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280 名前:じゃじゃ馬ならし 後編 4/9[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 02:36:20 ID:T8O0T1sPO
呼吸は元に戻ったが、真之介は気怠げに手足を投げ出し、目を閉じてぐったりとしていた。
無理をさせてしまった、と兵四郎は心配になり、乱れた真之介の髪や髷を指で梳き、頬を撫でた。
「仙石……大丈夫か?」
「……大丈夫じゃ、ない」
「だろうな。いや、悪かった。いい年をして、歯止めが効かなかったのだ。すまん、許せ」
「……殿様」
心から頭を下げると、真之介は人差し指をちょいちょいと動かし、兵四郎に顔を近付けさせた。
「うん?なんだ」
「歯ぁ、食いしばれ」
囁くように耳元に告げてから真之介はにやっと笑い、思いっきり右手で兵四郎の頬をはたいた。
思わず兵四郎はよろめき、寝そべる真之介の上に倒れ込んだ。
容赦ない痛みに顔を振り、目を白黒させる兵四郎を見て、真之介は気持ち良さそうに笑った。
「ざまみろ!いいようにしてくれた、お返しだ!はっはっはぁ」
「っつう……やってくれたな」
「なんだ!文句あるかっ」
「いや、ない。それでこそ、仙石だ」
「ふんっ、これでもだいぶ、おまけしてやってんだ。握り拳じゃなかっただけ、優しいと思え!この、馬鹿殿様」
「ふふ、確かにそうだ。ありがたいよ、仙石取り」
赤くなった頬を摩り、兵四郎は笑った。
「全く、その気がないってのに、どこで覚えたんだこんなこと」
「そりゃあおぬし、いろいろさ。読んだり、聞いたり。あとは実践したり、な。ただし相手は、おなごだが」
「……お、おぬし、女相手に、あんなことするのかっ」
「いやいや、あそこまではさすがにせんよ。せいぜい、指を入れられるくらいだ」
「い、入れられ……女にか!」