らき☆すた 陵桜学園 桜藤祭 IF-SS 5話目at GAL
らき☆すた 陵桜学園 桜藤祭 IF-SS 5話目 - 暇つぶし2ch512:泉こなたの憂鬱
09/05/28 23:57:38 wrKGxb/0






 しかし、勢いで教室を出たものの、果たしてどこに行けばいいのか。

「よう、チビッ子じゃん。どしたんだ?一人でさー。」
「柊ちゃん達は一緒じゃないの?」
「あっ、みさきちに峰岸さん。」

 どうしようかと思案していたところで、峰岸さんとみさきちに声を掛けられる。

「うん、ちょっと……ね。」

 誤魔化すように言葉を濁す。

「そーいや、さっき葛葉の奴が見知らぬ女と中庭の方に行くの見かけたぜ。」
「中庭!?」

 となると、星桜の樹のあたり……?

「急いだ方がいいんじゃない?あの雰囲気だと、きっと……。」
「ごめん峰岸さん!また今度ね!」

 私は、挨拶もそこそこにダッシュで中庭に向かう。

 空腹で全力疾走はキツいけど、このまま流れに任せて後悔するよりはマシ!
 この時だけは自分の身体能力に感謝!

513:泉こなたの憂鬱
09/05/28 23:59:52 wrKGxb/0
……日付変わるし、さるが恐いし、キリがいいから今日はここまでにするさー



また間が空くかもしれんが……なんくるないさーw

514:名無しくん、、、好きです。。。
09/05/29 03:04:41 3RX8lqn9
乙です!続き待ってます

515:霧波
09/05/31 00:25:52 zd72XW/t
GRENさん乙です。毎回悶えさせてもらってます(笑)

>>513さん乙です。続き期待してますね(^-^)

俺もなんとかして早くMEMORIES書き上げなければ(-公-;)

516:ゆう
09/05/31 19:42:27 chL4NoDQ
皆様、お久し振りです。
以前『純愛シリーズ』を投下していた「ゆう」と申します。

長らく間を空けてしまってすみませんでした。
前回投下から約半年経ってしまいましたが、
出来ましたら、またここで投下させて頂きたく思います。

では、お詫びは後にして、まずは投下で罪滅ぼししたく思います。

今回も例に洩れず、

・ゲーム主人公設定
・ただし、ゲーム内容はあまり出ない
・ループの記憶をほとんど忘れている

と、なっております。


では、投下させて頂きます。

題名は「純愛~みさおの記憶~」になります。

それでは、よろしくお願いいたします。

517:純愛~みさおの記憶~ 1
09/05/31 19:44:26 chL4NoDQ
「…みさお…」
「お、おまえ!? 何でこんなとこいんだ!?」

目の前にいる見覚えのある顔に、日下部みさおは顔を赤くしながら慌てる。

「みさお。俺、みさおが好きだ」
「…はぁぁ!? い、いきなり何…」

だが、そこまで言ってみさおは黙り込んでしまった。
ドキドキする心臓の鼓動に紛れて、喜びが見え隠れしている。
それだけではなく、みさおは何か大切な事を忘れている気がした。

「…なぁ、アタシ…」

みさおが言葉を発しようとすると、
目の前の男がみさおを優しく抱き締めた。

「なっ! なにすんだ!」
「みさお…」

自分の名前を呼びながら、その相手はゆっくり顔を近付けてくる。

(…あれ? この感じどっかで…)
「って、それどころじゃねぇ! やめろって!」
「…ダメか?」

みさおが抵抗すると、相手が哀しそうな顔をして見つめてくる。

518:純愛~みさおの記憶~ 2
09/05/31 19:46:01 chL4NoDQ
「…あ、うぅ…」

その顔に、何故かみさおはそれ以上抵抗出来なかった。

「みさお…。大好きだ…」

そう呟きながら、二人の距離がどんどん短くなっていく。

(~~ッ! ―や…)





「やっぱダメだぁっ!」

掛け布団を蹴飛ばして、ガバッと身体を起こす。

「…んぁ? …あ~…、夢かぁ…」

夢で良かったという安堵と、どこか残念な気持ちがごちゃ雑ぜになり、みさおはベッドに突っ伏す。

「…何でおまえが出てくるんだよ…、○○…」

みさおは、そう呟きながら、ゆっくりとベッドを降りて部屋を出て行った。




着替えも終えて部屋でボ~ッとしていると、
携帯が音を鳴らして電話の着信を知らせる。
相手が誰かを確認すると、みさおは携帯をとり電話に出た。

519:純愛~みさおの記憶~ 3
09/05/31 19:47:23 chL4NoDQ
「もしもし、あやのかぁ? どしたんだ?」
「うん、お菓子作ったからどうかなって。食べる?」

電話を掛けてきたのは、みさおの親友峰岸あやのだった。

「おう! 食べる食べるぅ! アタシも暇してたからすぐ行くぜ!」
「うん、じゃあ待ってるね」

電話を切ると、家にあったペットボトルのジュースを片手に
あやのの家へと駆け出して行った。




「あ~や~のぉ♪ 来たぜー」
「いらっしゃい、みさちゃん♪」

玄関まで出迎えたあやのに連れられ、楽しげな声のするリビングへと向かう。

「あれ? 誰か来てんのか?」
「うん、柊ちゃんと妹ちゃん、それと高良さんが来てるよ」
「お、柊来てんのか」

リビングへと入ると、机に山盛り置いてあるお菓子を囲んで、
柊かがみ、つかさと高良みゆきが楽しそうにお喋りしていた。

520:純愛~みさおの記憶~ 4
09/05/31 19:48:45 chL4NoDQ
「…お菓子の量ハンパなくね?」
「妹ちゃんと作ってると、気付いたらこんなに…」

うずたかく2メートルはあろうかと言うくらい積まれているお菓子を前に、
3人は将棋崩しをするように慎重にお菓子を取っていた。

「なんで一ヵ所に積み上げんだっ! 小皿に分けるかなんかしろって」
「最初はそうしてたんだけどね? 柊ちゃんが早く食べたいからって…」
「峰岸っ! 余計な事言わなくていい!」

お菓子の山の向こうから、かがみが声だけで抗議してくる。

「なんだよ柊~♪ 食いしん坊だなぁ~」
「はわわわ…、ごめんね日下部さん」
「つかささん、日下部さんはかがみさんの事を言ったのでは?」

食べる手を緩めない―、むしろ高速化していくみゆきにやんわりと突っ込まれ、
つかさはお菓子でパンッパンになった頬を赤らめる。

「そか、『柊』じゃわかんねぇか」

そこまで言って、何か掛け合いに物足りなさを感じた。

521:純愛~みさおの記憶~ 5
09/05/31 19:50:28 chL4NoDQ
「…あれ? チビッ子は? それに○○もいないな」

キョロキョロと辺りを見渡しながら、誰にともなく尋ねる。
お菓子の影に隠れてしまっているのかと思ったが、そうでもなかった。

「あの二人ならそろって遊びに行ってるわよ?」
「なんでも、イベントがあるそうで、
朝からお出かけされているそうです」

二人の言葉に、みさおは表面上気にした素振りを出していないが、
心のどこかがザワついていくのを感じた。

「…ふ~ん、そうなのか。こんなに美味いお菓子が食えないなんて、可哀相にな」

そう言いながらお菓子を一つ掴んで口に放り込む。
本来なら甘い口当たりが広がるはずが、
何故かみさおには『甘い』と感じられなかった。

522:純愛~みさおの記憶~ 6
09/05/31 19:51:45 chL4NoDQ
―その頃イベント会場では―

「はい、○○くん」
「? 何? この紙切れと…、お金」

会場入口で何やら話し合っているこなたと○○がいた。

「イベント戦略図と実弾(軍資金)だよ。夏コミなんかに比べたら小さいけど、
大手サークルも参加してるから。油断してると…、死ぬよ?」
「え? ここ戦場? 俺兵士?」
「似たようなものだね。―では、これよりブリーフィングを始める!」
「…はぁ」

―ズビシッ!

「痛いっ! なんでチョップすんだよ!」
「返事が違う! 『イエス・サー!』だっ!」
「…い、イエス・サー」

雰囲気に酔ったのか、ブリーフィングと名付けられた
壁サークルパシリルートの説明は30分近くかかった。

「以上だ! 何か質問は?」
「…ありません」
「良かろう。では作戦開始! 諸君の健闘を祈る!」
「諸君って、俺だけ―」

そう言おうとした時、後ろから地響きのような歓声が上がる。
驚いて振り向くと、イベント参加者であろう人達が
片手を突き上げて盛り上がっていた。

523:純愛~みさおの記憶~ 7
09/05/31 19:53:26 chL4NoDQ
「こういうイベント参加する人達って、結構ノリ良いからね~♪
○○くんも負けてらんないよ?」
「…はは…、ぜ、全力を尽くすよ」
「何かあったらすぐに連絡してね? 助けてあげるよ♪」
「ああ、こなたさんも何かあったら連絡してくれよ?
すぐに駆け付けるから」

○○がそう言うと、こなたは顔をサッと伏せる。
ほんのり染めた頬を隠して、そのまま会場へと走って行った。

「気合い入ってるなぁ。…よしっ! こなたさんを失望させないようにしないとな」

○○は気合いを入れると、人の渦巻く会場へと足を踏み入れて行った。




―数時間後―

そこには鬼の形相のこなたと、正座している○○が会場入口の休憩所にいた。
ただし、こなたはベンチの上に立ち、○○は床に正座している。

「○○二等兵…、もう一度事情を聞こうか…」
「え、え~と、壁サークルに歩いて向かってたら
何やら人の壁に押し込まれて、気が付いたら入口に戻されて…」

524:純愛~みさおの記憶~ 8
09/05/31 20:05:45 chL4NoDQ
「…で?」
「もう一回突撃しようとしたら、赤いサンバイザーみたいなものを被った暑苦しい人に
『お客様は神様だぁ~!!』って…、…なぜか…、殴り飛ばされて…」
「……で…?」
「……今まで、気絶してました…」

最後は消え入りそうな、か弱い声で呟く。
最初こそベンチで横たわる○○を見て心臓が張り裂けんほどビックリしたが、
寝ているだけだと分かった時は目と鼻と口をアロンアルファでとめてやろうかと思った。
だが、本気で申し訳なさそうにする○○に、
こなたはすっかり怒りが消え失せていた。

「…仕方ないなぁ…。あんなに入る前に言ったのに! 油断すると死ぬって!」
「…返す言葉もない…」
「…楽しみにしてたんだよ? 壁サークルの本…」
「……」
「絶望した! 一番のお楽しみがない戦果に絶望した!」

頭を抱えながら、こなたは地面に平伏す。

「ご、ごめんって…。…え~っと、…そうだ! これからどっか遊びに行こうよ! 俺が奢るからさ!」

525:純愛~みさおの記憶~ 9
09/05/31 20:07:05 chL4NoDQ
しどろもどろになりながら○○が提案すると、どんよりオーラをまとっていた
さっきまでとは打って変わって元気になる。

「ホント~♪ じゃあじゃあ~、ケーキバイキング奢ってもらおうかな!」
「ず、随分元気になったね…?」
「オタク心と秋の空ってね! ほらほらぁ! お詫びにしっかりリードしてよね♪」

そう言いながら、こなたは○○の手を掴んで走り出す。

「おわっ! って、そんなに急がなくても…」
「時間は待ってくれないのだよ~? 早く走りたまへ!」

半ば強引に○○の手を引きながら、二人は雑踏の中へと消えていった。




すっかり夜も更けた頃、シティホテルから○○とこなたが出てきた。

「いゃ~、流石にホテルのケーキバイキングは凄いね!」
「…あぁ、種類も値段も桁違いだったな…」

輝かんばかりの笑顔をしたこなたとは対照的に、
○○はすっかり軽くなった財布を眺めて涙ぐんでいた。

526:純愛~みさおの記憶~ 10
09/05/31 20:09:08 chL4NoDQ
「…遠慮しないんだもんな…」
「今日満たされるハズだった心に比べたら、全然足りないけどね!」
「…それを言ってくれるなよ」
「むっふふ~♪ これでしばらくケーキ三昧だねぇ(=ω=.)」
「…バイトしなきゃ…」

さらに肩を落としながら、○○がトボトボ歩いていると、
視界の中に手が差し出される。
それを根元までたどると、こなたが猫口のまま手を差しのべていた。

「? どうしたの?」
「しっかりリードしてもらうって言ったじゃん?
家に帰るまでちゃんと手を引いてもらおうかな~ってね♪」
「あぁ、そうか。分かったよ、じゃあ帰ろうか」

差し出されたこなたの手を引きながら、
○○は駅までの道のりを歩いて行く。

「シティホテルから出て来た若い男女…。ひよりんが見たら喜びそうだねぇ~♪」
「色気より食い気だらけの一日だったくせに、何言ってんだよ」
「むぅ、照れ隠しだったかも知れないじゃん…」
「ホテルでの会話は『あれ取って』『コーヒーお願い』の二個だったな」
「…ぐむ」

527:純愛~みさおの記憶~ 11
09/05/31 20:10:37 chL4NoDQ
そんな会話をしながら歩いていると、
前方から聞き覚えのある声がしてきた。

「一体どれだけお菓子作ってんだ!
食い尽くすのにこんな時間になってんぞ!」
「ご、ごめんね日下部さん」
「日下部っ! つかさを責めないでよ!」
「大変美味しかったですよ?」

