11/07/07 03:39:41.73 gz9bcFCh
もう一方の手で、乳房を押し包んだ。なめらかな肌が、しっとりと手のひらに馴染んでくる。緩く揉むと、
千鶴の口唇からは嬌声が溢れた。
「は……っぁあん……っあ……」
やわらかなふくらみの中、色づいて硬く尖った一点を指の腹で潰すように摘まんだ。
「あ、っああ……っ!」
双方を同時に愛撫された為か、千鶴の声は今までより高くなった。そこに滲む快楽の色も、
少しずつ濃くなっている。
そのまま彩りを捏ね、手のひらで乳房全体を押し上げるように包み込む。口の中で硬くなった方は、
やんわりと甘噛みした後、舌先で転がしながらつついていたら、千鶴の口唇から濡れた声が漏れる。
「ぁあああん……っ、……おき、……せんぱ……っは……っあんっ……」
頼りなく彷徨っていた千鶴の手が、沖田の髪に差し入れられる。それは彼を自分の胸元に
強く抱き締めることになるのだが、千鶴にはそんなことを考える余裕はなかった。
今まで全く知らなかった、未知の快感が絶え間なく千鶴を襲う。そして時々、お腹の奥がきゅっと
不思議な感覚を訴えてきて、何も考えられなくなる。
「……千鶴、ちゃん」
胸の頂を口に含んだまま沖田が名を呼び、舌が掠める度、がくがくと膝が揺れる。怖くて、千鶴は
彼を強く抱いた。
怯える手を取り、沖田はそっと身を起こした。口唇と舌と指で愛撫した二つの彩りは艶やかに色を増し、
桜色から濃い紅に染まっている。その一方は、沖田の口唇が銀色の細い糸で繋がって、煽情的だった。
「千鶴ちゃん」
ただ名を呼ぶと、茫洋とした瞳が沖田を捉える。そうして、綻ぶように微笑んだ。
沖田に応えようとしたのか、開きかけた口唇を塞ぐ。微かに開いた隙間から舌を差し込んで、絡めた。
深いキスには慣れていない千鶴は、それでも抗うことはない。大人しく沖田の腕に抱かれたまま、
時折、勇気を出すようにぎゅっと瞳を閉じ、舌の動きを合わせてくる。
「ふ……っん……」
どちらのものともわからないほど、熱い。このまま融けてひとつになれればいいと、馬鹿なことを考えた。
息継ぎが上手く出来ないのか、千鶴は、縋るように沖田の背を抱く。苦しいくせに、どこまでも受け入れようとする。
ゆっくり口唇を離すと、千鶴は荒い息の中、沖田を呼んだ。
「おきた、せんぱい」
あどけない声が、乱れた肢体と相まって艶やかに響く。僕は君に溺れるように恋をしている、と今更思い知った。