11/11/15 05:59:33.73 bNczppzk
目釘については過去にも答えてるから(材質じゃないけど)過去スレ見てみ。
最近だと 日本刀スレ 肆拾玖代目>>28~>>41に竹目釘の加工について書いてる。
木製の目釘が使えるか、まずは試してみたら?あと先輩に相談してみたら?
「演武の最中に木の目釘が折れて、観客席の手前で飛んだ刀が止まってヒヤヒヤした」
という類の話が聞けると思うよ。他、木箸を加工した目釘が折れた例は実際に見た。
竹の優秀性を承知で、あえて木(ブナ)を誰か試しているかの質問なら、くどくどしいけどご勘弁。
乾燥した木(普通の塗箸)や象牙類はパキンと折れます。竹なら縦の繊維が絡まって折れます。
木は竹に比べて珪素(=強度)が少ないし、繊維の柔軟性に乏しいからパキンと折れやすいと考えます。
パキンと折れる=すっぽ抜けるから怖いです。また鉄や真鍮だと柄が痛んでぐらつきが怖いです。
目釘が折れる条件は、
1、目釘の痛み 2、目釘と柄のがたつき 3、素材特性 の三点が主原因だと考えます。
一定の条件を満たした竹、それも江戸時代から目釘用に保存しておいた煤竹が理想じゃないかな?
竹目釘なら安全という訳ではなく、太さ、質、目釘の位置と状態、柄の状態も問われます。
竹の質については、自分で探して切り出してきます。竹やぶの所有者には許可を貰いましょう。
カラカラに乾燥する2月頃に幹のまま切り出してきた太いマダケで、厚さが2センチ近いものを
常時乾燥している居間に数年放置します。乾燥が進むと大抵竹が縦に割れてきます。
これを炙って目釘を作ります。
この手の竹は日当たりと経年変化で、竹の表面が黄色く変色して斑尾模様が出てます。
煤竹は囲炉裏の上で数十年燻蒸して作ります。良い煤竹は芯まで茶色になってます。
今の時代じゃ作るのが難しいし入手も難しいので、炙って水分を減らしてます。
いつも引き合いに出される幕末の窪田清音「刀装記」を最後に原文で引用します。ご参考まで。
「目くぎは竹にかぎるべし 竹は三、五年を経たる南表の日向に生えたる竹の土ぎはより三寸程上より
一尺の間の日向の方を用ゆべし 竹村の中に生えたるは柔にして悪し 竹はいかにも太く厚きを撰ぶべし
造り様は皮をうすく去り肉を取て竹のきはを丸く削り肉のかたちをなき迄にすべし
うちかたは皮のかたを刃かたに向はせてうつべし 皮のかた刃にあれば目直ちにたち横に力を受ける故
もちよし 目釘は一所にてよけれどもなかに短きものは二所うつべし
強く物に度々当る時は刃方のなかご先破るることあり 又目釘は柄中より鍔元によりたる方よし」