あやのの家でようやくお菓子を食べ終えたみさお、かがみ、つかさ、みゆきだった。

「あれ? ○○くんじゃない。こなたも一緒?」
「やっほ~かがみ~ん♪ 皆は何してたの?」
「峰岸さんの家でお茶会してたよ~。こなちゃん達は?」
「あぁ、俺達は―」

説明しようとする○○を遮って、こなたが口を挟む。

「今までホテルに居たんだ~♪ いやぁ、すっごく『良かった』なぁ~♪」

やけに『良かった』を強調してこなたが言った。
思春期真っ盛りの女子高生だ。『ホテル』『良かった』から
連想したものに、あるものは顔を赤らめ、あるものは放心してしまっている。
みさおは、こなたの言葉を聞きながら辛うじて自分を保っていた。

528:純愛~みさおの記憶~ 12
09/05/31 20:12:30 chL4NoDQ
(…ホテル? また、ど~せチビッ子がデタラメ―)

そう思いながらふと見ると、しっかりと繋がれた手が目に入る。
視線に気付いたのか、○○は慌ててこなたとの手を離した。

「ほ、ホントにホテル行ってたんだ?」

かがみが恐る恐る聞くと、こなたは満面の笑みで答える。

「もっちろん! それはもう夢のような―」
「ち、違う! いや、違わないけど違う! 皆が考えてりような事は無かったって!」

慌てて○○が否定する。かがみ達は興味津々といった感じで話をしているが、
みさおには先程から何も聞こえなくなってしまった。

(そか…、あの二人そういう事だったんだな)
(…別にいいんじゃね? アタシには関係ねえし―)

そう心の中で否定しても、みさおの中には
得体の知れないザワつきが広がっていた。
それはあっと言う間に全身を包んだかと思うと、
胸の辺りを痛い程切なく締め付けていく。

529:純愛~みさおの記憶~ 13
09/05/31 20:14:36 chL4NoDQ
―上手く呼吸が出来ない―
―胸が焼けるように辛く、痛いくらいに切ない―

『これ以上ここに居たくない』

そう思ったみさおは、捲し立てる様に告げる。

「も、もう遅いからアタシ帰る―じゃ、じゃな」

誰にも喋らせる間を与えずに、みさおは足早に消えて行った。




身体が熱かった。
胸だけじゃない。目も、耳も、手も、顔も。
みさおの全てがどんどん熱を帯びていった。
その熱が限界に達した時、頬に一番熱い雫が流れ落ちた。

「―うぅ…」

その一粒を皮切りに、涙が止めどなく流れ落ちてくる。
足早に歩きながら、みさおは泣いていた。
頬を撫でる風が、涙の跡を冷ましていく。
だが、次から次へと流れてくる涙が、それを再び熱くしていった。

(…とまんねぇ。な、なんで、だよ…)

涙を拭いながら歩くみさおの脳裏に、桜藤祭での場面がフラッシュバックする。

530:純愛~みさおの記憶~ 14
09/05/31 20:16:23 chL4NoDQ
―四苦八苦しながら、突然の代役に一生懸命な○○―
―舞台で役になりきる○○の横顔―
―咲き誇る星桜の木の下で感じた○○の温もり―

(―あぁ…、そか…。アタシ、何で忘れてんだろ…)

涙の熱によって、心の底から沸き上がる暖かい気持ち。

(―そっか…、アタシこんなに…、こんなに○○が好きだったんだ…)
(だから、いつも、夢で、見てたのか…)
(…大切な想いを、絶対、忘れないように…)

急ぎ足で家に着くと、みさおは声を上げて泣き出した。
悔しくて、哀しくて、寂しくて。
何より、誰よりも大切な○○への想いを、
今まで忘れていた自分が許せなくて。

―もっと早く思い出していれば、○○と手を繋げたのは自分かも知れないのに―
―○○と一緒に遊べたのは自分かも知れないのに―
―○○と結ばれたのは、自分かも、知れないのに…―

そんな思いがみさおの心を引き裂いていく。

―もう時間は戻らない―

そんな絶望的な現実が、みさおを暗く、切なく包み込んでいった。

531:純愛~みさおの記憶~ 15
09/05/31 20:18:26 chL4NoDQ
―翌日―

「日下部がお休み?」
「うん…、みさちゃん調子悪いからって…」
「そう言えば、昨日も帰る時様子がおかしかったのよね」
「帰る時? 何かあったの?」
「あぁ帰りに○○くんとこなたにあったのよ。そしたら日下部が急に帰っちゃって…」
(…何かあったのかしら?)
「私達もビックリしたけどね。いきなりこなたが
『ホテルで良い思いした』なんて言い出すもんだから」
「ホテル?」
「そ、なんかホテルのケーキバイキング行ってたって」
(…二人でデートしたのが羨ましかったのかな…?)
「あ~、でも日下部は全部聞く前に帰ったから、
もしかしたら…、え~っと、…その…、ア、アダルトな方向?
そんな感じに勘違いしてるかも…」

ようやくあやのは理解した。と同時に『何とかしなければ必ず悪い方向に向かう』、そう思っていた。

―キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン―

朝のHRの予鈴が鳴り響く。

「柊ちゃん、先生に保健室行くって伝えてくれる?」

532:純愛~みさおの記憶~ 16
09/05/31 20:20:08 chL4NoDQ
「ん? 峰岸もどっか調子悪いの?」
「…ちょっとね」

そう言い残すと、あやのは隣りのクラスへと足早に向かった。




予鈴が鳴り自分の机についていた○○の前に、あやのが静かにやってきた。
だが、その顔にいつもの穏やかな笑みは無く、
威圧感を感じる程真剣な顔をしていた。

「峰岸さん? どうしたの?」
「○○くん、ちょっといいかな? お話があるの」

いつもの声質と違い、言葉の端々にも感じられる圧力に、教室中が静まり返る。

「…うん、いいよ。みゆきさんごめん、先生には早退って言っといて」

○○はみゆきからの返事を待たず、教室から出て行くあやのの後を追った。




気持ちいい青空と、朝の澄んだ空気が流れる屋上に、あやのと○○がいた。

「○○くん、みさちゃんお休みなんだって」
「日下部さんが? 昨日は元気そうに―」

そう言いながら、○○は引っ掛かりを感じる。

533:純愛~みさおの記憶~ 17
09/05/31 20:22:16 chL4NoDQ
(…元気? 違う、元気とかじゃなくて―)
「…『日下部さん』なの…?」

瞬間的に入った思考状態を、あやのからの言葉で中断する。

「…それって、どういう―」
「―『みさお』―じゃ、ないの?」

一言ずつ、○○に届くようにハッキリと言葉にするあやの。

―『みさお』―

そう聞いた時、○○の頭に断片的な映像がフラッシュバックする。

―フォロー……あんがと。そんだけ、んじゃ―
そう言いながら、バツが悪そうにしている顔。

―んじゃ、いくぞ。セリフ忘れたとか言うなよ?―
体育館で二人だけの世界に集中している顔。

そして…

―好きだから! おまえの事好きだから!―
顔を赤くして、想いを残す事無く、懸命に伝えようとしている顔―

フラッシュバックが止んだ時、一体どこにあったか分からない程、みさおへの想いが溢れ出してくる。

(…そうだ、そうだよ。―俺は―!)
「…思い出してくれた?」

あやのの言葉に、○○は顔を上げて頷く。

534:純愛~みさおの記憶~ 18
09/05/31 21:04:52 chL4NoDQ
「…峰岸さんは覚えてたの?」
「うん、全部。二人しか知らない告白のシーンまでしっかりと♪」
「…なんで知ってんの?」
「恐らくみさちゃんも、つい昨日まで覚えて無かったと思うの。
でも、その想いまでは消せなかったハズだから、きっといろんな形で
みさちゃんに気付かせようとしてたんじゃないかな?」
「あれ? 聞いてる?」
「だから、想いを取り戻した今、みさちゃんは
昨日の出来事を勘違いしたまま、きっと自分を苦しめてるの」
「もしもし?」
「本来なら私が干渉するような事じゃないんだけど…」
「ねぇ、会話してくれよ…」
「―○○くん」
「はい」

穏やかな感じでもなく、威圧感とも違う、祈りに近い雰囲気に○○は圧倒される。

「―みさちゃんを、助けてあげて…」

みさおを思う気持ちは恐らく誰より強いのだろう。
異性に向ける気持ちとはまた別に、あやのもみさおが大切なのだ。
あやのからのひたむきな友愛を受けて、○○は力強く頷いた。

「―あぁ、任せて」

そう告げると、○○はみさおの家へと駆け出して行った。

535:純愛~みさおの記憶~ 19
09/05/31 21:06:34 chL4NoDQ
みさおは、カーテンを閉め切った部屋で、ベッドの上に膝を抱えて座っていた。
その目には大きな隈が出来ている。
目を閉じると、昨日の出来事が鮮明に浮かぶ。

―繋いだ手、幸せそうなこなたの顔―

それらが目を閉じる度に頭の中で再生され、結局一睡も出来なかったのだ。

無視して寝ようと試みたが、想いを取り戻したみさおには
直視するに耐えられない光景だった。

(何で今頃…、バッカじゃね…)

自虐的に自分を責める。
夢に○○を見る度に疑問にこそ思ったが、深く考える事は無かった。
○○と会う度に落ち着かなかったが、それを『好き』だと認識しなかった。

(…全部…、遅すぎたんだな…。はは…、ホント、馬鹿みてー)

枯れ果てたと思える程流した涙がまた溢れ出す。
何度目か分からない後悔をしていると、来客を知らせるチャイムが鳴り響く。

(…郵便か?)

そうこうしていると、再びチャイムが鳴った。
荷物であるなら出ない訳にもいかず、みさおはパジャマのまま玄関を開けた。

536:純愛~みさおの記憶~ 20
09/05/31 21:08:15 chL4NoDQ
走りながら、○○は考えていた。

(どうすれば…、どんな言葉を掛ければみさおに届くだろう…)

みさおが苦しんでいる理由の見当はついていた。
だが、それをどんなに細かく、分かりやすく説明しても
こなたと遊んでいた事実は変わらず、
自分の行動を正当化して弁明しているようで嫌だった。

(―違う。伝えるべき事はそんな事じゃない!)

息を切らせながら、○○はたった一つの事を伝えようと決意する。
しばらく走っていると、何度か見た事のある家へと辿り着いた。
膝に手をついて呼吸を整えると、○○はインターホンを押した。




みさおはドアを開けたまま固まっていた。

(あれ? 今日平日だよな?)
(時間的に1限が始まってるし)
(―あ、アタシパジャマ着たままじゃん…)

目の前にいる○○を眺めながら、あらゆる思考がみさおの頭を駆け巡る。

537:純愛~みさおの記憶~ 21
09/05/31 21:09:48 chL4NoDQ
「…みさお…」

○○から呼ばれて、みさおは思考を中断すると、
じわじわと現実感が襲ってくる。

「お、おまえ!? 何でこんなとこいんだ!?」

昨日から止まらなかった溢れんばかりの想い。
その対象者が目の前にいる事と、パジャマ姿が相俟って、みさおは顔を真っ赤にする。

「聞いてくれ、みさお…。俺、みさおが好きだ」
「―ッ!」
「桜藤祭の時、星桜の木の下で言った事は全部本気なんだ」
「……」
「友達とかじゃない。こなたさんにも、かがみさんにも、
…こんな気持ちにはならない。…俺は、みさおが、大好きなんだ」
「………」
「……言いたい事はそれだけ。…本音を言えば、もっと話したい事は沢山あるけど、今はこれだけ。
どんな気持ちよりも、一番大切で、一番大きな俺の想いを知って欲しくて…」

そう言うと、○○は困ったような笑顔を浮かべる。

「今日は…、帰るよ。明日、学校で会おうな」

そう告げて帰ろうとする○○を、みさおは背中の服をキュッと摘んで引き止める。

538:純愛~みさおの記憶~ 22
09/05/31 21:11:30 chL4NoDQ
「…待てよ…。自分ばっかり言いたい事言いやがって…」

うつむいていて表情は分からないが、言葉の端々に怒りを感じる。
○○はゆっくり振り向きながら、みさおの手を軽く握る。

「…怖いんだ。今までみさおへの気持ちを忘れてたんだよ、俺…。
そんな俺の事、みさおが好きで居てくれるのか…。それを知るのが、怖いんだ…」

みさおは、○○の言葉を下を向いたまま聞いていた。

「…だから、今日は帰―」
「アタシ言ったよな? 殴る時は殴るって」

みさおが遮るように言い放つ。その表情は未だ窺い知れない。

「…目ぇ閉じて歯ぁ食いしばれ…」

怒りのせいか、声を震わせながらみさおが呟く。
○○は、みさおに許して欲しい一心で、目を閉じて顔を強張らせる。




―ちゅっ―




少しして感じられたのは、ふわりとした女の子の優しい薫りと、唇に触れた柔らかい感触だった。
○○が驚いて目を開けると、目に涙を浮かべながら睨むみさおの顔があった。

539:純愛~みさおの記憶~ 23
09/05/31 21:14:48 chL4NoDQ
「…みさお…?」
「…どうしていいか分かんねぇんだ…」
「……?」
「お前に名前を呼ばれるのが嬉しくて…。好きだって言われんのが嬉しくて…」
「……」
「忘れられてたのが哀しくて…、でもアタシも忘れてて…、
それに、思い出してくれたのがまた嬉しくて…」
「…うん…」
「全部ごっちゃになってわかんねぇんだ。
…でも、たった一つだけ分かってる事があったから…」

