11/05/13 22:08:35.32
①裏通りにひっそり佇む小さなレストラン。
人目を憚るように店内に消えていく客達。
カウンターごしに小さい声で『いつもの奴をいつもの具合で300グラム』
数分後、運ばれてきたのは分厚いステーキだった・・・。
ナイフを入れると断面は綺麗な鮮紅色。美しいミディアムレアだ。
しばしトロンとした目で見つめた後、あたりをキョロキョロ確認して、一気にガツガツとたいらげていく客。
そう、ここは闇ステーキを食わせるレストラン。
看板は出ていないがポツポツと、でも引っ切り無しに客が訪れる。
201×年の新法制定後、日本は世界から改めて『不思議で理解できない国』との不名誉な称号を
授けられることになった。
「コウベビーフを生んだ国が何故???」
「日本人は肉の食い方を知らないw」
「結局、鎖国時代から何も変わっていないw」
勢いにのると何でも後先考えずに実行してしまう国民性。
ユッケやタルタルだけのはずだった。それなら我慢できる、国民の多くはそう思っていた。
しかし蓋を開けてみれば、狂信的な偏食トラウマ野郎共が画策していたのは、『あらゆる生食・半生食の撲滅』
だったのだ。
奴らの合言葉は 『完全加熱!』