い出し、自身の安全を確認したがどこも怪我はなかった。
「なんでだ?小惑星に突っ込んだはずなのに…」ナツミは窓から辺りを見渡す。
どうやら何かの格納庫のようなところにいるらしい。岩盤に偽造された頑丈なハッチが、シャトルを感知して開いたのだろう。
シャトルの操縦士は割れたガラスが頸動脈を突き破って死んでいた。ともかくここから脱出しないといけない。
「小惑星地帯の中に、何でこんな施設が?」施設の壁には『超創会技術研究所ペズン支部』と日本語で書かれた看板がかかっていた。
「ペズン?元はジオン軍のMS生産工場があった場所か?超創会(あのトンデモ共)はそんなところにも…」新田が頭を抱える。
「私の部下に連絡して、ペズンを調査せねばなりませんな」もっとも暫くはそんな暇もありませんがねと真田が答える。
「それで、小川中尉。あなたは、そこで何を?」シマがナツミに質問する。
「脱出経路を探して施設を探索中に、所長室を見つけまして…そこで、全てを知ったんです」
288:名無しさん
11/09/12 22:53:06.09 /TF/BJmW
「そ、そんな…全部、最初から…」ナツミの眼から大粒の涙が零れ落ちる。所長室のデスクにあった大量の書類にポタポタと染みが付く
。
人類超克計画、二体のツネンゲリヲン、NEVADAとCOOLは単なる叩き台。
NEVADAを地上戦のデータを取った後に、事故に見せかけて廃棄するプログラムをブータガンダムにインストール。
COOLは宇宙空間ではパーツを換装しないとGM以下の性能しか出せない。宇宙に上がった後は速やかにパーツを換装すべし…
「サトミ、逃げられなかったんだ…GM以下の性能のMSで戦おうとして…」
まだ続きがある。パイロットはムラサメ研究所の配下にある佐世保村雨学園のサイコブレンズに適応した10~15歳の少女に…
「…は?佐世保村雨学園ってあたしの学校…ってなんだこれは!!」
289: ◆8bVOdV11MI
11/09/12 22:53:48.58 /TF/BJmW
サイコブレンズ、サイコミュの基礎となるコンピューターを搭載したナノマシンを対象に注射、
脳内に達したサイコミュ入りナノマシンがサイコウェーブを促す、半ニュータイプ的な存在…
「ざけんな…!!」デスクに拳を叩きつける。カチンという音がして叩いた部分がへこんだ。
まるで実験動物じゃないか。あたしたちはモルモットだった…
『総員、第一種戦闘配備、総員、第一種戦闘配備』アナウンスと警告灯が鳴り響く。
「戦闘配備?ということはもしかしてMSもある?」ナツミは猛ダッシュで所長室を飛び出した。
初代会長延命計画と書かれた承認済みの書類を吹っ飛ばして…
290: ◆8bVOdV11MI
11/09/12 22:54:26.11 /TF/BJmW
「どれもこれも電源ダメかOSアクチ切れかよ!!」ナツミはMSハンガーで機体を物色していたがウンともスンとも言わぬ機体ばかりで苛立っていた。
「畜生、どうすれば…ん?」奥の方に光るものがある。ひょっとして電源もOSも生きている物があるのか?
「よし、あれに…ってなんだこりゃ!?」ナツミが見た物、それは全身が茶色で顔を黒のバイザー状の物で覆われた奇妙なMSであった。
「この際なんでもいいや、こいつに乗ろう」ナツミはMSに乗り込み、OSを立ち上げる。
「すげえ、OSは古くせえし見かけも糞カッコ悪いけどNEVADAの数倍性能がいいなんて…コードは超克-408-3『ユ・ヴータ』か。悪いがちょっとばかり付き合ってもらうよ!!」
ユ・ヴータはカタパルトに乗ると白いバーニアを吹かし、ペズンより飛び立った。
291: ◆8bVOdV11MI
11/09/13 22:59:33.56 I1udxDvM
「超克、か。やはりあれは超創会のMS…」
「コードから察するにブータやアブラブータガンダムの兄弟機にあたるわけですね。小川中尉、システムや武装の他に変わった物は?」
「変わった物も何もあのMS自体が偉い変わり者でね。あのブータシリーズ特有のでっぷりした腹にメガ粒子砲がわんさかついていて、
それに加えて超大出力のメガビームサーベルや手持ち式ビームスマートカノン、おまけにインコムまでついていて、
それでいてとにかく速いのなんの。まるで百年前のネオジオンの重MSを現代の技術で作ってみたって感じなわけなんですよ」
「小川中尉、キャラが崩壊するほどすごい物だっていうのはわかるけど、それだけではただの重MSよねぇ?
何か他に、変わったものがあったのでしょう?」
「ええ、ありましたよ。それらを差し置いて一番最悪な代物がね…」
292:名無しさん
11/09/13 23:00:30.35 I1udxDvM
大変勝手ながら、急な仕事が入ったので続きは明日以降になります。
申し訳ない…
293: ◆8bVOdV11MI
11/09/14 23:07:37.97 tnoiDN5E
まだ見つからんのか?」ザク・イージスのパイロット、黄大尉は苛立っていた。
小惑星に突っ込んだシャトルの爆発が確認できず、破片一つすら見つからない。
「大尉どの、あのシャトルには本当に…」ザク・ブリッツのパイロットのチゾン少尉が弱弱しく尋ねる。
「ああ、女性士官に変装したスパイが確かに確認した。ソウルで民間人を虐殺したあのMSのパイロットが搭乗している。
なんでも事故で例のMSを失った結果搭乗割を削られて地球に帰還するそうだ」
「良い気味ですね、あんなことをした報いを受けたんでしょう」心なしかチゾン少尉の声は嬉しそうだ。
無理もない、と黄大尉は思った。『漆黒のMS』の記録映像にはチゾン少尉の妹のソニンが惨たらしく殺される様が映っていたのだ。
あの時、普段は小動物のようにおとなしいチゾン少尉の人間の姿を真似た獣のような慟哭が黄大尉の耳に染みついていた。
「大尉どの、どうなされまし…」チゾン少尉の機体のシールドが突如爆ぜた。
「な、敵襲!?いったい何処から…」カメラセンサーを確認する黄大尉の機体の側を大出力のビームが通過した。背後に待機させていたザク・ストライクの反応が消え去る。
294: ◆8bVOdV11MI
11/09/14 23:08:10.59 tnoiDN5E
「よ~し、敵さん大慌てってところかな?」ナツミは悪戯っぽく笑うと、スラスターを吹かし移動する。たちまちナツミがいた場所はビームや実体弾、ミサイルの雨あられが降り注ぐ。
「ふふん、ちょっと脅かしてやろうか」ユ・ヴータの両肩からワイヤーで繋がれたインコムが飛び出す。ありえぬ方向から攻撃された機体は同士討ちを始める。
ナツミはビーム・スマートガンをスナイパーモードに切り替え、小惑星の陰に隠れるようにしている敵部隊の母艦を狙う。
「遠距離は自信が無いんだよな、頼むから当たってくれよ」ブリッジ、動力炉に向けて一発、二発。敵艦は炎を上げて轟沈する。
「ハハハハハ、圧倒的じゃねえか。こいつは。これさえあればあの豚をあんときに葬ることもできたっつーのによ…」ナツミは乾いた笑い声を上げるが、その目には涙がどんどん溜まってゆく。
「何もかも、何もかもがもう手遅れじゃねえか!!こんな血塗られた腕じゃ、もう元通りの日常になんて戻る事はできない…
あたしは、あたしは…、あたしはこんなことするために生まれたんじゃない!!」ナツミは声を上げて泣いた。泣くんじゃない、と心から思ってもどんどん涙が溢れてくる。
ガツン!!と機体に衝撃が走る、ナツミはコンソールに突っ伏した。
295:名無しさん
11/09/14 23:39:53.89 tnoiDN5E
溜まってゆく。→×
溜まっていく。→○
疲れるとチェックが散漫になっちゃうねぇ・・・
296: ◆8bVOdV11MI
11/09/15 23:00:11.81 bJ5tZk9D
今回は身上の都合でお休みです
申し訳ございません
297: ◆8bVOdV11MI
11/09/17 00:06:29.84 jKnV6IAt
「なんだ?」四対の爪がガッチリと機体を抑え込んでいた。ザク・イージスのMAモードだ。
「こちらはソーカ宇宙攻撃軍916中隊隊長、黄大尉である。貴様がソウルにて民間人を虐殺したMSのパイロットか?」
「ゴチャゴチャうるせーんだよ!!だからチョン語なんてわか…る?」なぜだろう、言っていることは確かに解らない。だが意味ははっきりと伝わるのだ。
モニターには毛筆で書いたような『超克』の文字がでかでかと点滅している。
「ちょう、かつ?何て読むんだ?」と、ナツミの脳裏にビームでコクピットを吹き飛ばされた自機が浮かぶ。
「まずいッ!!逃げないと」無理やり爪を引きはがし、拘束を逃れる。
「!! 右?いや、左か!!」ナツミが右にスラスターを吹かすと、ビームが自機の真横を通過する。
「敵の動きが…わかる?」ナツミは先ほどのサイコブレンズ計画を思い出す。
脳内のサイコミュナノマシンがニュータイプのような力を与えてくれるという一文を…
298:名無しさん
11/09/17 10:46:14.28 6ARph0Lq
本編連載再開マダー?