言葉を続けながら、みさおは涙を流していた。
拭うのも忘れ、真直ぐ○○を見つめながら告げる。

「…その気持ちを、行動にしたんだ。…お前が好きだって、気持ちを…」

みさおは、握られていた手をギュッと握り返す。
次々と溢れる気持ちが少しでも伝わるように
愛しさを込めて、強く、強く。
その手を○○もまた強く握り返し、みさおの身体を抱き寄せる。

「ごめん…、ごめんな、みさお…。忘れてて…、ごめんな…」
「…もう、良いってヴァ…。それ以上謝ると怒るぞ」

○○の胸の中からみさおが脅す。
しかし、到底迫力は無く、ただその可愛らしさに○○はより強く抱き締める。

540:純愛~みさおの記憶~ 24
09/05/31 21:17:14 chL4NoDQ
「…もう、離さないから…。ずっと、俺の横に居てくれるか?」
「…聞くまでもないだろ。―ま…、今度こそ長い付き合いに出来りゃ良いな」
「…あぁ、ずっとずっと一緒だ」

○○の鼓動に抱かれながら、みさおは悔しそうに呟く。

「ちぇっ、何かアタシばっかり喜んでんな」
「ん? …じゃあさ、もう一回キスしてくれる?
さっきのは一瞬な上に、目を閉じてたからよく分かんなかったんだよ」
「…ったく、しょうがねぇなぁ…」

○○からの申し出に頬を染めながら頷くと、みさおは○○との距離をゼロにする。

「…ん…、んぅ…」

少し長く繋げた唇を、名残惜しそうに離す。

「…こ、これでいい―うむぅ!?」

唇を離して一息つく間もなく、○○が再び唇を重ねた。

「…んぅ~…! くちゅ…、ちゅ…」

かなり濃厚なやつをされて、みさおは○○を睨む。

「―ぷはっ! な、なにすんだっ!
あ、あああんな濃いのすんなよっ!」
「ご、ごめん…。ほら、桜藤祭の時は出来なかったろ?」
「…でもよぉ…」
「気持ち良くなかった? …イヤだった?」
「…………良かったけど……」

541:純愛~みさおの記憶~ 25
09/05/31 21:19:39 chL4NoDQ
みさおはポツリと呟くと、ずっと引っ掛かってた事を問い質した。

「そう言えばさ、『良かった』で思い出したけど、この前チビッ子と、ホテルに居たんだよな…?」
「うん、帰りに会った時だよね?」
「…あれさぁ、チビッ子と何してたんだ?」
「あれ? あの時はこなたさんと一緒にケーキバイキングに」
「ケーキバイキングぅ? 何、お前そんなん好きなのか?」
「あぁ、違う違う。こなたさんの付き添いで行っただけだよ」

みさおは喜びと脱力感に満たされていくのを感じた。

「ごめん…。もう行かないからさ」
「…いいよ、ケーキバイキングくらい…」
「違うよ、もう他の子と遊びなんか行かないって事だって」
「当たり前だっ! 今度は本気で殴んぞ!? …本気で、泣くぞ…」

怒りと、願いの込められた言葉に、○○はみさおの頭を撫でながら誓う。

「うん…、二度と泣かせたりしない。―みさおは、笑った顔が一番可愛いんだからな」
「―ッ! …バカヤロ…」

542:純愛~みさおの記憶~ 26
09/05/31 21:20:59 chL4NoDQ
想いは、記憶の元に構築される。
だが、一度出来上がった想いは、記憶ではなく心に依存する。
これから先、何を忘れようとも、二人の想いが消える事は無い。
みさおがみさおである限り。
○○が○○である限り。

「なぁ…? ○○…」

みさおはゆっくりと腕を○○の背中に回し、自分の心と想いが不変である事を伝えるよう、目一杯の笑顔を向けて告げた。




「大好きだぜ!」


FIN

543:ゆう
09/05/31 21:23:43 chL4NoDQ
以上で本編の投下を終わります。

では、ついでではありませんが、引き続きオマケの投下を行ないます。

544:名無しくん、、、好きです。。。
09/05/31 21:39:36 OVrAOseg
さらにオマケとな・・・?
GJすぎるぜ!

545:名無しくん、、、好きです。。。
09/05/31 22:01:04 KRK5TJoV
あえて突っ込みたい
こなたよ、楽しみにしてた壁サークルは自分で回れ

546:純愛~みさおの記憶(オマケ)~ 1
09/05/31 22:06:11 chL4NoDQ
―晴天の広がる空の下―

屋上から走って行く○○を、峰岸あやのはジッと見送っていた。

「…そっか、○○くん思い出しちゃったんだね」

声がする方を見ると、泉こなたが屋上の入口から姿を表す。

「泉さん…?」

様子を見ていたのであろうこなたは、仕方ないと納得しながらも、哀しそうな表情をしていた。

「やっぱ○○くん攻略は難易度高かったか…。
まぁ、彼の心はみさきちで埋まってるもんね。入る隙間なんか無かったよ」
「泉さんも…、○○くんを…?」
「信じられない? フラれた~! って泣き叫んだ方が良かった?」
「そ、そんな事…」

少し棘のある言い方に、あやのは少し面食らう。

「…ごめん…、八つ当たりだよね、これじゃ…」

哀しげな笑顔を作りながら、こなたが続ける。

「…最後のチャンスかなって…、そう思ってアタックしてたんだけど…」
「……」
「ダメだね。どんなに忘れてても、一番大切な想いはしっかり根付いてたよ」

そう呟くこなたを眺めていると、あやのはこなたの頬を流れる雫に気付いた。

547:純愛~みさおの記憶(オマケ)~ 2
09/05/31 22:08:04 chL4NoDQ
「…本気…、だったんだけど、な…」
「泉さん…」

親友を思うあまり、あやのは周りの事を把握しきれていなかった。
こなたがなぜ○○と二人だけでいたのか。
それを考えれば、こなたの涙は予測出来ていたはずだった。

「…ごめんなさい…。泉さん…、ごめんなさい…」
「……謝る事なんか無いよ。私も二人が忘れてる事に付け込んだんだから」
「…そんな言い方しちゃダメだよ。泉さんの心が可哀相…」

そう言うと、あやのの目から一筋の涙が流れた。
こなたに対する罪悪感があやのの心を締め付ける。

「…峰岸さん…」
「ごめんね…、泉さんごめん…」

顔を覆って泣き出すあやのを、こなたは慌ててなだめる。

「い、いいってば。誰か一人しか選べない事なんだから」
「…うん、ホントに、ごめんね…?」

涙を拭いながらお互い謝る光景に、二人は少しだけ可笑くなる。

「…そうだ、お詫びに今度お菓子作ってくるね? 泉さんにあげる」
「ホント? やたーーっ!」

548:純愛~みさおの記憶(オマケ)~ 3
09/05/31 22:09:39 chL4NoDQ
ニパッと笑顔を見せて喜ぶこなたを見て、
あやのは『みさちゃんが二人いる…』と思い微笑ましくなる。
お菓子で喜ぶところや、好きになる相手も同じになるこなたを
みさおとダブらせながら、二人はどんなお菓子が食べたいかなど話しながら屋上を後にした。

数日後、あやのとかがみがお昼の用意をしていると、
こなたがお弁当片手に、教室へとやってきた。

「あやのさ~ん! お菓子もらいに来たよ~♪ 一緒にお昼も食べようよ~♪」
「あ、泉さん」
「むぅ~! そんな他人行儀なのはダメダメ!」
「あ、う…、うん。ごめんね? ―こなたちゃん」
「ん♪ よろしい! で、お菓子はどこ~?」

キャイキャイと楽しそうにお菓子をつまむ二人を見て、かがみは目を丸くする。

「…アンタ達、いつの間にそんな仲良くなったの?」

そう尋ねるかがみに、こなたは人差し指を
左右に振りながら「チッチッチ」と舌をうつ。

「乙女の事情を詮索するもんじゃないよ~? かがみぃ~ん♪」
「そうだよ、柊ちゃん。泉…、じゃなくて、
こなたちゃんとっても良い子なんだから」

549:純愛~みさおの記憶(オマケ)~ 4
09/05/31 22:11:13 chL4NoDQ
そんな事を話していると、少し落ち込んだみさおが教室に入ってきた。

「あれ? 日下部じゃない。どうしたの?
○○くんとご飯食べるんじゃなかったの?」
「…○○課題で忙しいからお昼食べる暇ないって…」

それを聞いたこなたは、ニヤリと猫口になってつっこむ。

「なるほど、それで帰ってきたんだ。
みさきちじゃあ一緒に居ても力になれないもんね~♪」
「うるせっ! ってかなんでチビッ子がここにいんだよ!」

からかわれてジロッとこなたを睨むと、あやのが真剣な声でみさおを諌める。

「そんな目で見ちゃダメよ? こなたちゃんも私の大切な友達なんだから」

かがみからではなく、あやのから言われて、目を裂けんばかりに見開く。

「こなたちゃんも、みさちゃんをあまりからかわないであげて?」
「分かってるよ~。ちょーっとした冗談ってやつ?」

目の前で広がる現状に、みさおは半ば呆然としていた。
すると、廊下を走る音が近付いてきて、○○が勢いよく教室に入ってきた。

「みさおっ! ごめん、待たせた。さぁ、一緒にお昼食べよう?」

550:純愛~みさおの記憶(オマケ)~ 5
09/05/31 22:14:57 chL4NoDQ
○○がそう言うと、みさおは一目散に○○の胸に飛び込む。

「~っ! 遅えよ~! 寂しかったじゃんかぁ!」
「ご、ごめん。次の課題を忘れててさ…」

人目につくこともはばからず、○○とみさおは抱き合っている。

「…ねぇ、二人とも? …ここ一応学び舎なんだけど…?」

やんわりと、所々に棘を仕込みながら、かがみがつっこむ。

「んぁ? いーのいーの。アタシは気にしねえから。な? ○○」
「ん? 俺はみさおがいいなら別に気にしないよ」
(…言ってろ、バカップルが…)

なんら気にする様子のない二人に、かがみが心でつっこむ。

551:純愛~みさおの記憶(オマケ)~ 6
09/05/31 22:16:55 chL4NoDQ
ふとこなたを見ると、凄まじい程感情を込めた目で二人を見ていた。

「みさきちめ~…! いつかその場所奪っちゃるからな!」
「絶っ対渡さねえぞ! ここはアタシんだっ!」
「ふっふっふ…、上等じゃないの。ギャルゲで鍛えたフラグ管理と、
エロゲで鍛えたテクニックで○○くん骨抜きにしちゃる!」
「させるかっ! ○○の腕の中も、○○自身も何一つやんねえからな!」

縄張り争いをする野良猫がニャーニャー吠えるかのように、
こなたとみさおが吠えまくっている。

(…困っちゃったな…、どっちも応援しずらいもの…)

その様子を眺めながら、やがてくる二人からの愚痴トークのために
お菓子を沢山用意しなければと、あやのは一人考えていた。

後日、こなたから怒濤のアプローチとスキンシップを浴びて、
それに嫉妬したみさおに、スキンシップという名のデンプシーロールを浴びて
不憫に思ったあやのに介抱してもらったのは、また別のお話。


FIN

552:名無しくん、、、好きです。。。
09/05/31 22:20:38 OVrAOseg
乙!これでまた一週間乗り切れる…!

553:ゆう
09/05/31 22:27:41 chL4NoDQ
以上でオマケの投下を終了します。

まずは、お詫び申し上げます…。
約半年もの間、SSの投下が出来ず、すみませんでした。
これだけの間が相手しまったら、何を言っても言い訳にしかなりません。
ただただ、申し訳なく思っています。

…もし良ければ、これからもここでSSを投下させて下さい。
よろしくお願いいたします。



>>544さん
ありがとうございます。
久々過ぎて、ちょっと緊張しましたが、
そう言ってもらえると嬉しいです(^-^)


>>545さん
確かに、一番の楽しみと言うなら、自分で行くのが自然ですね。
行動を自然に見せるのがまだまだ未熟ですね…。
もっともっと勉強します。
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m

554:ゆう
09/05/31 22:31:36 chL4NoDQ
「相手」ではなく「空いて」でした…、切腹。


>>552さん
そう言って頂ければ嬉しいです(^-^)
なんとか時間を作って、また来週の日曜に上げられるよう頑張ります!

555:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/01 13:37:06 erpePxgP
きた!ゆうさんの新作きた!これで勝つる!!
今回は主人公も忘れてる設定ですか……記憶に関する設定パターンが豊富で読んでて楽しいです
らきメモみさおルート初見時の衝撃が甦るようでした、みさお可愛いよみさお
次は誰で来るのかwktkしつつ続きいつまででも待ってます!

……ところで、あやの→こなたの呼称は「泉さん」ではなく「泉ちゃん」がデフォでは?

556:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/01 17:21:05 KH9IQiRJ
乙でした! またあなたの作品が見れるとは・・・!
あやののこなたへの呼び名が名字から名前に変わっていくのが
個人的に好きです。 どれだけ時間がたっても、次の作品を
楽しみにしております!

557:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/01 19:40:31 Bnc+aL1W
GJ!ゆうさんお帰りなさいです!それと書こうとする志しは認めますが、無理はいけませんよ?きちんと体調管理しながら書いて下さいね?次回作も楽しみにしています。乙でした!

558:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/02 03:42:16 Ixof+p5O
ゆうさんの新作ktkr!!
まとめで一気に読んで、話の進め方に引き込まれました!
次回も楽しみにしております!

これでまとめの方も帰ってきてくれないかな~…
自分だとやり方、見ても良く分からないので…

559:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/07 12:16:57 JSU4FQtT
ネタがないからけいおん!あたりのキャラと
絡ませてみるか?

560:2438
09/06/07 23:20:46 gEmc5aZW
みなさん、お久しぶりです。
すっかり忘れ去られているとは思いますが、『ひかげの花』の作者です。

前回の投稿からだいぶ間があいてしまい申し訳ないのですが、一応続きが書けたので投下したいと思います。

561:ひかげの花
09/06/07 23:22:31 gEmc5aZW
学校の近くのバーガーショップで軽く食事をした後、俺はひかげちゃんを家に送り届けるべく、二人でひかげちゃんの家に向かっていた。

「それで劇の方はうまくいきそうなの?」
「まあなんとかね。あのリハーサルの後は練習も順調だったし」
「そっか。楽しみにしてるからね」

そう言ってひかげちゃんは俯く。
言葉とは裏腹に、その顔はちっとも楽しみにしている顔ではなかった。

「どうしたの?」
「ううん。なんでもない。ただね、うらやましいなって…」

予想もしない言葉がひかげちゃんの口から出てきたことに俺は驚いた。

「○○ってすごいなって思うよ。なんか輝いてるっていうか」
「そんなことないよ」
「そんなことあるよ。劇の主役とか、そういう光のあたる所にいれるのって誰でもできることじゃないもん」
「そんなことないって。たまたま代役でそうなっただけで」
「でもたまたまでもみんなから注目されるような重要な役割につけるってすごいことだよ。私には無理だもん」
「そ…」

反論しようとしたらひかげちゃんの手にさえぎられる。

「○○君とお姉ちゃんってなんか似てるの。いっつもきらきらしててまぶしいもん。二人とも前向きで、みんなからも好かれてて…。名前だってね。お姉ちゃんがひなたで、わたしはひかげでしょ?昔っから自分の名前嫌いなんだ」

「そうかな?」

「ほら見てよ」



562:ひかげの花
09/06/07 23:23:21 gEmc5aZW

俺が指をさした先はちょうど路肩にある木の根元で、一日のどの時間でも到底日が当らなそうな場所だった。
そして、そこには二輪の花がひっそりと、だけど力強く咲いていた。

「確かに、ひなたってさ、光が当たってて眩しく見えるよね。でも、日が差すと必ずそこには日蔭ができるんだよ。逆にいえばさ、日蔭があるからこそひなたがあるって考えることもできるんじゃないかな」

それは劇の練習をしていくうちに俺の中で芽生えた気持だった。
舞台で使う小道具をつくってくれるつかささん、自分は出れなくても一生懸命俺に演技指導をしてくれるかがみさん、全体を仕切ってまとめてくれるみゆきさん。
裏でたくさんの人が頑張っているからこそ俺は輝かしい舞台の上に立てる。

そして、舞台の上だろうと、裏方であろうと、その仕事の素晴らしさには全く差がないんだ。

だから…

「たとえ目立たなくても、ひかげちゃんにはひかげちゃんのいいところがあるし、そこを好きになってくれる人もいるよ、絶対」

ひかげちゃんは俺の言葉に対してなんのリアクションも返してこなかった。
やばい、くさすぎたかな・・・
そんな心配はひかげちゃんのある行動で、吹き飛んでしまった。

「寒い…」

そうひかげちゃんが呟くと同時に、右手に温かい感触を感じる。
確かにここのところ夕方になると冷えるようになってきた。
時折吹く風に、身を縮める。
ひかげちゃんの手はあったかかった。

二輪の花が寄り添うように風に揺られていた。



563:ひかげの花
09/06/07 23:24:44 gEmc5aZW
_____


いよいよ桜藤祭の当日になった。
もうすでに開演の準備は終わって、あとはその時を待つのみとなった。
舞台裏で俺はかつてないほどに緊張していた。

「おはよー、○○君」
「あ、おはよう、こなたさん」
「なんかぎこちなくない、ひょっとして緊張してる?」

俺からすればむしろこなたさんが全く緊張していない風に見えるのが不思議でしょうがない

「まぁ、緊張したってどうなるわけでもないしね」

そう言えばこなたさん、前の公開リハの時もこんな感じだったな。
改めてこなたさんの楽観的な性格に驚かされた。

「あ、そう言えば宮河姉妹をさっき見かけたよ」
「え、ホント?ひかげちゃんやっぱり来てくれたんだ」

こなたさんがニヤッと笑う。



564:ひかげの花
09/06/07 23:25:45 gEmc5aZW
「私は、姉妹両方が来たって言ったのに、○○君が気になるのは妹の方だけなんだ」
「いや、べつにそう言うわけじゃ」
「いいよいいよ、○○君がロリコンだってことは周知の事実だから」
「う…」
「私にもチャンスあると思ったんだけどなぁ」
「え…?」
「ううん、なんでもないよ」

『ただいまより、3年生の合同舞台を開演いたします』

「いよいよ始まるね、じゃあ集中していこう」
「わかってるよ」

舞台の幕がゆっくりと上がる。
俺は目を閉じてひとつ、深呼吸をした。



565:ひかげの花
09/06/07 23:26:33 gEmc5aZW
_____



「お~い、○○ー、起きろー」

顔をあげるとそこにはひかげちゃんがいた。
えっと、ここはどこだ。
周りを見渡して、ここが校舎裏の星桜の木の木陰であるということに気づく。
そうだ、劇が終わった後、疲れが一気に出て、眠くなって、それで…

「ちゃんと起きてる?なんか寝ぼけてない」
「大丈夫だよ…劇はどうだった?」
「なかなかやるじゃん」
「ほんとに?夢中だったから自分じゃうまくできてたかわかんなかったけど…」
「よかったよ、すごく…かっこよかった」
「え?ちょっと良く聞こえなかったからもう一回言って」
「な、なんでもないよ!で…まあお疲れ様ってことでちょっと渡したいものがあって」
「本当に?ありがとう」
「じゃあ目ぇつぶって」

なんだろう…
少し期待しながら俺は言われたとおり目を閉じる。

「届かない…」
「え?」


566:ひかげの花
09/06/07 23:27:40 gEmc5aZW
「い、いや…なんでもないよ!」
「ところでもう目開けていい?」
「え?あ~…う、うん、いいよ」

目を開けるとひかげちゃんの手には花が握られていた。

「それって…金木犀?」
「うん、うちお金ないから…こんなのしか用意できなくて…ごめんね」
「ううん、すごくうれしいよ、ありがとう」
「ほんと!?」

はじけたような笑顔のひかげちゃんを見てなんだかこっちも嬉しくなってしまった。

ひかげちゃんと話した後、なんだか少し一人になりたい気分だったので、俺は自分の教室へと向かっていた。
B組の教室は劇のための道具や衣装などが置いてある控室のような状態になっているので今なら誰もいないはずだ。
そう思ってドアを開けると、みゆきさんが一人残って、委員会の仕事だろうか、何かの作業をしていた。

「あ、○○さん。お疲れ様でした」
「みゆきさんもお疲れ様」
「いろいろありましたけれど無事成功して本当によかったですね」
「そうだね。俺もみゆきさんには迷惑かけちゃったし」

当然、リハーサルの時のあの事件のことである。

「そうですね。どう責任をとってもらいましょうか?と言いたいですが、○○さんの演技がとてもよかったのでそれで許してあげます」
「本当に?」


567:ひかげの花
09/06/07 23:28:36 gEmc5aZW
全身の力が緩む。
これで俺の桜藤祭における最後の懸念は去った。

「いい香りですね」

俺の手に持っている金木犀の香りのことだろう。

「その花はどうされたんですか?」
「ひかげちゃんがお疲れ様ってことでくれたんだ」
「そうなんですか、ひかげちゃんから…」

そう言ってみゆきさんはなんだか嬉しそうに微笑んだ。

「その花の花言葉を知っていますか?」

花言葉…たしか花それぞれについている合言葉みたいなものだよな?
花言葉というものがあることは知っているが、かといって金木犀の花言葉が即座に出てくるほど知識があるわけではない。

「知らないなー、みゆきさん知ってるの?」

みゆきさんはその言葉には答えず、教室のドアの方へ向って行った。
そして教室を出る直前、笑顔で振り返って言った。


568:ひかげの花
09/06/07 23:29:59 gEmc5aZW
「その花の花言葉は、初恋です」

みゆきさんの言葉の意味が一瞬分からなかった。
きょとんとしている俺を置いてみゆきさんはすでに教室を出て行ってしまった。
誰もいない教室で、俺は手に持った金木犀を見つめた。

金木犀の匂いを思いっきり吸い込む。
頭の中に浮かんだのは、ひかげちゃんのあどけない笑顔だった。



569:2438
09/06/08 00:06:37 fqx3Gntl
以上です。
これで『ひかげの花』は一応完結です。

主人公をロリコンにしたいという願望と、高校生と小学生の絡みをどうしていいかわかんないという技術のなさから、こんな中途半端な結末になってしまいました。
最後のひかげが花を渡すシーンを書きたくて、作り始めましたが、こんなに長引くとは…orz
本当に投下が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。

次回作は未定
エピローグ的なものの考えもあったりなかったり
何かお題を出してくれれば考えるかもしれませんw

感想、批評などあればお願いします。



570:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/08 00:35:53 sYOrUcnS
GJ! 金木犀とは良いもの持ってきますね~ 楽しく読ませていただきました、次回を楽しみに待っています 乙でした!

571:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/12 02:22:22 /X1Hr8J/
きたいあげ

572:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/12 02:26:01 zoKUpC2j
>>570
お前のアナルを一日中見つめていたいよ

573:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/12 16:55:57 /X1Hr8J/
丁重にお断り致します。

574:龍二
09/06/16 21:17:53 LoC3m7tx
ホスト永久規制の巻き添えにより
二ヶ月あまり何も書けなかった龍二です。

携帯を購入しましたので、やっとこさSSを
投下できる環境を手に入れました。

ですので、まずは二ヶ月前に返信できなかったコメントを
この場を借りて返信させていただきます。

>>458-459
待っていたなど…、僕には過ぎたお言葉です。
乙コメ、ありがとうございます!

>>462
ありがとうございます!
それにしても命綱ですか…。先ほどに続き、僕には過ぎたお言葉です。

>>GRENさん
自分はGRENさんのような、前からいる神がもう一度光臨するまでの
つなぎですので、書き続けはしますが、やはり神には近づけません…。

このスレをROMってる頃からあなたの作品は大好きです!
これからもおねがいします!

>>465
まだまだこのスレにはお世話になるつもりです。
これからもよろしくお願いします。

575:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/16 23:19:13 5pV9aHFL
お帰りなさいです!

576:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/18 14:32:29 +wAPABAi
待っていましたぞ・・・
小説は楽しみにしてるけど無理しないようにな

577:霧波
09/06/18 21:53:58 EJTnqTuP
お久しぶりです。
今書いているMEMORIES第二部が結構長くなってしまってるので前半後半と分けて投下したいと思います。

ってなわけでMEMORIES~この白い雪と~前半部分投下します。

578:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 21:56:47 EJTnqTuP
最近、よく同じ夢を見る。
学校にある、何年も咲いてないと言われている星桜。それが満開に咲き、花びらが舞い散るのを俺は隣にいる人と見ている。隣にいる人は姿は見えず、声も聞こえないが確かにそこにいるって分かる。そして、その人が夢の中の俺にとって大切な人だと言うことも……。



579:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 21:59:12 EJTnqTuP
「……また、あの夢か」

あの夢を見た後は、ひどく体がだるく感じる。しかも近頃見る頻度が増えているので、最近の悩みの種になっている。

「ったく…、見るんならせめて隣にいる人位写せっての」

自分自身に愚痴を吐きつつ、のそのそと着替えを始める。そして、最後にポケットにビンを入れ着替えを終える。

「桜、か…。もしかして、あの夢ってこれのせいか?」

ポケットの中のビンを手に取り見てみる。中には、あれから全く姿を変えない桜の花びらが入っていた。

「普通、何かしら変化あるはずだよなぁ?」

そう一人呟き、ビンをポケットに入れる。気になるんなら捨てりゃいいんだろうけど、俺は未だにそれを持ち歩いていた。

「って、考え事してる場合じゃないな」

俺は家を飛び出た。季節は冬。転校後すぐにあった桜藤祭から、既に数ヶ月がたっていた。



580:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 22:02:18 EJTnqTuP
ビュゥーーッ

「うぉっ!あーもぅ、さみぃ…」

流石にこの時期になると、風が冷たくて登校も3割増しで億劫になる。これで隣に可愛い彼女でもいりゃ話は別なんだけど、

「おーっす、真堂」
「ん。おはよーさん」

現実はこんなもんだ。女っ気など全くなし、華に欠ける学校生活を送っている。

「おはよー」

教室に入り、席に座る。朝ぼーっと考え事していたせいか予鈴ギリギリだった。これもあの夢のせいだよ。そんな事を考えてると、

「みんなおはよーさん。ほな、出席とるでぇ」

担任の黒井先生がやってきた。

「荒井~…、井川~…、泉~…、泉は遅刻か、ホンマしょうがないやっちゃな」

その時、教室の扉が勢いよく開き、

「先生タ~イム!遅刻じゃないよっ!」

泉さんが教室に入ってきた。
泉こなた。ちっちゃい、アホ毛、ロングヘアー、オタクと特徴の塊みたいな女の子。席も斜め前と近く、他の女の子よりか少しは話す程度の間柄だ。
どうやら先生の説得に失敗したらしく、トボトボとこちらに歩いてくる。



581:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 22:05:11 EJTnqTuP
「おはよ、泉さん。災難だったね」
「おはよ、真堂くん…。もぅ朝から最悪だよ~」

そう言って席につく泉さん。これももう見慣れた風景だよなぁ。

「ほな、今日も1日しまってこーな」

野球のような声を掛けて黒井先生は教室からさっていった。
そして数時間後

「んぅ…ねみぃ」

俺は眠気に負けそうになっていた。あの夢を見た日は眠りが浅いのか、いつもこんな感じなんだよな。しかも最近は見る頻度が増えたせいか眠気も倍増しだ。
前には、説明をしている黒井先生が見える。授業は…後10分か。俺は見つからないと信じて、目を閉じて寝ることにした。

……気がつくと、俺は満開の星桜の前に立っていた。学校では初めて見るこの見慣れた夢だが、ひとつだけいつもと違うところがあった。

「…あったかい」

それが誰かに抱きしめられているのだと気付いたのは、数秒たった後だった。相変わらず姿は見えない。だけど何故か、この人は幸せそうな表情をしていると分かった。しばらくすると、

「…やくそく…」
「これ……声だっ!」



582:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 22:11:24 EJTnqTuP
初めて聞こえた声に驚きつつも、俺は耳を澄ませてみた。

「…ゆき…………さくら……」
「くそっ、途切れ途切れで分かんないな」

この人がとても大事な事を言っている。どうしてかそれは分かるのに、途切れ途切れな上に消えそうなほど小さな声のせいで、上手く聞き取ることが出来ない。
そして一通り何かを言い終えると、どんどん感覚がなくなってゆく。

「待って!一体君は誰なんだ!?何を言おうとしてたんだよっ!?」

そう叫び終わると同時に、俺の意識はなくなった。

スパーンッ!

「……んぅ」
「や~っと目ぇ覚ましたか、真堂」

気がつくと、俺は机に突っ伏して寝ていたみたいだ。とりあえず2発目回避のために顔を上げとこう。

「お目覚めの気分はど……ってどうしたんやっ!?」

黒井先生が俺の顔を見るや驚いている。周りを見ると、他の人も驚いた顔をしてる。顔に変な跡でもついたのかな?自分で顔を触ってみると理由がよく分かった。

「あれ?なんで俺…泣いてんだろ」

知らないうちに俺は涙を流していた。



583:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 22:17:37 EJTnqTuP
「も、もしかして強く叩きすぎたか?」
「い、いや。全然痛くはなかったんですけど…」

俺は涙を止めようとするも、壊れた蛇口みたいに止まる気配がない。

「だ、大丈夫なんか?真堂」
「…すいません、ちょっと顔洗ってきていいですか?」
「あ、ああ。かまへんで。ゆっくりしてき」
「はい、すいません…」

教室を出た俺は、顔もそのままに屋上に向かっていた。正直、授業を受けるなんて気分になれなかった。
それから俺は、あの夢を見るために学校で何度も寝てみたのだが、あれから一度も見ることが出来ずに教科担当に怒られるばかりだった。
そんなこんなで数日たったある日。

「今夜初雪が降る可能性があります。通勤通学には厚着をして出かけた方がいいかもしれませんね。」

俺は朝ご飯を食べながら天気予報を見ていた。

「雪かぁ。最近冷えるもんな~」

雪と聞いて、俺はこの前学校で見た夢を思い出していた。

「あの夢でも‘ゆき’って言ってたっけ…」

まぁ雪のことを言っていたかなんて分かんないんだけど。考えても仕方ないし俺は家を出ることにした。
学校の近くまできた頃、俺は後ろから声をかけられた。



584:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 22:28:56 EJTnqTuP
「真堂くん、おっはよー」

振り向くとそこには泉さんがいた。

「ん、おはよ。泉さん」

そして、俺達は取り留めのない話をしながら学校に向かった。

「そういえばさ、今日初雪降るらしいね」
「初雪、か…」
「…どうかした?急に暗い顔になったけど」
「あ、んーん。何でもないよ。ちょっと夢でね」
「夢?」
「そそ、なんか変な夢なんだけどね。目がさめたらほとんど覚えてないんだけど、雪みたいなのが降ってる中で隣にいる誰かと話をしてるの」
「へ~」

夢と聞いて、俺はあの時見た夢をまた思い出していた。夢…、雪…、隣にいる誰か…、もしかしたら……。
俺は半信半疑ながらも聞いてみることにした。

「ねぇ泉さん」
「うん?どうしたの?」
「さっき言ってた夢ってさ。もしか…」
キーンコーンカーンコーン
「うわわっ!予鈴鳴っちゃったよ。真堂くん急ごっ!」

タイミング最悪、と思いながら俺は泉さんの跡を追った。


585:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 22:32:54 EJTnqTuP
その後、俺は泉さんに夢の事を聞こうとするも、奇妙な程タイミングが会わず結局放課後になってしまった。泉さんは、またもやタイミング悪く、俺が黒井先生に頼まれた用事をしてる最中に既に友達と帰ったようだった。

「しょうがないや、明日にでもまた聞こっと」

俺も家に帰ることにした。

「ふぅ…」

家に帰ってきてから1時間程たっただろうか。俺は、ベッドの上で何度目か分からないため息をついた。理由は勿論一つしかない。

「夢の事、聞けなかったな…」

泉さんが見たっていう夢の話、それがどうしても頭から離れないのだ。
普通に考えれば夢が他人と一致するなんて有り得ない。あったとしても天文学的な確率なはずなのに。それでも聞きたい。いや、聞かなきゃならないとさえ思ってる自分がいる。

「ストーカーかイカレた人かっての…」

そして寝返りを打ちつつため息をまた一つ。

「……はぁ。一眠りしたら気分変わるかな」

掛け布団をかけ直し目を閉じる。疲れてたのか驚くほど早く意識がなくなった。


586:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 22:36:16 EJTnqTuP
気が付くといつもの夢を見ていた。満開の星桜を隣にいる誰かと見ている夢。ただいつもの夢とは違う。体には、学校で見たときと同じように抱きしめられているぬくもりを感じていた。

「確かこの後…」

俺は聞き逃さないように耳を澄ませ、待つことにした。

「……ゆーくん。約束……かな?」

聞こえた!続きを聞き漏らさないように神経を集中する。

「もし今日……覚えて……初雪……星桜……いよ?」

前よりかよく聞き取れる。そして、しばらくすると他の声も聞こえた。

「……持って……約束…証……」
「これは…、俺の声?……」

俺の声が消えると同時に、前みたいに感覚がなくなっていく感じがする。そして意識がなくなる直前、桜の花びらが見えた気がした。


587:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 22:38:16 EJTnqTuP
目を開ける。あの夢を見た後特有のだるさはあるけど、意識ははっきりとしてるし、夢の内容も鮮明に覚えている。

「約束…、初雪…、星桜…、証…、最後に見えた桜の花びら…」

俺は、机に置いてあるビンを手に取った。その中にはいつもと同じ、変化のない桜の花びらが入っていた。

「やっぱり、こいつが関係してるんだろうな。だとしてもあんな状況、今まで一度も経験したことないぞ。それに、俺の事をゆーくんなんて呼ぶやつなんて一人もいないし…」

所詮はただの夢、こんなに悩むなんて馬鹿らしいのかもしれない。けどあのぬくもりが、あの声が、ただの夢なんかじゃないってのを心の奥の方で感じている。

「はぁ…。気分転換に外にでも出るか」

俺は着替えを済まし、一旦躊躇するも花びらを入れたビンを上着のポケットに入れ外に出た。


588:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/18 22:44:36 EJTnqTuP
外は曇っていた。日中より日がないぶん一層寒さが増した気がする。
俺はあてもなくぶらつくことにした。けれどどこにいても、何をしてても、夢の事が頭から離れることはない。
気分転換できない以上外にいてもしょうがない。もう帰ろうと思い、気を紛らわせるために入ったゲーセンから出てみると、外の景色が変わってることに気づいた。

「雪…降り始めてたんだ」

空からしんしんと降りしきる雪、それを見て、俺は夢の風景を思い出していた。

「…まさかな」

あれは夢、ただの夢。そう思いながらも俺は足早に星桜に向かっていた。
学校に着き、一直線に目的地に向かう。そして星桜に続く最後の角を曲がり木に近づく。

「……当たり前だよな」

そこには枯れ果てた星桜があるだけで誰もいなかった。

「何を期待してたんだか、俺は。誰もいるわけないのにさ」

ポケットの中のビンを取り出し、まじまじと見る。やっぱり変化なんかない。

「やっぱりただの夢か…。」

帰ろうと思い後ろを向く。すると、その先から走ってくる人が見えた。その人は俺のよく知ってる人物だった。



589:霧波
09/06/18 22:46:40 EJTnqTuP
とりあえずこれで前半部分は終わりです。後半は出来次第投下します。

590:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/18 22:50:28 CPjUE9yp
なんという焦らし・・・GJ!

591:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/18 23:01:27 +wAPABAi
ここでか・・・ここでなのか・・・!
続きを楽しみにしながらいつまでも待ってます!

592:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/19 03:04:08 GqYFyzaS
GJ!いや~見事な構成と焦らしですねえ、続き楽しみにしています 乙でした!

593:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/19 11:38:47 cijZ3GdJ
くっ!ここで次回に続くとは!
続きを首を長くしてのんびり待ちます、乙でした

594:龍二
09/06/19 18:00:01 FKaK98AF
>>575さん
ただいまです!
これからもよろしくお願いします!

>>576
待たせたな!!(スネーク風に

……言ってみたかっただけなんです
ごめんなさいごめんなさい。

無理しないていどに頑張ります!

>>霧波さん
前半終了タイミングがうますぎるww

構成、文章ともに素晴らしいです!
後半wktk。


ども。お久しぶりです龍二です。
久しぶりすぎて結構書いた文章が貯まってます(^^;

「遠く、どこまでも近いモノ」
の続きを投下させていただきます。

よろしくおねがいします。

595:龍二
09/06/19 18:07:08 FKaK98AF
前話までのまとめ。(多々、修正アリ)
URLリンク(ncode.syosetu.com)

進行状況をお伝えするブログ。
URLリンク(ameblo.jp)

※注意

*この作品は「らきらきメモリアル」の続きではなく、
ストーリー全体の続編に近いものになっています。

*原作で語られていなかった部分などを、作者の解釈で
作品中で語っていることがありますのでご注意下さい。

*この作品は原作では名前が決まっていないキャラ等に
名前を付けているものがあります。

*主人公の性格がちょっとばかり変わっています。
正確に言うと『主人公ですが主人公ではなくなっています。』

*この作品は「白石」や「あきら」に「おとなし」など、
ゲームに登場しなかった(又は直接関係しなかった)キャラが登場します。

この「*」の内容に不信感を抱きになられた方は、
ご覧にならずに飛ばすことをオススメ致します。

それでは、「遠く、どこまでも近いモノ」をご覧下さい。

596:龍二
09/06/19 18:10:05 FKaK98AF
キーンコーンカーンコーン…。

始業のチャイムが鳴り響く。

登校時間は生き地獄そのものだったといえる。
ギスギスした雰囲気だったか、さほどひどくはなかったかさえわからない状況。
そのなかで男子であるオレが一人取り残されるのだ。

しかも、周りからの視線もかなり気になった。
つまり、オレは超絶ブロークンハート状態だったって事だ。

とにかく、オレは授業の準備をし、ノートを開く。
…そういえば、みんなは劇の練習はできているのだろうか?
オレは色々とありすぎて、まだ原稿さえ読んでいない。

…そういえば、本当に色々あったなぁ。
こんな体験、普通に生きていてだれが体験できるものだろうか。
この学校に転校してきて、全てが変わった。例えば、初日。

597:龍二
09/06/19 18:11:10 FKaK98AF
「いきなり自分が記憶喪失者として扱われた。だが、実際そうなようだ。
時間のループだとか、宇宙人がなんだとか、今はよくわからないが…。」

自分の回想が綺麗な声で読み上げられていく。
…読み上げられていく?あれ、この流れって…。

「サッ♪トッ♪シッ♪」

「う゛っ!殺意が……。」

ゴスッ!!

オレの頭に拳骨が打ち落とされ、痛感がほどばしる。

「ふぐり!!」

「日記を書くなんて授業内容にした覚えはないんやな、これが~。」

前に見たような流れで、授業は終わっていった…。

598:龍二
09/06/19 18:16:39 FKaK98AF
そして、昼休み。

「サトシ……先輩。」

一年中満開のこの桜の木の下で佇んでいるところ、
聞き覚えのある声が聞こえた…。みなみさんだ。

「どうしたの?みなみさん。」

記憶は、何度でもよみがえる…。
この桜の木の下で、劇の後、オレは彼女と唇を……。

……交わしたか、交わしていなかったかもわからない、
微妙なタイミングでその世界の時間は途切れた。わからないのだ。それが、切なかった。

しかも、それがこのみなみさんとだけではない、その事実がたまらなく嫌だった。
『前の』オレは、年下の子にも、そして一人だけでなく何人もに手を出した。
もし、オレだったら…。どうしていただろうか?

…決まってる。オレなら、キッパリ一人に決める。そのハズだ。
それが、みんなを傷つけない最高の方法であり、間違いのない選択肢だから。

599:龍二
09/06/19 18:18:48 FKaK98AF
……なら、この子達からだれか一人を選ばなければいけなくなったら、
オレは、誰を選ぶ?…誰を、選べる?

…やめよう。この子達は『前の』オレを好きでいるだけであって、
『この』オレがそんなことを考える意味はない。
しかも、選ぶだなんて、人を物のように考えるのはよくないことだ。

「サトシ先輩…?」

「おっと、ごめんみなみさん。考え事をしてたよ。」

「その考え事って…、劇の後の事、ですか?」

図星だ。

それはそうだろう。彼女達はこの事で修羅場を繰り広げているのだから。

600:龍二
09/06/19 18:20:41 FKaK98AF
『前の』オレよ…。お前は、なんでこんな事をしたんだ?
そして…、なんでお前はここまでみんなに好かれているんだ?

「…うん。そうだよ。」

「ですよね…。……おかしいですよ。
……今までの記憶はあるのに、……劇の後の記憶だけないなんて。」

「だよね。今までの記憶がサッパリ消えていて、なんで劇の後の記憶だけあるん……?」

あれ…?今、みなみさんはなんて言った?

今までの記憶はあるのに、劇の後の記憶だけない?
それって、逆じゃないか?

「……逆です。…私達に無い記憶は、劇の後の記憶だけですよ。」

そして逆にみなみさんに指摘される。……一体、どういうことだ?

601:龍二
09/06/19 18:23:29 FKaK98AF
私達、といったという事は、さきほどオレの部屋に来ていたみんなのことだろう。

つまり…、みんなは今までの記憶があり、劇の後の記憶がなく、
オレは今までの記憶がなく、劇の後の記憶がある…。そういうことか?

「そ…そうだね。」

一応、オレはうなずいておく。

「……先輩は劇の時、…すごく頑張ってましたよね。
……とっても迫力があって、吸い込まれるようでした…。だから…私は…。」

「………。」

覚えて…いない。

「……先輩?……先輩、まさか…。」

「…うん。ごめん。……覚えてないんだ。劇の後の事以外…。」

「…!!劇の後、ですか…!?」

みなみさんは目を丸めて驚いていた。
それはそうだろう。先ほどの話を聞くに、みんなは劇の後の記憶が無い。
そのみんなにとって、劇の後の記憶はとても知りたいものであるのだから。

602:龍二
09/06/19 18:27:44 FKaK98AF
そして、オレにとって一番思い出して欲しくない記憶なのだが…。

「…よければ、教えてくれませんか?
……私たちにとって、一番思い出したい記憶なんです。」

…みんながオレに協力してくれている中で、
オレだけがわがままでみんなに何も教えないなんて、やってはいけない事だ。

「実は…、劇の後…。」

オレは、劇の後に起きたことを話した。
…でも、それをみなみさん以外のみんなにもした、という事は話さなかった。




話せなかった。

603:龍二
09/06/19 18:29:35 FKaK98AF
「そう……ですか…。やっぱり、間違いじゃあ、なかったんですね…。」

「…?間違いって?」

「先輩。」

みなみさんは真剣な表情になる。
その表情に、オレも少し黙る。

「先輩…、私は…。」


「いつだって変わらない…。先輩の事が…、好きです。」


……あッ…。

心が痛むのが、わかった。

604:龍二
09/06/19 19:11:41 FKaK98AF
以上です。

久しぶりにかいたので名前欄に題名付けるのを
わすれていました……。申し訳ない。

続きは書けしだい投下させていただきます。
それではまた!

605:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/19 22:04:19 GqYFyzaS
GJ! ついに修羅場が…?次回を楽しんにしています。乙でした!

606:GREN ◆.V03vEgrME
09/06/20 23:24:56 ibeTiek5
おお!龍二氏、霧波氏…両雄が並び立ったよ! たよ!

さぁて、これで負けてられなくなって来たわけだが…
ここしばらくディケイドネタにどっぷり漬かってたからなァ……(言い訳

そろそろ脳内で発酵しかかっているみゆきさんネタを掘り起こす作業に戻ろうかな。

607:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/21 10:21:56 SLlZxHTM
お久しぶりです。楽しみにしていますね!

608:GREN ◆.V03vEgrME
09/06/23 00:44:53 q3tJn3bB
お疲れ様です。

予告どおり、みゆきさんSSです。
題して「らぶらぶ☆ぷれす」
…我ながらなんつー恥ずかしいタイトルをつけたのやらorz
URLリンク(blogs.yahoo.co.jp)

次はどうしよう…

609:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/23 05:14:25 dzeR0jJe
GJ! 可愛らしいみゆきさんを有難うございます。続き楽しみにしています。乙でした!

610:霧波
09/06/25 01:22:44 EbtmhC5Z
GRENさん新作乙です!
みゆきさんかわいいなぁ。胸で窒息死されてぇ(笑)

でわ、こちらも負けずに投下投下。MEMORIES~この白い雪と~、後半スタートです

611:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 01:26:58 EbtmhC5Z
「泉…さん?」
「真堂くん、なんでここに?」
「ちょっと気になることがあってさ。泉さんは?」
「真堂くんも?。実は私もなんだ。今日さ、夢の話したじゃん?あの時言い忘れてたんだけど、その夢の場所がここで、しかも咲かないはずの星桜が満開に咲いてるんだよ」
「…それで夢の中で初雪と約束って言葉が出てくる、とか?」
「えっ?何でそれを…」
「…ねぇ泉さん?もしかしてその夢を初めて見たとき桜の花びらを持ってなかった?」

俺はポケットからビンを取り出して泉さんに見せた。

「う、うんっ。持ってたよ」

泉さんは生徒手帳を取り出した。その中には桜の花びらが挟まれていた。

「実はさ、俺も同じ夢を見てたんだよ。それで今日ここに確かめにきたんだ。そしたら泉さんがここに来て、もしかしたらと思ってさ…」
「じゃあ、夢の中のあの人って真堂くんだったの?」
「まだ、かもしれないってだけなんだけどね」

俺と泉さんは二人で星桜を見上げた。変わった様子は何もない。それに、俺も泉さんも何かを思い出すなんてこともなかった。
それからどれくらいそうしていただろうか。辺りは暗くなりはじめ、雪の降る量も増えてきていた。



612:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 01:31:43 EbtmhC5Z
「うわっ!もう二時間もたってたんだ。」
「げっ!本当だ。そりゃ、周りも暗くなるわけだね」
「雪もかなり降ってきちゃったしね~。…んで、真堂くん何か変わりはあった?ちなみに私はサッパリだけど」
「残念だけど俺もなしだよ。」
「そっかぁ…。ヤッパリただの夢ってことなのかな?」
「そうゆう事だね」
「はぁ…。寒い中二時間も待ったのは何だったんだろーね。手も氷みたいに冷たくなっちゃったよ」

そう言うと、泉さんは両手を口の前に持っていき息を当て手を暖め始めた。

「は~っ、は~っ。むぅ、全然暖まらないや。ほらほら、真堂くん触ってみてよ。ホントに氷みたいだから」

そう言って、泉さんは手を差し出してきた。

「どれどれ」

俺は、差し出された手を握ってみた。すると

「うわ、ホントに冷た…っ!?」

泉さんの手を握った瞬間、強烈な頭痛が襲ってきた。

「くぅっ!な、なんだよ、これ……ぐぁぁっ!」
「いたたっ!ど、どうして急に……んっ!」

あまりの痛さに膝を突く。泉さんにも頭痛が起きているようで、同じように膝を突いてしまっている。そして、頭痛はさらに強くなり、俺の意識はもうろうとしてきた。



613:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 01:35:33 EbtmhC5Z
(も、もう…だめだ……)

しかし、気を失いそうになったその時、

(あきらめないで。時間の抵抗に打ち勝って…)

見知らぬ女の子の声が聞こえると同時に、頭痛が少しおさまってきた。泉さんの方を見ると、俺と同じように頭痛が緩和されているようで、さっきより少し楽になった様子だった。
しかしそれも数秒の事で、頭痛はまた痛みを増し始める。そしてそれと同時に、再び女の子の声が聞こえてきた。

(ごめ…なさい…。わた……限界……。はや……証を……!)

途切れ途切れの声でそう言うと、女の子の声は聞こえなくなった。

(証?証ってなんだよ!……あれ?)

ふと自分の胸ポケットがうっすら光を放ってることに気付いた。そこはあの桜の花びらを入れている場所だった。

(証…。もしかして!)

泉さんを見てみる。すると、やはりさっき生徒手帳をしまった場所が光っていた。俺は、痛みをこらえて泉さんに話しかけた。

「泉さん…うぐっ!は、花びらを…」
「え……あっ!?」

声を聞いた泉さんが、花びらが光を放ってることに気付く。俺と泉さんは、どんどん強くなる痛みに耐えながら花びらに手を伸ばし、それを掴んだ。その時、



614:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 01:39:11 EbtmhC5Z
(思い出して…)
(思い出せっ!!)

頭の中に自分とさっきの女の子の声が響き、頭の中にいろんな場面が浮かび上がった。
星桜の下で誰かと抱き合ってる場面。見知らぬ女の子と難しい顔で話をしている場面。体育館で何かを支えてる場面。そして、あの夢の場面。

「ねぇ、ゆーくん。約束、していいかな?」

声が聞こえる。しかも今までの途切れ途切れの感じは全くない。

「約束?どんな?」
「もし今日のこと2人とも覚えてたらさ…、今度初雪が降ったときもこうやって手を繋いで星桜の前にいよ?」

隣にいる誰かがそう言うと、夢の中にいる俺はその人の手を繋いだ後、舞い散る桜の花びらを二つ掴んでその内の一つをその人に渡した。

「これ、持っておこうよ。今日の約束の証ってことでさ」
「うん」

いつもの夢の終わりのように周りが白くなり始める。そして、頭の中に声が響く。

(頼む、思い出してくれ。俺と、大切なあの子の…×××さんのためにも…!)

その声を最後に俺の意識は途絶えた。


615:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 01:42:06 EbtmhC5Z

「…んぅ。あれ?」

気が付くと、俺は地面に倒れていた。

「えっと。確か星桜の前で頭痛が起きて…、そうだ!泉さんは?」

隣を見ると、俺と同じように倒れてる泉さんがいた。

「泉さん!泉さんっ!起きてっ、起~き~ろ~っ!」
「うぅ…後五分ね…」
「んなお約束はいいからっ!風邪引いちゃうよ?」
「ん…あれ?なんで私寝て…」
「寝てたっていうか気絶してたんだけどね」
「気絶ぅ?……あっ!」
「思い出した?」
「うん。でも…」

立ち上がった泉さんは腕を組み何か難しい顔をし始めた。

「どうかした?」
「真堂くんさ、花びらを掴んだとき何か見たり聞こえたりしなかった?」
「え?えーっと…。あっ!」

瞬間、女の子と自分の声、そして濃霧がかかったかのようにボンヤリとしてる映像が頭に浮かんできた。

「確かに見たり聞いたりしたよ。ただ、見たものに関してはなんてゆうか…もやみたいのがヒドくて何かを見た、って程度しか覚えてないけど。」
「そか。声の方は?」
「そっちはおもいだせたよ。女の子と自分の声でさ」
「「思い出して(だって)(じゃない?)」」


616:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 01:45:01 EbtmhC5Z
「…やっぱり全く同じかぁ」
「後は最後に自分の声で「思い出せ」って。その時夢の中に出てきた人の名前を言ってた気がするんだけど」
「ノイズみたいのが邪魔で聞こえなかったんでしょ?」
「泉さんもそうだったんだ…」
「それにしても、『思い出して』かぁ。って事は、やっぱりあの夢に出てきてたのは私と真堂くんで、私達はそれを忘れてるってわけなんだろね…」
「でもさ、俺記憶喪失になったことなんて一度もないよ?」
「それを言うなら私だってなったことないよ。むぅ…まさか前世ネタとか?」
「いやぁ、それはさすがに…」
「せめて、もう一回見れたらなぁ。あの頭痛はなしでさ」

確かにあれをもう一回見れたらとは思う。だけど見方が分からないのでどうしようもない。

(えーっと…。頭痛が起きたあの時なにをしてたんだっけ)

泉さんと会って、星桜の下で話をして、それから…。

「そうだっ!」
「ふぁっ!驚かさないでよ~」
「あ、ごめんごめん。それより泉さん、手を握らせてくれない?」


617:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 01:48:54 EbtmhC5Z
「手?構わないけどそうゆう行動は下校時とかのがポイント高…」
「いやいや、そうゆうんじゃないから」
「なーんだ。でもどうして?」
「さっき頭痛が起きた時のこと思い出しててさ。あれが見えた状況を再現してみればいいんじゃないかなって」
「おーっ。真堂くんGJ!でも、もしかして頭痛がまたくるんじゃない?」
「あー…。なら頭痛がきたら手を放すって事で」
「おk。んじゃ、はい」

俺は差し出された泉さんの手を握った。そして数分後、

「……なんにも起きないね」
「うーん。やっぱダメかぁ」
「あっ!そういえば!」
「泉さんどうしたの?」
「あの時さ、これを掴んでたなって」

そう言って泉さんが見せたのは生徒手帳だった。

「そっか、花びらか!」

俺は空いている手でビンを掴んだ。しかし、

「……なにもおきないね。」
「むぅ、ハズレだったか」

お互いにため息をはく。俺は目の前の星桜を見上げた。

(星桜、夢、忘れてる(らしい)記憶、あの声。わかんないことだらけだな…)


618:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 01:51:10 EbtmhC5Z
「ねぇねぇ真堂くん」
「ん?」
「考え中のとこ悪いんだけどさ」
「うん、どうかした?」
「いつまで手を繋いでるのかなぁと。まぁ真堂くんが繋いでたいなら構わないけど?」
「あっ!ご、ごめんね。今離すから」

俺は泉さんと繋いでた手を離そうとした。けど、その瞬間泉さんの表情が変わって見えた。

(気のせいかな?けど…)

一瞬だけ見えた泉さんの悲しそうな表情が気になって、俺は手を離すことが出来なかった。

「あれ?離さないの?」
「うん。駄目かな?」
「いやいや、構わないよ。ってか、あんな顔されたら断れないって」
「あんな顔?」
「うん。スッゴく悲しそうな顔してたよ」
「えぇっ?そんな顔してた?」
「うん。まぁほんの一瞬だったけどね」
「でも、泉さんだって悲しそうな顔してたじゃん」
「えーっ?私そんな顔してないよ?」
「いやいや、一瞬だったけど確かにしてたよ。だから離すのをやめたんだし」

それから数分間、同じようなやりとりを繰り返したが泉さんに、

「まぁあったかいんだしさ、もうどっちでもいいじゃん?」

と、言われたので手を繋いだままでいることにした。



619:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 01:55:15 EbtmhC5Z
「それにしても『思い出して』か…。」

ふいに星桜を見上げて泉さんがつぶやいた。

「泉さんどうかした?」
「ん~。もしさ、あれが本当に私と真堂くんで、なぜか忘れちゃってるけど付き合っていたんだったら、忘れるまではどんな感じで過ごしてたのかな~って」
「ん~、そうだな~。普通にどっか遊びに行ったりとかしてたんじゃないかな。あ、泉さんオタクだしそれ系の店とかにも連れて行かれてたりして」
「ちょっ。さすがの私でも彼氏連れでそーゆうトコには行かないよ。……多分だけど」
「多分って…。なんか店巡りに連れ回されてるのが安易に想像できるよ」
「む~、否定できないかも」
「あははっ」

もし泉さんと付き合っていたんだとしたら、か。隣にこの子がいる日常を想像してみる。すると、なぜだか全く違和感を感じない。まるでそれが当たり前だと頭と心にインプットされてるようにも思えた。



620:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 02:01:34 EbtmhC5Z
(これも忘れてる記憶のせいなのかな。だとしたら、これからも泉さんと一緒にいれば少しずつ思い出せるのかも…)
「…ぇ、ねぇったら!」
「えっ、あ、ごめん。ちょっと考え事してた」
「も~っ。話しかけてる女の子を無視するなんてギャルゲーだったら好感度一気に0だよ?」
「ごめんごめん。それでどうかした?」
「うん、私思ったんだけどさ。もしかして、これからも今日みたいに一緒にいれば何か思い出していけるんじゃない?」

どうやら、今まさに考えていたことを泉さんも思いついていたようだった。

「俺もそれを考えてたんだ。今、忘れてる記憶を思い出すための方法ってそれぐらいしかなさそうだしね」


621:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 02:03:08 EbtmhC5Z
「そだね。んじゃ改めて。明日からよろしくね、ゆーくん」
「ゆ、ゆーくん!?」
「これから仲良くしてくわけだしね。真堂くん、なんて他人行儀な呼び方はしたくないもん。それと、私の事も名前で呼んでね」
「あ、あぁ。よろしくね、い…じゃなくて、こなたさん」
「ん、よろしい。それじゃ、帰ろっか~」
「だね。寒いし」

俺とこなたさんは手を繋いだまま家に帰ることにした。
その日、俺は夢を見た。いつものようにほとんどが分からないままだったけど、隣にいる人の手の温もりだけは鮮明に感じることが出来た。


622:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 02:13:34 EbtmhC5Z
あの出来事から数週間たった。あの夢を見た後の特有のけだるさは、以前よりか少し強く感じる。もしかしたらあの時の出来事が関係してるのかもしれない。
それに、今のところあれ以降何かを思い出せた事は一度もない。それらは少し歯がゆいけど、マイナスな事ばかりではない。

「あ、ゆーくん。おはよ」
「お、こなたさん。それにみんな、おはよう。って、つかささん随分眠そうだね」
「つかさね、昨日やってたホラー映画見ちゃったせいで寝付けなかったみたいなのよ」
「わわっ。お姉ちゃん、それ内緒にしてほしかったのに~」
「あはは。そういやみゆきさんはあの映画見た?」
「はい、ですが途中から怖くなって変えてしまったので最後までは見ていないんですよ」



623:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 02:16:12 EbtmhC5Z
かがみさん、つかささん、みゆきさん。あの出来事の次の日からの友達。紹介してくれたのは勿論こなたさんだ。いわく、

「私と仲良かったんだったら、きっとみんなとも仲が良かったはずだから」

らしい。みんないい人で、知り合ったあの日から今日まで楽しい思い出ばかりだ。出来ればもっと早くから知り合えてれば良かったなとも思う。

「そういえば、今日は雪が降るかもしれないそうですね。」

気が付くと映画の話の区切りがついていたらしく、みゆきさんがそう言い出した。

「らしいわね。予報じゃ朝から降るって言ってたかしら」
「え、マジで!?俺傘持ってきてないよ」
「降ったらいれてあげようか?」
「いやいや、こなたさんの傘小さいから無理でしょ。しょうがないや、傘取りに戻るね。みんなは先行ってて」
「え?でも遅刻しちゃうかもよ?」
「まぁ一時間目には間に合うように急ぐよ。じゃ、また後で」

俺はみんなと別れ家に向かって走った。


624:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 02:19:39 EbtmhC5Z
家に向かう途中、顔に冷たいものがあたる。雪が降り始めたのだ。

「雪か…。そういえばあの日以来だな」

俺は走りながら今までの事を思い出していた。あの日から、俺もこなたさんもお互いなるべく一緒いることにはしてる。けど、二人とも記憶が戻る気配は全然ない。
まぁ、なにをすれば記憶が戻るかなんてサッパリなわけで、可能性がありそうなことを片っ端から試してくしかないんだけどさ。

「ホントに戻るのかな。ってか、戻ったとしたらどうするつもりなんだろ」

そういや、戻った後のことってあまり考えたことはなかったな。それについても今度話してみ…、

ドンッ!
「うわっ」
「キャッ!」

やばっ!考え事に気を取られすぎてたかな。とりあえず、ぶつかった女の子に謝らなきゃ。

「ごめんっ。大丈夫?」
「え、ええ。平気よ」

お互いほぼ同時に立ち上がる。そして女の子の顔を見たとき、感じたことのない何かが頭をよぎり俺は無意識のうちに言葉を発した。

「…久しぶり」
「えっ?」



625:MEMORIES~この白い雪と~
09/06/25 02:22:24 EbtmhC5Z
言ってからハッとした。初対面の女の子相手に何言い出してんだ俺は!

「あっ!いやその…、人違いだった。ごめん」
「い、いえ…」

いたたまれなくなった俺は、もう一度ごめんと謝ると家に向かって走り出した。
その場から離れた後、俺はさっきの女の子の事を思い出していた。陵桜の制服、茶色の髪、赤いリボンとポニーテールを二つに分けたような髪型。初対面なはずなのに、知っている人物だと分かる妙な感覚。

「永森…やまとさん……」

雪が降り続ける中、無意識に口からでたその名前。それは、近いうちに本人からの自己紹介で初めて知る『はず』の名前だった。

626:霧波
09/06/25 02:28:38 EbtmhC5Z
てな感じでMEMORIES第二部終了です。
第三部まで引っ張ったのはいいけど…只今第三部執筆状況0%、ネタ枯渇気味となかなかにヘヴィーな感じなんで投下予定は未定です。気長におまちくださいm(_ _)m

感想待ってますノシ

627:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/25 12:28:24 T09FxqBW
乙です!
こなたの言動が「らしい」感じでいい味出てますね~
そしてやまと登場にテンション上がってきましたよ
今後の展開を楽しみにしつつ気長に待ちます


628:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/25 21:02:05 0NdOC9Yx
GJ!記憶を思い出すために仲良く始めたりやまととのやりとりといい、予測を遥かに凌いでいました!続きいつまでも待ってます。乙でした!

629:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/25 23:37:48 InwaE0zT
今回も楽しく読ませていただきました。
次も楽しみにして待っています!乙でした!

630:GREN ◆.V03vEgrME
09/06/28 00:07:39 NfQdIypF
霧波氏乙でした。
続きが楽しみにしています。

先日のみゆきSSで表現不足を指摘され、当該部分をちょろっと修正。




……そろそろ、エロでも書こうかなァ……




631:名無しくん、、、好きです。。。
09/06/28 08:36:29 vPReNoiT
自分は構わないと思いますが、>>1にまとめへの投稿を勧める文があるのでそちらに書いた方がよろしいかと思います。楽しみにしています!

632:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/12 15:07:39 XJkEaYgF
アイドルマs…マイスター保守

633:GREN ◆.V03vEgrME
09/07/13 00:33:46 XzHdFcZ4
>>632
個人的には楽しみにしていますw
ただ本音を言えばやはり桜藤祭続編が欲しかった…

…まあ、なければないで脳内妄想すればいいんですけど。


ふと思い立って「夏」をテーマに1本。
久々に掌編ではなく、前後編にて短編に毛が生えた程度のシロモノになりそうです。
題して『なつぞら☆ぐらふぃてぃ』
つ URLリンク(blogs.yahoo.co.jp)

後編がいつになるか分かりませんが(ぇ

634:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/13 14:03:44 fTogmSMt
GJ!普段とは違うこなたの姿、だからこそ引き立つ彼女の良さを感じました。後編待ってます 乙でした!

635:霧波
09/07/13 23:15:19 A3noTEhu
GRENさん乙です!
後編楽しみに待ってますね。

さて、負けじとこっちも投下しますよ。タイトルは「アナタノオト、キミノネツ」です。どぞ

636:アナタノオト、キミノネツ
09/07/13 23:18:58 A3noTEhu
俺の彼女であるかがみさんは、よくこなたさんやパトリシアさんなどからツンデレツンデレ言われている。
それを本人は頑なに否定してるわけなんだけど、俺もこなたさん達の意見に賛成だ。だってみんなといる時は、

「ねぇねぇかがみ。聞きたいんだけどさ」
「ん?なによ、こなた」
「ゆうくんとふたりっきりでいる時はどんな感じでデレてるの?」
「はぁ?」
「だって気になるじゃん?彼氏に対してかがみんがどんなデレッぷりを発揮してるかさ」
「別に普通よ。みんなといる時と変わらないわね」
「え~っ、かがみツンデレなのに~?」
「ツンデレ言うなっ!」
「いいもん。ゆうくんに聞くから」
「えっ!?いや、俺に聞かれても…」
「さぁさぁ恥ずかしからずに。ユー言っちゃいなよ」
「う、うーん。そうだな~……はっ!?」

じーーっ(言うなよ。と、言ってるかのような目)

「ふ、普通だよ?普段通り」
「え~っ!そんな返答つまんないよ~。ツンデレなのにデレがないなんてさ」
「つまんなくて結構よ。後、いちいちツンデレ言うな!」

と、こんな感じなのに。



637:アナタノオト、キミノネツ
09/07/13 23:25:19 A3noTEhu
「あ、あの。かがみさん?」
「ん…。な~に~」
「そろそろ抱きつくのをやめて離れた方がよろしいかと思うんだけど。学校の屋上だし。しかも、もうすぐ午後の授業のチャイムなるしさ」
「別にいいじゃない。私達以外誰もいないんだから。…もしかして嫌だった?」
「そんなことあるわけないって。いいよ、このままで」
「ん。あんがと」

ぎゅ~っ!