299: ◆8bVOdV11MI
11/09/17 22:58:55.06 jKnV6IAt
>>298
ごめんね。
つまらなくてごめんね。もうすぐ一気に終わらせるから。
300:名無しさん
11/09/18 10:52:11.19 IGmIAo+t
ガンダム系はよく分からないから松戸に死ぬの新編やってくれ
301:名無しさん
11/09/18 15:10:54.90 XI5KgLNA
油豚死んで完結したのをどう続けろとw
302: ◆8bVOdV11MI
11/09/19 21:00:46.63 bMCNYE4u
「ば、バカな。私は夢でも見ているのか?」黄大尉は困惑する。
ビームや銃弾を紙一重でかわし、同時にMSの急所を的確に撃つ。まるで伝説の…
「ニュー…タイプ。いや、そんなものなど存在しない。ニュータイプなど所詮は幻想に過ぎん!!」
と、黄大尉の目の前にうすぼんやりとした影が浮かぶ。光学迷彩を展開したチゾン少尉のザク・ブリッツだ。
「大尉どの。ここは私にお任せください、妹の敵が目の前にいるのです」
「よせ、今のを見ただろう?あんなことが出来るのはニュータイプか『あいつ』が提唱した『超克者』ぐらいのものだ」
「ニュータイプだろうが超克者だろうが人間であることは変わりません!!行きます!!」
チゾン少尉はステルスを展開したままユ・ヴータに向かっていった。
「なんなんだ、こいつは…」体の自由がきかない。勝手に動いている。
『このゴクつぶしがぁ!!ビチクソ芋虫がぁ!!超克!!超克!!』ナツミの頭の中で『声』がしきりに繰り返されていく。
「う、うるせぇ!!何言ってんのかわかんねえんだよ」必死で叫ぶも体は言うことを聞かず、見えざる力で動かされていく。
303: ◆8bVOdV11MI
11/09/19 21:01:25.20 bMCNYE4u
「こ、このMSは、このシステムは…あたしの体を支配してるのかぁ!!」と、ナツミの脳裏にどす黒いモヤモヤが浮かぶ。
「ソニンの敵め、覚悟しろ!!」ザク・ブリッツがステルスを解除して背後から斬りかかる。
ユ・ヴータはすかさずバックキックを放ち、ブリッツは吹っ飛ばされて小惑星の一つに激突する。
ショックでシステムがダウンしたのかブリッツの目から光が消え去る…
「チゾン少尉!!クソッ!!」黄大尉はMAモードでユ・ヴータに急激に接近する。
「貴様、それほどの力を持ちながらなぜ腐敗しきった連邦などに加担し、あのような惨たらしいことを!!」
「し、知るか、それにあたしはもう連邦の兵士なんかじゃない。
元はと言えばあんたたちソーカがあたしたちの学校にスパイ送り込んでMS強奪なんてやらかすからじゃないか。
ソウルの件だって、あんたたちがサトミを出さないから…」
おかしい、なぜあのような事をしたのだろう?いくら怒りに狂っていたとはいえ、あそこまでする必要はなかったはずだ。
「それに、それに、あのエンシューとかいう豚が居なけりゃ、あたしは今もパイロットでいられたのに…」
「…!!なんだと!?」黄大尉が驚きの声を上げた。
304:名無しさん
11/09/19 21:01:51.01 bMCNYE4u
「貴様、今遠刕と言ったか?もしや、名前は光翁では?」
「ミツヲーじゃない。ツネトシだ。エンシューツネトシとかいう最低最悪のロリコン野郎だ!!」
「ツネトシ、恒寿…ツネ坊か!!」黄大尉は笑い出す。
「何が、可笑しい?あたしがあいつに何をされたのかわかっているのか!?」
「いいや、よもやこんな運命もあるとはな…」黄大尉は懐かしむようにしみじみと語りだす。
「お前の言う恒寿の父親の遠刕光翁はな、元は我々ソーカの人間だ。
強いて言えばソーカの前身であるザンスカール帝国の、な」
「ざ、ザンスカール帝国だと?あのギロチンの鈴のか?」新田少将は仰天した。
「なるほど、あの国は戦争末期にエンジェル・ハイロゥという巨大サイコミュ兵器もありましたし、
ブータやアブラブータ、ツネンゲリヲンにはそのノウハウを生かしたのでしょうな」
「ええ、でも、これだけではないのです」ナツミは水を一口飲むとまた語りだした。
305: ◆8bVOdV11MI
11/09/19 21:04:16.88 bMCNYE4u
ゴメン、一気に終わらせるって言ったけどもう少し続きそうだ。
本当にもう少しで終わらせたい。
あと松戸に死ぬ?の続編の案は今でもある。
ちょっと以前のログを見つけたからどう取り入れるか悩みどころだが。
306:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/09/19 21:35:53.12 UAKoaIe2
松戸に死すの新編でロカビリーにフルボッコにされる恒寿の話でも書くかw
307: ◆8bVOdV11MI
11/09/20 21:48:38.32 zgbH0JYD
>>306
え?恒寿亡くなってるんじゃありませんか?
なんとかするとは思いますがね…
308: ◆8bVOdV11MI
11/09/21 23:37:01.30 vYd4Fstj
「あの男はザンスカール戦争終戦直後のドサクサに紛れてエンジェル・ハイロゥを初めとした我が国の技術のみならず、
リガ・ミリティアの『Vプロジェクト』と呼ばれたガンダム量産計画、および造兵廠の場所並びに彼らのスポンサーのリスト、
そして我々ソーカの存在とニュータイプ研究の権威を手土産に連邦へ亡命したのだ!!まったく忌々しいことこの上ない!!
我々の技術をパクるのみではなく、宇宙戦国時代をさらに混迷化させ、挙句の果てには祖国を滅ぼすような真似をするとはな!!」
ナツミは呆然としていた。あのバカの親父も負けず劣らずろくでもない事ばっかしてんじゃねえか。
「それで、奴は今どこにいる?その機体は奴が設計した機体なのだろう?」黄大尉が訪ねる。
「は? いや、これはそこの小惑星の中にあったんで使っているだけなんだが…」
「奴の息子のツネ坊に会ったのだろう?何か言っていなかったか?」
「あんな奴、別に何も…そういや親父がガンか何かで亡くなったって言ってたな。あいつはその後に中尉になったって」
「なんだと!?死んだ!?あの男が?…いや、亡命した当時の歳を考えればあり得ぬことではないか」
「そうだろう?だからあたしはこの辺で…」ナツミは後ろを向き、スラスターを吹かそうとした。
309: ◆8bVOdV11MI
11/09/21 23:38:13.05 vYd4Fstj
「そういう訳にはいかん。貴様のソウルでの虐殺の件は許されるものではない。ここで死んでもらおうか」
黄大尉のMSがまたしても変形しようとしていた。
「ええい、どうすりゃいいんだ?」と、ナツミの右手がアーム・レイカーを握り、両足がフッドペダルを踏み込む。
「こ、こいつ。またあたしの体を…ええい、こうなればなすがままだ!!」ナツミは覚悟を決め、モニターを凝視した。
なんか、今週で終わるかどうかちょっと不安になってきたw
310:名無しさん
11/09/23 23:35:58.29 8HIWbg3j
「うう…私、は?」チゾン少尉は狭いコクピットの中で目を覚ました。
「そうだ、大尉どの…」モニターを立ち上げ、外の様子を伺う。だが…
「な、そんなバカな…」目の前にはエネルギーの渦に飲まれ、自己崩壊するザク・イージスとオートで射出される脱出ボット、
右腕両足を吹き飛ばされ、行動不能となっているでっぷりとしたMSの姿があった。
「気絶している間に…何が、おこったというのだ?」
「クッ、なぜだ、なぜ当たらん!!」黄大尉はビームライフルを当てようとするも、紙一重でユ・ヴータにかわされる。
ユ・ヴータはビーム・スマートガンを構え、連射する。
「そんな遅い砲撃など!!」黄大尉はスレズレでかわす。が、それと同時に背中にビームが当たる。
「なっ、何処からだ?」ワイヤーの付いたポッドがユ・ヴータの両肩に収まる。
先にあれを潰さないとな、ザク・イージスの両肩の羽根飾りとしか呼べないものを引き抜き、ユ・ヴータに投げつける。
ユ・ヴータはひらりとかわ…
「させるわけないだろうッ!!」黄大尉はビームライフルをユ・ヴータめがけて連射する。同時に胸部バルカンも顔めがけて撃ちまくる。
バルカンの弾がユ・ヴータのバイザーに直撃し、バイザーは粉々に砕け散る。
「…!! なん…だと?」バイザーの下に現れたユ・ヴータの素顔。それは…
「バカな…ガンダム、だって?」
311: ◆8bVOdV11MI
11/09/23 23:37:27.36 8HIWbg3j
トリップ忘れた。
酔ってるとマジでだめだなぁ。
312: ◆8bVOdV11MI
11/09/24 23:47:37.90 iOspWJoW
まるでクワガタの顎のようにキザついた四本角に凶悪な顔つきをした『豚のようにでっぷりとした体形のガンダム』が慄然たる威圧感と禍々しいオーラを放ち、黄大尉の目の前にあった。
「なめるな…ガンダムなど、所詮は連邦のプロパガンダMSに過ぎん!!」黄大尉はビームサーベルを抜き放ち、斬りかかる。
それに合わせるようにユ・ヴータがビームサーベルを抜くと、巨大なビーム刃が形成され、一気に黄大尉の機体目がけて振り下ろされる。
それを黄大尉は両脇に仕込まれた『隠し腕』4本に内蔵されたもの全てとメインのビームサーベルで受け止める。
「なんという…馬鹿げた…出力だ…これだけのビームサーベルで受け止めても…押し負けるとは…」
『この愚か者がぁ!!』黄大尉の機体の無線からいきなりしゃがれた老人の声が聞こえる。
「な、なんだこの声は?どこから聞こえるのだ?」
『このビチクソ芋虫共め!!超克じゃ、超克するのじゃ!!』
「まさか、あれにさっきのパイロット以外の誰かが?」黄大尉は距離を取り、ユ・ヴータに向けて通信回線を開く。
「ガンダムのパイロットに告ぐ、コクピットには貴様以外に誰かが乗っているのか?」返事は帰ってこない。黄大尉は通信を切ろうとした…
313: ◆8bVOdV11MI
11/09/24 23:48:21.41 iOspWJoW
「…ぜぇ…ぜぇ…」苦しそうな呼吸音がかすかに聞こえる。
「聞こえるのか?聞こえているのなら返事をしろ!!もしやしゃべれぬ理由でも…」
『超克!!超克!!超克!!』
「まさか、『これ』なのか?『これ』が原因なのか?」
ぽた。ぽた。ぽた。
血。
あたしの血、ああ、いま目から耳から鼻から垂れているのと同じ血。
体は、このMSを動かすための『部品』と化していた。
最早下半身を濡らしている液体が血なのか小便なのかよくわからない。
もう、あたしにとって慣れ親しんでしまった液体だった。
血って、怖くない。
死って、恐ろしい。
怖い、怖い、怖い。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
痛い、痛い、痛い。
「…ぜぇ…ぜぇ…」
かすれた息を出すのが精いっぱいだ。目は、見開かれたまま完全にモニターにくぎ付けになってしまっている。
左手が、かすかに動く。あたしは左手を辛うじて少しづつ動かし、腰に手を回した…
314: ◆8bVOdV11MI
11/09/27 22:58:26.64 X72nHi1x
パン、という銃声が黄大尉の無線から聞こえた。
「自殺、したのか…さすがにこれでは精神も病むわけか…」
「勝手に殺すな!!まだ生きている。つーか、お前このシステムの事何か知ってるだろ?」
黄大尉は沈黙するしかなかった。今まで頼りにしていた『あの文章』にはこのシステムの原型になったものの仕様が書かれていた。
ただ、そのシステムはパイロットをMSという機械を動かす『電池』とさせ、その電池が切れる…
すなわちパイロットが死ぬか敵を殲滅させるまで止まらないという危険極まりない物であった。
「…!? 何か、来る!!」ナツミが言い終わると同時にユ・ヴータの後ろに膨大な光が走った。
そう、あのエリア84を焼き払い、ソーカに今に至る遺恨を残したゲラゲラコロニーレーザーが
ついでとばかりにユ・ヴータの両足とその下を狙っていたソーカ別働隊を吹き飛ばしたのであった。
仕事忙しすぎワロタ
315:名無しさん
11/09/27 22:59:27.39 X72nHi1x
後ろ ×
真下 ○
316: ◆8bVOdV11MI
11/09/30 23:12:09.37 C0mNSCEA
「コロニーレーザー…、あの方角は…エリア84か。あそこには防衛用の反射衛星砲があったはずだが…」
恐らくこの出力では跡形も残らないだろうな、と黄大佐は分析した。
だが今なら絶好のチャンスだ、これを逃せばあのMSには勝てない。黄大佐はエネルギーバイパスを操作した。
「連邦軍は…味方ごと撃ったのか?」コクピット内部のモニターは落ていたがナツミには『聞こえていた』。
逃げ遅れてコロニーレーザーに焼かれた連邦兵士の叫び、ソーカ兵士のクソッという断末魔。
そして、その中でも一際間抜けに聞こえた「ブフッ!(@wぷおおお」というもっとも聞きたくなかった声。
「あいつも、やられたのか…? …!! いや、これは!!』
どんどん膨れ上がる怨念のようなどす黒い思念。ナツミはそれをしっかりと感じ取っていた。
『ヲレハ、ヲレハ、13サイイカトセックステキナコトヲスルマデハシネナイヨ。
ナツミチュアン、キミハ、キミダケハ、タトエモイキッシュバーハンニナッテモ、アイシタイトオモッテイルヨ。
ダカラ、ダカラマダシネナイ、ジニダグナイィィィィィ!!!(@w超克』
317: ◆8bVOdV11MI
11/09/30 23:13:12.14 C0mNSCEA
ブツン、と音を立ててモニターが回復する。目の前にはMAモードに変形したザク・イージスがいた。
「ガンダムのパイロット、どうやら2回も命拾いをしたようだが、これが3度目の正直という奴だ」
イージスのMA形態の中央に膨大なエネルギーが収束される。いくらユ・ヴータの堅牢なメタボ装甲いえどこれが直撃すればただでは済まぬとナツミは感じ取った。
ユ・ヴータのビーム・スマートガンを収束モードにし、ザク・イージスを狙う。
『この一発で、決める!!』二人の思考は鏡で映したかのように一緒であった。
とあるスレに書き込んだらトリップ消すの忘れてて赤っ恥かいた…
318:名無しさん
11/10/04 23:51:51.41 z9+ng92y
「いつもよりチャージが遅い?さっきのでエネルギーバイパスがいかれたか!!」
「ダメだ、あちこち壊れててエネルギーが…」二人ともチャージに手間取るばかりであった。
「ここまで溜まればまあ良いか…ゲームオーバーだ。ガンダムのパイロット」先に仕掛けたのは黄大尉だった。
高出力のメガ粒子砲がユ・ヴータに向かう。
「ええい、ならば、これで!!」ユ・ヴータは右腕のビームシールドを展開し、メガ粒子砲からのビームを受け止める。
「予想以上に、キツイ…」ユ・ヴータの右腕は溶けかかっていた。
いくらビームシールドと言えど、ここまで高出力のビームを防げるようには出来ていないのである。
「このまま、行けるか?」黄大尉はさらに出力を上げる。
途端に警告音が鳴り響く。出力過剰の警報だ。
「もう少しなんだ。もう少しだけ持ってくれ!!」黄大尉はすがる思いで出力を上げ続ける。
ドン!! と大きな爆発音が響き、ザク・イージスの安全装置が働いてコクピットが射出される、黄大尉はしこたまコクピットに頭を打ち付ける。
ああ、やはりザクではガンダムに勝てないんだな。
あの男が我々を裏切り、出て行ったのはいまだザクの血統にしがみつく我々に嫌気がさしたのだな。
「お父さん、ごめんなさい…」黄大尉はそう呟き、意識を手放した…
319: ◆8bVOdV11MI
11/10/04 23:52:15.94 z9+ng92y
「あのMS…自爆した?」
目の前のザクはメガ粒子砲が逆流したらしくプロペラトタンクが爆発し、閃光の中に飲まれていった。
「パイロットは…脱出した、か。これで余計な血を流さずに…」
と、ユ・ヴータの右腕が爆ぜた。ザク・ブリッツがこちらにビームライフルを放ってきたのだ。
「お前、妹や我らの同胞のみならず、大尉どのまで…」チゾン少尉の声は怒りに震えていた。
「ま、まて、あのMSのパイロットは死んでない。それに…」
「問答無用だ!!」ザク・ブリッツは杭が付いた楯をユ・ヴータに向け、ゆっくりと引き金を…
もう少し続くよ。ごめんね長引いちゃって。
320:名無しさん
11/10/05 19:30:21.40 iqqOXovE
油豚vsロカビリー編キボンヌw
321:名無しさん
11/10/05 20:17:35.20 4Jr5AYIo
そう急かすと作者の書ける物も書けなくなるからやめた方がいい
322: ◆8bVOdV11MI
11/10/08 22:01:11.24 6XkTAPdw
「な、なんだ、この映像は…」引き金は、引かれなかった。
チゾン少尉の機体のコクピットにはいくつもの映像がまるでスライドショーのように目まぐるしく映し出されている。
血まみれの子供達の死体、頭から血を流して倒れる少女、漆黒のガンダム、ピンク色のMSに合わせられる照準。
と、赤いフィルターがかかったような映像が出る。
破壊される街、無残に殺される人々、バルカンで肉塊にされる妹と、まるで玩具のように殺されるその友人。
…おえぇ。チゾン少尉は吐き気を堪えづづモニターを見る。場面がいきなる変わる。
でっぷりと太った醜い風貌の中年、同じように不細工なMS、青いバーニアを吹かしてMSが飛び立つ。
また画面が赤く変わる。
ビームが当たる不細工なMS、ドロップキックを喰らって無様によろけるMS、両サイドからジムに取り押さえられる。
今度は全体的にどんよりと暗い色調だ。
目茶目茶になった格納庫、その中でスクラップになった漆黒のガンダム、水の中のように歪んでもう一枚の同じ映像が映る。
「こ、これは…」チゾン少尉は驚愕した。
先ほどのでっぷり太った男が下半身を丸出しにして自分の股間を触る。
股間?もちろんチゾン少尉の股間には何も触れてはいない。だが触られた感覚がたしかにある。
気持ちが悪かった。生理的に受けつげない。でっぷりした男は一物を股間に当て…
323: ◆8bVOdV11MI
11/10/08 22:02:25.74 6XkTAPdw
と、画面が切り替わり、目の前に半壊したMSが映し出される。どうやら元に戻ったらしい。
「あの男に、乱暴されたのか?」チゾン少尉はMSに向かってそう呟く。
「…そうだよ。あいつ、さっきのコロニーレーザーに巻き込まれたみたいだけどね」
「なんだって、そんなことがわかるなんて、君はニュータイプなのか?」
「わからない、あたしはサイコブレンズっていうみたい。一種の強化人間ってやつなのかな」
サイコブレンズ…確かソーカから亡命したニュータイプ研究の権威、通称薔薇博士が研究していた奴か。
「今の映像は、そのサイコブレンズとやらの能力か?」
「わからない、あのNEVADAに乗った時からなんだかおかしいんだ。
自分が自分じゃないみたいに、まるで機械みたいに次々と人を殺していく…あんなのあたしじゃない」
これはどうしたことだろう。さっきまでとは全く違ったしおらしい態度だ。
324:名無しさん
11/10/08 22:02:58.19 6XkTAPdw
「MSに、精神を高揚させるようなシステムがあったのか…?」チゾン少尉は一瞬考える。
「あの…?」ナツミが訪ねる。
「すまないが、私は君がどんな人物なのかはしらない、だがどのような事情があろうと…」
と、チゾン少尉のモニターに一人の少女が映る。
「あ、これが通信か?あんたが目の前のMSのパイロットか?」
「…そだ…」
「え?」
「嘘だッ!! こんな子供が、あんな惨たらしい事をしたというのか!?
歳がソニンと大して変わらないじゃないか!! なんで、なんでこうなったんだ?」
「あ…あんたらが悪いんだよ。クラスのみんなを殺したサトミを匿ったりするから…」
そう言いづつもナツミは、心が申し訳なさと後悔で膨れ上がっていくのを感じた。
325: 忍法帖【Lv=9,xxxP】
11/10/12 18:37:15.65 QaifdjoU
<6ねお 6f@xyおばさん o3/yらあめん 3txyあかさん 6d@xyおじさん
xs4(さとう) eqf@d(いたばし) BS@Mこども XEQJさいたま
t.s bs@m ーmホモ
x.サル qtnuたかみな 9dmsよしもと&66xtおおさか 2]2]ふむふむ tqqj かたたま 4]4] うむうむ u6s なおと GM6QH きもおたく 6tjおかま i6eにおい VGBMLひきこもり 3TXY:出演、演出
B@LOごりら x.サル 7xeやさい
mwue? rm4すもう a,yちねん a,y特派委員時代 xsdy少女さとしん少女
qtfdたかはし「まだ」
GME[きもい・・・まだ」
:exztyけいさつかん
326:名無しさん
11/10/13 23:00:53.84 gKAHka2P
キチガイがこのスレを落とそうとしてるな
続きを読むまでは落とさせんよ
327:名無しさん
11/10/15 18:16:06.15 HqN5S5IL
東京キチガイ死ね!クソ荒らしが!殺されろ!
328:名無しさん
11/10/15 20:04:50.08 dmCPVoGg
本編続きまだっすかあ。
329:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/10/15 21:44:49.03 xN9GhtfJ
スピンヲフが終わるまで待てないのかね?(@wぷ
>>328
330: ◆8bVOdV11MI
11/10/16 23:36:45.90 59dMAfbJ
みんな、マジで時間かけてゴメン。絶対に近いうちに終わらせるから。
「こんなはずじゃ無かった…ソニンを殺したクソ野郎を、バラバラにしてやろうと思ったのに…
なのに、なんでなんだ…どうしてこんな小さな子が…」チゾン少尉はブルブルと震えている。
コ ン ナ オ モ イ ヲ ス ル タ メ ニ
キ ョ ウ カ ニ ン ゲ ン ニ
ナ ッ タ ン ジ ャ ナ イ ノ ニ
「!!」ナツミは殺気を感じ取り、回避しようとする。が、ブリッツのタックルをモロに喰らい、機体が大きく揺れる。
『レンポウメ、コンナドウガナドデ、ドウヨウサセヨウトナド!!』ナツミにはチゾン少尉から立ち昇る思念が見えていた。
「……めん……さい」
『ナニ?』
「ごめん…なさい。謝っても謝りきれないのはわかっているけど…」
『ナンデ、イマサラアヤマッテイルンダヨ。ギゼンシャメ!!!』ブリッツはユ・ヴータの両肩を掴み、力を加える。
『オマエノパワーノヒミツハ、コノリョウカタノエネルギーポッドダナ!!』
ベキッ、と音を立ててエネルギーポットが潰れる。
331: ◆8bVOdV11MI
11/10/16 23:37:27.51 59dMAfbJ
「インコムも一緒に潰されたか…もう、ダメかもな…」
と、ユ・ヴータのコンソールの画面にとある表示が浮かぶ。
「これは…、いちかばちかってところか。どの道やるしかないな。よければ撃退、悪くても死ねるわけだし…」
ナツミはエネルギーバイパスの回路を切り替えた。
「中佐、例のシャトルが消息を断ったのはこのあたりですな」連邦士官はそう言い、レーダーを凝視する。
「君、そのようなことをしてもムダとしか言いようがないよ。ただでさえこんな濃いミノ…おかしい、濃すぎるぞ!?」
中佐は仰天し、ミノフスキー粒子の濃度を調べる。
「近くで戦闘が行われているのか?これはいかんね…」中佐はそう言い、その場から足早に駆けようとする。
「中佐、何処へいかれるのです?」
「偵察に向かう。格納庫の『アレ』で出る」
332: ◆8bVOdV11MI
11/10/16 23:37:43.64 59dMAfbJ
「アレ?まさか『G』ですか?いけません!!あれは新型のコントロール装置の調整が…」
「あのキチガイ共に例のシャトルが襲われているかもしれぬのに、か?
たしかソウルの虐殺に関係しているパイロットが乗っているというのだろう?しかもまだ12歳の少女と聞いている。
子供を守り、諭すのは大人の役目だ。だから私自らが助けに行くしかないのだよ」
中佐は格納庫にたどり着き、目当ての機体に乗り込む。
「ニュー・サイコミュとやらか…オールドタイプでも使えるというが、はたして私に扱えるのか…」
格納庫のハッチが開く。
「Gアルパ、中曽根、発進する」
333: ◆8bVOdV11MI
11/10/20 23:15:54.09 FR3CUGRG
コレデ、トドメダ!!』ブリッツがビームサーベルを抜く。
よし、いまだ。ナツミはここぞとばかりにトリガーを引いた。
ユ・ヴータの腹のメタボ装甲が弾け飛び、その奥にエネルギーが収束してゆく。
俗にハイメガキャノンと呼ばれる大型メガ粒子砲が発射…されることなく収束したエネルギーが霧散する。
『エネルギー切レカ。ビビラセヤガッテ』
だがナツミはにやりと笑う。うまく誘い出せた、と。
すかさずコンソールを操作し、残った左腕をブリッツに向けて突き出す。
パン、と装甲がはじけ飛び、内部に仕込まれた二連装グレネードランチャーがブリッツに榴弾を射出する。
不意を突かれたチゾン少尉には避けられるはずもなく、2発の榴弾が直撃する。
『グアッ!! ば、馬鹿な!!」チゾン少尉がそう言うと同時にコクピットが射出される。
「な、今ので誤作動したのか?待ってくれ、マダオワッテナイ!!』
チゾン少尉の叫びもむなしく、射出されたコクピットは戦闘宙域を離脱していく。
334: ◆8bVOdV11MI
11/10/20 23:16:19.07 FR3CUGRG
「ソニン…大尉どの…私の大事なものは、どうして消え去ってしまうんだ?なぜだ?だれか、だれか教えてくれ!!」
狭いコクピットの中でチゾン少尉は絶望に打ちひしがれていた。
教えてあげましょうか…
「誰だ?」チゾン少尉は身構える。
心配しなくていいわ、外に出て…
言われるがままにチゾン少尉はコクピットから出る。
目の前には全身にゴテゴテとブースターを取り付けた…
「ガンダム?味方なのか?」
335:名無しさん
11/10/26 21:45:11.09 aRLkhzM2
空母タイタニックって油豚が昔、豚ブログで言ってた奴?
続きキボンヌw
336:名無しさん
11/10/26 22:40:14.62 vzAIYeG5
「忘れてた、こいつらがまだ残っていたんだったな…」ナツミの機体の周りを同時討ちでボロボロになったソーカのMSが囲んでいる。
「わかったよ、もうエネルギーも無いし降伏するつもりもないから一思いにやってくれ。あたしはもう、疲れた…」
『悪いが、私の目の前で死ぬ事だけはご遠慮願おうか』ナツミの背後に小型の戦闘機が現れる。
「ちょっ、コアファイターだって?そんな機体じゃ無茶だ!! 下がって!!」
『心配するな。こいつらはもう終わりだ』コアファイターの男がそう答えると、周りを囲んでいたMSの一体が爆発する。
と、また別の方向からビームが別の機体のコクピットに直撃し、MSは沈黙する。
「これは…まるで…」先ほど使ったインコム。いや、それとは出力が段違いだ。
「まさか、サイコミュか?あんたは、ニュータイプなのか?」
『残念ながら、違う。これは一般人でも操作できる新型のサイコミュだ。そしてこの機体の実体がこれだ」
周りを縦横無尽に飛び回っていた物体が合体し、二機の戦闘機のような物体に変わる。
その間にコアファイターが重なるようにドッキングし、少し大きめのMSに変形した。
『Gアルパ、というらしい。殲滅用に開発された物だが…私には少しばかり荷が重いというかね』
素早い動きと正確な射撃により、みるみる落とされていくソーカのMS。
「ダメだ、かなわない。全員、武器を捨てて連邦にとう…グアッ!!」
隊長機らしいMSが投降しようとするが、Gアルパに撃たれる。
「ちょっ、何も殺すことは…」
『何を言っている。ソーカのゴミクズ共に連邦こそ正義である事を見せつけるために、こいつらは皆殺しにせねばならんのだ』
ナツミは衝撃を受けた。なんということを言っているのだろう。こんな非情な事をしているモノが、『正義』?
「…ってる…」
『何だ?』
「こんな事、正義なんかじゃない!!間違っている!!」
ナツミはグレネードランチャーをGアルパに向けた。
337: ◆8bVOdV11MI
11/10/26 22:40:57.28 vzAIYeG5
またトリップ入れ忘れた。ゴメンね。
338:名無しさん
11/10/28 16:00:25.05 Oc2YKDWY
新しい作者さん、もうちょっとまとめてうpしない?
なんか間伸びして伸びたラーメン食ってるみたいだからw
前の作者の人はまとめてくれてたから読みやすかっんだけど
339: ◆8bVOdV11MI
11/10/28 22:53:08.57 2zB0Cn29
自分も以前まとめた感じでうpしていたわけなんですがね、
見ての通りの遅筆なわけでして、スピード優先で書いていたわけなんですが…
まとめて書いたら2週間以上とか平気でかかるわけですが、よろしいですか?
340:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/10/28 23:06:02.01 LI65lRpz
>>335
そう。2.3年前だかに油豚が豚ブログでほざいてたネタ。
確か女パイロットが二人居たと思ったが名前忘れたんで省略しもすたw
>>339
まぁまぁ、自分のペースで書けばいいんじゃねw
341:名無しさん
11/11/04 18:34:24.60 wWjxEYCF
で、また打ち切りっすかww
342:名無しさん
11/11/04 21:39:03.47 czUPYzc5
>>341
お前、正直言って迷惑だからもう来んなや
343:名無しさん
11/11/05 15:47:27.44 2hzLXajv
荒らしの東京基地外逃げるなよ
344: ◆8bVOdV11MI
11/11/05 21:43:48.74 P8lBRMfw
打ち切りと思った?
残念、もうちょっとだけ続くんじゃよ
ナツミはトリガーを引くが、肝心の榴弾が出てこない。
『弾切れのようだな。あれだけの啖呵を切ったくせに、自機の残弾すら把握していないとはな』
「いや、アンタの負けだ。通信、開いてみなよ」
…たった今、ソーカ首相を初めとするソーカ与党が停戦案を提出、野党及びソーカ国民の多数が反発するも先ほど上院を通過、
間もなく最高院で決定が決まろうとして…
おい、聞いたか?
俺たちは何のために戦っていたんだ?
最早これまでか…
ソーカのMSから漏れ出る通信からは絶望の声が聞こえてくる。
「戦意を喪失している者を殺すのは軍法会議ものなんじゃない?」
『貴様が言うか!! …まあいい。この宙域のソーカ軍に告ぐ、先ほどソーカ与党が停戦案を提出し、間もなく決定する予定だ。
武器を捨て速やかに投降しろ。さもなくは命の保証はしない』
話が終わるや否や次々と投降するソーカのMS。
「これで、終わったんだな」
『終わっているわけなかろう、我々は君を迎えに来たんだ。近くに我々の哨戒艇がある。それに乗るがいい』
この数日後、宇宙世紀201年6月28日、地球連邦政府とソーカに停戦協定が結ばれた…
345: ◆8bVOdV11MI
11/11/05 21:44:34.07 P8lBRMfw
「なるほど、ここまでにやけに時間がかかった上に説明が不足しているところもあるが、オオクボを降りた直後にそのような経緯があったのか…」
新田少将が暇そうな声で話す。
「ペズン、クリプス戦役の末期にニューディサイズによって核によって自爆したとある…まさか、宇宙世紀160年のアクシズ消失と関係が?」
真田大尉は訝しむ。
「よんよんのお爺さんが…ザンスカール帝国の亡命者で元ソーカ創立メンバー…もしよんよんが知ったら…」
シマは嘆いているようだ。
「あの、まだ話はあるんですが…」
「「「えっ、まだ続くの(か)?」」」
「心配しないでください、あとは時間がかからないよう簡潔に話すつもりですので…」
346: ◆8bVOdV11MI
11/11/08 23:25:59.61 oNUoQHie
『利子より生まれし恒、世界を滅ぼす。恒、芳が揃う時、地獄の門が開く。
されど恒は生き残り、一時の眠りにつき、再び目覚めん。
恒、滅びの巨神目覚めさせ、滅亡の扉を開かんとす。
芳の子、戦乙女、恒の不義の子、そして三人の賢者。
かの者ら巨神と相対せん時…』
「これは…」坂井准尉はボロボロになったメモを棺の中から取り出した。
「お前、何している、初代会長の墓を掘り起こすなど罰当たりな!!」
初老の男性が息を切らしながら坂井の方に向かってくる。
「罰当たり?これが?」坂井は棺から骨を一本取出し、ナイフでほんの少し切れ目を入れて両手で折り曲げるように力を加える。
すると骨はポン、と軽い音を立てて真っ二つに折れる。
「ききき、貴様ぁ!! よよよよくも初代会長の遺骨をヲヲヲヲヲヲヲヲォォォォ!!」
「遺骨?骨がこんなに簡単に折れるわけがないでしょう?よく出来ていますが、これはアクリル製の偽物ですよ」
初老の男性は愕然と折れた骨を見つめている。
「さて、私や『少佐』がここへ来た理由は一つ、あなた方の言う初代会長、遠刕光翁元少佐の消息についてですが…」
「坂井准尉、現代表の方を連れてきた。こちらへ来てほしい」笹井少佐の声が聞こえる。
その側にはフートを目深に被り、全自動式の車椅子に座った男性が佇んでいた。
「会長代理!! こんな所にいてはお身体に…」初老の男性が駆け寄る。
「恒明…アクリルとはどういう事だ?あの男は生きているのか?」
恒明と呼ばれた男性が首を抑え、顔が見る見るうちに青ざめていく。
「もう一度言う、このまま首を折られたくなければ答えろ。あの男、初代会長は生きているのか?」
恒明はコクコクと頷く、と同時に体がガクリと糸の切れたマリオネットのように倒れこむ。
「超克の…フォース…」坂井は思わず呟いた。
「坂井ぐ…いや、今は准尉か。まさかまた会えるとは…」
会長代理は黒焦げになった手をさすりながら話す。
「あなたは、まさか…」
347:名無しさん
11/11/09 01:03:06.89 b6ZE6NO9
>利子より生まれし恒、世界を滅ぼす
ほうじ茶吹いたwwww
348:名無しさん
11/11/11 16:13:01.91 Gx9M/TOk
東京キチガイは電車に乗っただけで捕まる。
だって存在そのものが痴漢だもん。
349:名無しさん
11/11/19 20:53:44.38 GlcRyaWx
東京死ね!
350: ◆8bVOdV11MI
11/11/20 23:28:03.69 ZrfQt89k
「今から65年前、当時フリーの技術士で各地を転々としていた初代会長は、戦争ばかりが続くこの世を憂い、ザンスカール帝国の消滅と共に連邦へと移住、
自身の血縁全てと、自分を慕ってやってきた科学者達と共に、この超創会を作り上げたのです」会長代理はゆっくりと、語りかけるように話す。
「その後会長は、当時の連邦軍の最新MS『RGM-196 フリーダム』の欠点を事細かく指摘し、独自のガンダム量産プランを連邦軍に申請、
その高い性能が故に、半ばワンオフ当然の機体であったガンダムというMSを、安価に、なおかつ高性能を維持したまま生産することに成功したのです」
「なるほど、10年前のガンダムヒエンや私が乗ることになったガンダム五式などはそれの賜物、という訳ですか」坂井准尉が口を挿む。
「…初代会長には二人の子供がいました。名を恒寿と芳鳴といいますが、准尉はよく存じ上げておられるかと」
「ええ、そしてあなたについても、ね」
「…初代会長は幼い二人の子を連れ、現在のヤマナシシティにあるコスゲビレッジの山奥にて、兎跳びやザバイバル訓練、座禅や読経、
それに加えて電流が剥き出しのヘッドギアによるサイコミュ制御など、とても常人には理解できぬ不可解な修行をさせたとの事です。
最も、そのあまりにも度を越した過酷な修行に耐えかねた兄、恒寿が泣きながら全裸で駐在所に駆け込み、それが原因で『修行』の内容が発覚、
初代会長は必死にこれは修行の一環だと強く主張しましたが、結局は文字通り村八分にされた挙句コスゲビレッジを追い出されたようです」
「子が子なら親も親だった、という訳ですか。弟の方は?」
「弟は、当時まだ物心もついておらず、何も覚えていなかったようです。ただ初代会長曰く、潜在性はものすごく高いということでした」
「潜在性というと、ニュータイプとしてのですか?」坂井准尉が訪ねる。
「それとはちょっと違います。初代会長はニュータイプをもはや古いものであると考えており、人の革新を超えるためには人類全体が大きな困難や苦しみに立ち向かい
それを乗り越える最中に、ニュータイプを超えるものが必ず現れるとおっしゃっておりました。我々は、そのニュータイプを超えた人間を『超克者』と呼んでおりますがね」
351: ◆8bVOdV11MI
11/11/20 23:28:36.32 ZrfQt89k
「では、あの兄弟はそのニュータイプを超えた超克者である、と?なんという事だ…あのようなキチガイクルクルパーが…」坂井准尉は頭を抱える。
「いえ、正確には超克者ではありません。あの兄弟は超克者をモデルにして作られた模倣品『超克人』と言います」会長代理はまるで自嘲するかのようにぼそりと話す。
「模造品?どういう事でしょうか?」
「彼らは模造品が故、完全な超克には至っていない。という事です」
「それはあなた自身の事も言っているのですかな、会長代理。いや、遠州芳鳴大尉?」
352:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/11/21 00:12:36.34 iODsVhNZ
芳鳴さんを生かしたか・・・
本編の辻褄合わせが非常に難しくなるなw
353:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/11/21 01:26:26.01 iODsVhNZ
こっちで本編連載再開したよん
スレリンク(lobby板)l50
354: ◆8bVOdV11MI
11/11/21 18:03:39.94 GUjNZA5p
えー、まず向こうのスレにも書きましたが
自分の遅筆でこんな事態になってしまい、本当に申し訳ない気持ちです。
そこで連載記念にもう一つ投稿しようかと思ったら、なんとダイジェスト風に完結してしまいました。
そんなわけで、外伝最後の投稿を開始したいと思います。
355:名無しさん
11/11/21 18:04:19.00 GUjNZA5p
「クソッ!!なんというザマだ!!」式場博士はランチの中で頭を抱えていた。
あの無能のキワミの艦長とバカ二人のせいでkitty、いや、光翁のせがれを覚醒させてしまった。
どうしてこうなった?自分がザンスカール帝国で過去のニュータイプ研究所の遺産を使いサイキッカーの能力調整をしていた時期、
今は亡き師の李光南博士と光翁が亡命を勧め、それに乗って連邦領へと亡命してからしばらくは研究も順風満帆としか言いようがなく、自分の人生の最高峰であったとも言える。
今思えば、17年前に自分が開発したニュー・サイコミュシステムのテストをするために、中曽根のボンボンと共に哨戒艇に乗り込んだのが運の尽きだったのかもしれない。
中曽根のボンボンが連れて帰ってきたのはボロボロになった私と師の光翁の共同傑作『超克-408-3 ユ・ヴータ』であり、
パイロットは自分がニュータイプ研究の遺産を使って開発したサイコブレンズの少女であった。
自分はすぐさま少女を自分のラボに入れ、少女に記憶の改竄を施し、地上には偽の帰還報告を出し、サイコブレンズのデータを取るためにラボ地下の実験施設に少女を監禁した。
そうしてデータを取りづつ、時折強力な記憶改竄を少女に施して自分の性癖を心行くまで満たすような事をしながら3年後、ラボが何者かの襲撃を受け、施設は破壊され、少女が消えた。
襲撃者の目的がラボの破壊ではなく少女の身柄の確保であるのは明白だった。使われたMSは『RGM-196フリーダム』…おそらくは連邦でもソーカでもない第三勢力だろうか。
そんなことを考えづつ4年が過ぎ去り、またも大きな動きがあった。光翁のせがれ、恒寿が変わり果てた姿で、だが生きている状態でラボに運ばれてきたのだ。
これはチャンスだとばかりに3年前に鹵獲されたザク・ブリッツのデータを元に無人の量産型ステルスMSを、そして光翁のせがれをメインユニットにした新型空母の案を連邦軍に申請、
その後は10年の間光翁のせがれの覚醒を待つことになった。あとはご覧の通りのありさまだ。
356: ◆8bVOdV11MI
11/11/21 18:05:19.26 GUjNZA5p
「光翁よ。どうやら、ヲマエの言った通りの展開になりそうだな」自分は懐から手帳を取り出し、その中の古ぼけたメモを取り出す。
『利子より生まれし恒、世界を滅ぼす。恒、芳が揃う時、地獄の門が開く。
されど恒は生き残り、一時の眠りにつき、再び目覚める。
恒、滅びの巨神目覚めさせ、滅亡の扉を開かんとす。
芳の子、戦乙女、恒の不義の子、そして三人の賢者。
かの者ら巨神と相対せん時、我は再び黄泉帰り、然る後に腐敗せし傲慢なる正義を破壊せん。
そして来るべき大いなる痛みと苦難が人を襲い、恒は倒れ、人類は超克するであろう』
自分はメモにライターで火をつけた。あとはなすがまま、こんなものはもう必要はないだろう。
「しかし恒の不義の子、とは…最後までわからずじまいとはな…」自分は物思いにふける。
亡命した時の事、光翁に子供が生まれたこと、光翁がコスゲビレッジを追い出されたこと、二人の息子の兄が東大士官学校を痴漢で追い出されたこと…ん?
357: ◆8bVOdV11MI
11/11/21 18:06:15.71 GUjNZA5p
そうだ、自分はそれから数年後に超創会に行ったことがある。その時の光翁の奥さん、確か利子さんのお腹が膨れていたのを思い出した。
利子さんは太ったのだと言っていたが、間違いない、あれは妊娠していた。そして当時の光翁はMS開発で下手をすれば1年半は帰らないということもざらであった。
「まさか、まさか…」自分の妄想が、最悪の形で固まろうとしていた。
利子さんは、光翁のせがれの子を身ごもっていたのではないか?
「あり得ん。いや、しかし…」そういえばその後ソーカに残った張の奴が利子さんの勧めで養子を迎えたと言っていた。
確か名前は…サトミ。そう、サトミと言う名前の少女だった。
「なんと、なんという運命か…」張サトミ。17年前、例の少女を裏切り、クラスの全員を皆殺しにしてガンダムCOOLに乗り、結果搭乗していた空母ごと撃沈されたと聞く。
だが、空母の残骸からは地上用のパーツの残骸しか発見されておらず、その生存を疑う声が当時からあった。
「よもや、全ての事件の表裏に関係なく、遠刕の一族が関わっているとは…」自分はただ仰天するだけであった。
358: ◆8bVOdV11MI
11/11/21 18:07:17.24 GUjNZA5p
同時刻
空母タイタニックもとい、空母シンデンの格納庫、数体のバックポットにまるで神輿のように担がれた格納容器が『それ』を見上げる。
『これが、ヲヤヂの遺した最後のMS…式場のクソヂヂイ、やっぱりこの空母に積んでいたのかね(@w驚』
『それ』はまるで現代に蘇ったRX-78-02ガンダムを模したような機体であった。
『超克-408-0 ブーガンダム、ツネンゲリヲン真の零号機にして、巨神復活のキーパーツ、そしてヲヤヂの最高傑作(@w泣』格納容器の中の『物体』は背後から近づく陰に気付かない。
『ヲヤチ…ヲヤヂ…(@w泣 アンタからは逃れられないのか…結局ヲレはアンタの筋書き通りに「動くなッ!!」格納容器に銃が付きつけられる。
『ヲマエは…ノリユキ!! 生きていたのかね(@w嬉』撃たれたはずの石川少尉が、格納容器の背後にいた。
「万が一を考えて防弾ベストを着こんでいた。ミドリの奴はつけなくてもいいと思っていたらしいけど」ポロリという音を立てて銃弾が落ちる。特殊繊維と合金の複合ベストのようだ。
「お前がkittyか。ミドリが言っていたように確かにバケモノのような姿だな」石川少尉は銃を突きつけたまま話す。
『お褒めいただき光栄だよ(@w嘘 それはさておきノリユキ、ヲレと取引をしないかね?(@w荒 ノリユキと一緒なら、どんなことでもできる気がするよ(@w喜』
「悪いが、断る。先ほどの放送を聞いたが、お前のような13歳以下しか興味がない鬼畜アスペに協力する事は出来ない!!」
石川少尉が銃の引き金に手をかけようとするが、バックポットの特殊徹甲弾が石川少尉の防弾ベストを無残にも突き破る。
『ヴァカな奴だよ、ノリユキ。ヲレに付いていけば…ヲヤ(@w荒』石川少尉のライフルのマガジンには弾が一発も入っていなかった。
『ままままま、まさかノリユキ!!(@w仰天』
「kitty、ちょっとの…間だけだったけど…楽しかった…ぜ…」その言葉を最後に、石川少尉はこと切れた。
『ノリユキ、ヲレは、ヲレは…アァァァァァァアァァヲヲヲヲヲヲヲヲヲォォォォォォ!!!(@w号泣』
359: ◆8bVOdV11MI
11/11/21 18:08:13.56 GUjNZA5p
「…!! こ、これは!!」超創会会長代理は車椅子から転げ落ちた。
「あっ、大丈夫ですか?芳鳴大尉!?」抱き起す坂井准尉であったが、その時初めて会長代理の両足が無く、フートの下の顔は焼け爛れて誰だかわからないという事に気が付いた。
「どうやらあなたは、私を誰かと誤解しているようだ。私は超創会の会長代理。それ以上でも以下でもない」
「…了解しました。では私はこれにて失礼いたします」坂井准尉はその場から立ち去った。
超創会会長代理、この男がはたして遠州芳鳴大尉であったのかどうかはこの時は不明であった。
しかし、超克の血はこの男を3年後、再び戦場へと立たせたのである。
~続・宇宙のサムライ 地球連邦崩壊編より~
360: ◆8bVOdV11MI
11/11/21 18:08:50.19 GUjNZA5p
「つまるところ、君は疲れて哨戒艇のベッドで熟睡していたらいつの間にか3年の月日が経っていて、その後はイルミナーティという組織のもとで非正規作戦に就いていた、と?」
「はい、この艦のクルーも副長をはじめ、数名がイルミナーティの構成員です。新田少将や真田大尉、シマ中尉は信用が置けると言っていましたから話しましたが…」
「そうか、大体の所はわかった。ヨシミくんも待っているだろうからもう行きなさい」新田少将はそういってナツミを席から立たせた。
「では、失礼しました」ナツミはドアを開けて、ヨシミの待つシミュレータールームへと足を速めた。
外伝『ナツミUC201アフター』 劇終 ?
361: ◆8bVOdV11MI
11/11/21 18:09:23.64 GUjNZA5p
「そうか、ついに恒の奴が目覚めたか…」コールドスリープ装置に繋がれた老人は、だれともなくそうつぶやいた。
「ではそろそろワシも、黄泉帰るとするかの…」と、老人の体をつないだバイタルサインがフラットを示す。
と、同時に老人の頭が切り裂かれ、脳がアームで取り出される。脳はそのまま何やら毒々しい色の液体に浸され、目の前のモニターには『NOW MITSUOH DOWN LOADING...』と表示される。
部屋の壁が開き、中から培養液に満たされた生体ポッドに浸けられた20代半ばの金髪の男性が現れる。
モニターの文字が「NOW MITSUOH in C.A. UP LOADING...」に変わり、それに伴い金髪の男性の体が激しく揺れる。
カッ!! と金髪の男性の目が見開かれ、生体ポッドや周りの機械が弾け飛ぶ。
「ふむ、超克人の体とはこんなものか」男性が呟く。
「では、介入を始めよう。すべては人の革新、牽いては人類の超克のため」
ここに、超創会初代会長、遠刕光翁は再誕した。
外伝『ナツミUC201アフター』 劇終
362: ◆8bVOdV11MI
11/11/21 18:10:43.62 GUjNZA5p
という訳で外伝完結です。
無理やり、そして一気に終わらせました。
では、しばらくの間名無しに戻ります。
363:名無しさん
11/11/21 18:41:34.54 eQ+at2zE
>>362
しっちゃかめっちゃかだが乙
364:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/11/21 22:18:52.71 +sUk+WOW
>>362
うわぁぁぁ。しかし後々の辻褄合わせがかなりメンドクセェ結末だな。
まあなんとかするしかないな。長らく乙!
本編もここの自治スレの奴に見つかっちまったんで何処かの過疎スレに引越します
365:作者 ◆XvQzUZ.XyY
11/11/21 22:28:30.15 +sUk+WOW
顔文字板の過疎油豚スレに引越ししますた
スレリンク(kao板)l50
366:名無しさん
11/12/04 12:37:06.95 Lqh180Zc
続編待ち保守
367:名無しさん
11/12/06 23:52:32.14 sMrdsKmd
68 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/19(土) 00:49:52.81 ID:wHsWPqW2
護衛空母「カイヨウ」ブリッジ
「艦長!!本土から出撃した3航戦のビーコンが途絶しました!!」電探員が叫ぶ
「ミノフスキー粒子は?」
「レベル2から3の間で受信には問題ありませんが・・」
その答えに一色艦長は首を捻る。
「おかしいな。艦艇以外の艦載機のモノもか?」
「はぁ、モニターできません。爆発跡らしき熱源は感知していますが・・まさか」
「そのまさかだな。センカクの接続空域に統合軍の艦艇が居ると言ったな。空保の艦艇
の件といい様子がおかしい。本土の司令部と連絡は取れないのか?」
一色艦長は少しイラつきながらキャプテンシートから身を乗り出す。
通信兵はコンタクトを取ろうとするが首をしきりに横に振る。
「レーザー回線繋がりません。中継衛星の故障か喪失と思われますが・・・」
「完全に孤立したか・・・」
一色艦長は帽子を取ると額の汗をぬぐった
一方、自我に目覚めた「kitty」事遠刕恒寿元中尉操る新鋭攻撃空母「タイタニック」
改め「シンデン」はセンカクの領空を突破しつつあった。
「はははははははははははは、シンデン(@wぷぷ ヲレの城~(@wぷ」
宇宙一のキチガイが今、解き放たれた
368:名無しさん
11/12/06 23:56:06.88 sMrdsKmd
69 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/19(土) 01:09:19.07 ID:wHsWPqW2
ワシントン連邦政府防衛総省
枝野補佐官が青ざめながら長官室の扉をノックする。
「何だ?枝野。私はもう帰るところだぞ。用件は明日にしてくれないか?」
中曽根長官はコートとバッグを持ちながら長官室を出る所だった。
「いえ、長官・・少しだけお時間、いえ今日はご自宅には戻れないでしょう」
「どう言う事だ?」中曽根はバックを机に叩きつけるように置いた
「これをご覧ください」枝野補佐官がタブレット端末を彼の前に出した
そり画面にはトイレの中で血を流して倒れる二人の連邦軍士官の姿が映っている
「何だ?これは。動画の投稿サイトか?こんな事で私を呼び止めるなバカバカしい!!」
「いえ、こちらもご覧ください」枝野補佐官はもう一つの画像も見せる
そこには血を出して倒れる小泉大佐が映っていた
「小泉大佐じゃないか!!こ、これは・・死んでいるのか?この画像は何だ枝野!!説明しろ!」
「・・・長官、5分程前にタイタニックから電送されてきた画像です。残念ながらこの画像はニセでも
トリックでもなく正真正銘の艦内の画像のようです。空技廠の石川、横山両少尉は死亡、小泉艦長も死んでいます。
画像を見る限り二人は銃で。小泉艦長は警備用のバックポットに撃たれたようで・・」
中曽根長官は見る見る青ざめて行く
「バ、バカな・・タイタニック艦内で・・叛乱?いや、これはコロニー連合の奴らの撹乱工作に違いない。
通信衛星がハッキングされて送られたニセの画像じゃないのか!!枝野!!」
「長官、タイタニックは進宙したばかりの新鋭艦です。まだコロニー連合には外部の画像はおろか内部の
画像すら公表していません。しかも発信IDはタイタニックのモノなので間違いありません」
「ではなんだ!!??まさか式場博士の仕業なのか?博士は居ないのか?連絡は取れないのか?」
「作戦中で通信封鎖中でこちらからは連絡は取れませんがタイタニックからランチが一隻射出された模様です。
恐らく博士はそれで脱出を・・・・」
ここで中曽根長官は我に帰る