幸せそうな顔で抱きしめている手に少しだけ力が入るかがみさん。2人っきりの場合は終始こんな感じなのだ。



638:アナタノオト、キミノネツ
09/07/13 23:28:18 A3noTEhu
「それにしても」
「うん?どうしたの」
「みんなといる時と変わらない、ねぇ…」
「っ!?」
「お、一気に顔が赤くなった」
「だ、だって仕方ないじゃないっ!ああ言わないとこなた絶対にからかおうとするだろうし。それに、正直になんて言えないし…」
「まぁ確かに、2人っきりの時は四六時中手を繋ぐか腕を組んでるか抱きしめ合ってる、なんて言えないよな~」
「く、口にしないでよ!恥ずかしいんだから…」
「いやいや、今まさに抱きしめ合ってるのに恥ずかしいもなにもねぇ」
「う、うっさいわね。それ以上言うと怒るわよ」
「はいはい」

そう言うと、かがみさんは頬を膨らましそっぽを向いた。まぁ、それでも俺に抱きついたままなんだけど

「ごめんごめん、もうからかわないよ」

そう言って俺はかがみさんの頭を撫でた。付き合ってから分かったことだけど、かがみさんは頭を撫でられるのが好きみたいで、拗ねたりした時にはこうしてあげるとすぐに機嫌が直ったりする。現に今も、

「もう…。調子いいんだから」

なんて言って、頬を赤くしながらこっちを向き直してくれてるし。



639:アナタノオト、キミノネツ
09/07/13 23:31:06 A3noTEhu
「そういえばさ」
「うん。なに?」
「なんでかがみさん、手を繋いだり抱きついたりするのがそんな好きなの?」
「べ、別にいいじゃないの。もしかして…、やっぱり嫌とか?」
「嫌なわけないじゃん、俺だってこうされるの大好きだし。ただ純粋に気になっただけだよ」
「そ、そう?ならよかった。で、こうするのが好きな理由よね。色々あるけど…、一番はやっぱり『音』かな」
「音?」
「ええ。こうやってるとね、ゆうくんの鼓動がよく聞こえるの。ドクン、ドクンって。で、それを聴く度に、ゆうくんがそばにいてくれてるってすごく感じれて。それが好きなの」

そう言って、かがみさんは抱きしめている両手に少し力を入れ俺の胸に耳を当てた。そうしている時のかがみさんの顔はとても穏やかで幸せそうに見えた。



640:アナタノオト、キミノネツ
09/07/13 23:38:16 A3noTEhu
「ねぇ」
「うん?どうかした?」

その状態のまま、かがみさんが話しかけてくる。

「さっき、ゆうくんこうされるの好きだって言ってたじゃない?」
「うん。確かに言ったね、大好きだって」
「さっきの質問そのまま返すみたいになっちゃうけど、ゆうくんのこうされるのが好きな理由ってなに?」
「うーん、そうだな。例えば抱きついた時や腕組んだときに当たるおっぱ…」
ギューッ!!
「痛たたたっ!つねらないでっ!冗談です!軽いジョークです!!」
「もう。ちゃんと答えなさいよね」
「は、はい…。俺がこうされるのが好きなのは『熱』を感じれるからかな」
「熱?」
「理由はかがみさんと似てるけどさ。こうやってると、かがみさんの体温を凄い感じられるんだ。んで、そのたびに思えるんだよ。こんなに大切だって思える人がそばにいて幸せだ、ってさ。」

そう言って俺はかがみさんを抱きしめている手に少しだけ力を入れた。

「好きだよ、かがみさん。今も、これからも、絶対に離さないからね」
「私だって離さないわ。好きよ、ゆうくん。これからもずっとそばにいてね…」



641:アナタノオト、キミノネツ
09/07/13 23:41:02 A3noTEhu
そう言って俺達はキスをした。屋上に吹く風は少し冷たかったが、そんなのが気にならないほど心も体も温かかった。

「まぁさっき言ったのが理由の一つだってのは間違いじゃないけどね。おっぱ…」
ギューッ!!!
「いって~~っ!」

同時刻、屋上の扉前・・・

「うわ~。お姉ちゃんもゆうくんもあつあつだね~。見てるだけなのに私の方が恥ずかしくなってきちゃうよ」
「さすがかがみん。ナイスなデレッぷりだねぇ」
「でもお二人とも幸せそうですよね。なんだか羨ましいです」

ちなみに俺達が覗き見されてたのに気付いたのは、教室に戻ったときにこなたさんから、

「昼休みはお楽しみでしたね」

と、言われたときであり、しばらくの間からかわれ続ける事になってしまったのであった。

642:霧波
09/07/14 00:01:01 A3noTEhu
以上です。
分かる方もいるかもしれませんが、タイトルの一部は『はちぇまれ』で有名なある人の歌からとってます。それにしても甘々なのって結構難しいと知った今日この頃。

それでもあまあまなものをかきたい。だってにんげんだもの きりは

643:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/14 11:30:28 dlf0kft4
GJ!ヤバいって可愛すぎて鼻血出そうになりましたよ 乙でした!

644:☆SHADOW☆
09/07/14 23:11:46 UM5YHVq1
>>633
続き楽しみにしています。
できれば早めに(ry

645:牛乳帝国
09/07/20 22:20:22 qMmXLgk7
唐突でスマンが即興で主人公の顔を描いてみた
10分くらいで描いたものなので期待はするな

牛の中の主人公図
・目:つかさ・みゆきと同じ←口調からそんな感じ(色はてきとう)
・髪型、毛色:たまに出てくる後姿から

URLリンク(www.uploda.tv)
パス:outousai

646:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/21 00:09:21 kesInR/K
>>645
こんなイケメンでは感情移入出来ないのでダメです

647:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/21 00:53:48 3bnOHvWx
そういや俺も昔主人公をイメージで描いたが某K1みたいになったなぁ・・・
そういえばここってまとめサイトに画像保管庫があるけど絵投下しても大丈夫なの?
SSは最近書いてないからきついんだけど、絵ならなんとかできるかもなんだが・・・

648:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/21 07:40:07 38R0HSGr
大丈夫だとおもいますよ~

649:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/21 10:16:49 jGRBA0KK
ギャルゲの主人公なら目を隠せ

650:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/21 19:09:10 T0mnXK9m
もうちょい普通っぽいというか素朴さがあるイメージ

651:☆SHADOW☆
09/07/22 09:48:38 z1LGmjGC
髪の色、黒じゃ・・・。
でも、いいと思いますよ??

652:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/22 22:37:12 cPAorkHr
>>647だけど便乗して自分のイメージで主人公描いてみた
らき☆すた風で描こうとしたけどなんかうまくいかなかったから
自分画風+目が描いてあるからそういうのが苦手だったらスルー推奨で
URLリンク(www.dotup.org)
パス:lsro

653:暗黒のパン屋さん
09/07/25 20:58:03 FCFdoHAr
久々に投稿します。誰を書くか決めてません。希望があれば書きます

654:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/25 21:22:27 EsXZfYs9
かがみをお願いしてもよろしいですか?

655:暗黒のパン屋さん
09/07/25 22:20:11 FCFdoHAr
>>654
ふむ。一回ゲームして、内容練って来ます

656:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/25 22:30:22 EsXZfYs9
宜しくお願いします。

657:☆SHADOW☆
09/07/26 02:31:10 0RKLRw+L
あぁ…やまとか、こうのが読みたい……。

658:GREN ◆.V03vEgrME
09/07/27 01:20:42 4bVpNHvx
お疲れ様です。1日1作執筆奏上! などと無謀かつアホな目標立てている俺です。

【なつぞら☆ぐらふぃてぃ】の後編をお届けにあがりましたー

URLリンク(blogs.yahoo.co.jp)


霧波さん>
いやー、相変わらずの名作ぶり。刺激になるです。
そして最近まで名前の読みを「きりなみ」だと思ってましたごめんなさいorz


659:名無しくん、、、好きです。。。
09/07/27 08:23:58 +qUoCe4l
GJ! 待ってました!夏に相応しいいい作品ですね~ 乙でした!

660:☆SHADOW☆
09/07/27 19:04:10 jIkgCyVg
>>658
夏だ!海だ!

いや~、おつかれです。
全力でweb拍手させて(ry
えっと…いくつネタをお使いで……。
毎日朝晩ブログを見ています。次も待ってます。
有り難うございました。がばてね。(何を?

661:☆SHADOW☆
09/07/27 20:48:09 jIkgCyVg
>>658
さっき気づきました。
「前編」と書いてますが、「後編」ってことでいいんですよね…?

662:GREN ◆.V03vEgrME
09/07/27 20:56:36 4bVpNHvx
>>661
え? アレ?

…うわ、ホントだorz

修正しておきまーす(滝汗

663:☆SHADOW☆
09/07/27 22:03:57 jIkgCyVg
>>662
おお、もう修正されてる!!
意外とすぐできるもんなんですね。

664:GREN ◆.V03vEgrME
09/07/30 00:18:32 f/jzf8sc
>>663
まぁ、もとがブログですからw
修正は容易いです。


665:☆SHADOW☆
09/07/31 15:14:10 QP1agAAu
>>664
あ~……
それもそうか……(汗)

666:GREN ◆.V03vEgrME
09/08/01 00:33:35 EJHQGv5d
おつかれさまです。
一貫献上!…もとい、一本献上にあがりましたー。

URLリンク(blogs.yahoo.co.jp)
題して【ぶらいんど☆たっち】

アイドルマイスターはこうちゃん先輩含むオールキャストの模様。
…あれ? やまとがいない……だと?

667:名無しくん、、、好きです。。。
09/08/01 01:01:44 NgKs8i45
GJ!まさか目隠しをみなみがするとは…予想外で楽しめました 乙でした!

668:☆SHADOW☆
09/08/01 01:23:51 cbTPWLPz
≫666
ギリギリまで誰かわからなかった…。はじめはつかさかゆーちゃん辺りかな??とか思ってたけど、まさかみなみちゃんとは!
期待はずれでした(いい意味で)!!

『ネット』(←ここ強調)アイドルマスターのサンプル画像(?)には永森さん写ってた気がするようなしないような……。
あ、写ってただけか……??

669:名無しくん、、、好きです。。。
09/08/07 07:35:29 QQ9fGk/8
ドロドロものがみたくなってきたわ

かがみんとつかさがとりあてる間に
なぜかまつりさんのもとへいく主人公とか

670:名無しくん、、、好きです。。。
09/08/13 19:01:14 wEg+4O8K
そろそろ終わりそうだけど・・・あげ

671:名無しくん、、、好きです。。。
09/08/17 05:58:21 fclM18F7
まだ終わらんよ

672:龍二
09/08/20 21:57:10 babmYh03
どうも、2ヶ月ぶりです。
夏休みだというのにPCが大破して、書き溜めしていたSSが消え去った龍二です。

新PCを買って、新PCを買う前に携帯で書き溜めしなおしていたので、
やっとこさ投下できる状態になりました。

なんか主人公の絵が二枚ほど上がっていたようですが、
見れないようで残念です。正直、見てぇ。(自重汁

さてさて、今回は
「遠く、どこまでも近いモノ」の続きを投下させていただきます。

>>595の内容に不信感を抱かれた方はスルーをお勧めします。


それでは、「遠く、どこまでも近いモノ」をお楽しみください。

673:龍二 遠く、どこまでも近いモノ
09/08/20 21:58:34 babmYh03
痛んだ心は何のため?
この子のため?自分のため?

これはきっと、この子のためだ。

「……ゴメン。」

「…。」

即答、だった。
あまりの即答に、みなみさんも言葉を出せないでいた。

別に、いやだとかそういうわけじゃあない。
みなみさんは綺麗で、しっかりしてて、それでもちょっとツメが甘いところがあって……。
正直、平均以上。オレには過ぎた人だ。

けれど、今彼女は誰に告白した?

『いつだって変わらない。』
でもオレは『前の』オレから『変わっている。』

……つまり、みなみさんが好きなのは『前の』オレで、
その気持ちは『この』オレに向くことはないということではないか。

仮に違ったとしても、オレは断っている。
『前の』オレが築いてきた友人関係に、オレが割り込み奪うのは罪悪感があったから。

674:龍二 遠く、どこまでも近いモノ
09/08/20 21:59:39 babmYh03
「しっかりするんだ、みなみさん。」

オレはみなみさんの目を見て言った。

「前のオレはここにはいない。いまここに立っているのは、君が好きなサトシじゃない。」

みなみさんを諭すように言うと、
みなみさんは先程まで沈めていた顔を笑顔に変えた。

「……なんだ。そういうことですか。よかった。……嫌われているのかと…。」

独り言のようにみなみさんは呟いた。
意外に単純だなぁ。可愛いけど。

そんなことを考えていると、みなみさんの手がオレに触れる。

675:龍二 遠く、どこまでも近いモノ
09/08/20 22:00:03 babmYh03
「…サトシ先輩。」

みなみさんは両肩を持ったオレの手を握ると逆にオレを諭すように話しかける。
まるで、何もわからない赤子に、優しく教えを説く母のように。

「私が変わっていないように、
……先輩も何も変わってはいないんですよ?」

「…どういうことだい?わけがわからないよみなみさん。」

みなみさんはくるり、と体を翻すと、オレと反対方向にあるきだす。

「……その『わけ』が解ったら、
もう一度ここで……思いを伝えます。」

みなみさんは去り際に、そんなことを言った。

「待って!どういうことだよ、みなみさ…」

キーンコーンカーンコーン……。

オレが後を追おうとした瞬間、
何の捻りもないいつものチャイムが校内に鳴り響いた。

676:龍二 遠く、どこまでも近いモノ
09/08/20 22:01:22 babmYh03
授業中、オレは集中できないでいた。
というか、もう集中出来ないのが当たり前になってきている。

オレはみなみさんの言ったことを考え直し、今まで手に入れた手がかりと照らし合わせる。
…全く答えは出て来ない。

かれこれノートを3ページも使って考察をしているが、
1+1=3であることを証明する問題のようになかなか答えが出て来ないのだ。

…いつもならここで、ななこ先生がこの考察を読み上げたあと、
リズミカルにオレの脳天を引っ叩いていただろう。

だが、今回のオレは一味違う。

それは、いつものようにななこ先生に授業以外の事をしているのを
バレたりリしないよう、厳重な注意と頻繁な前方確認で先生の動きを見通しているから……。

自慢げに悩内で作戦を説明していたオレは目を疑った。
……先生が、消えた!?

馬鹿な。そんなはずはない。オレの前方確認は完璧だったはずだ。
ならどこに見失った!?後ろ?いや、まさか……。

「なぁにを忙しげに書いとるんかなサトシ~?」

したからニュッと生えてきた手がオレのノートを奪う。
しまった……!!下段攻撃は予想外だった!

677:龍二 遠く、どこまでも近いモノ
09/08/20 22:02:05 babmYh03
「い、痛いです先生。別にいいじゃないですか。
時間がループしてたってことはこの授業今までに何度もしたんでしょ?
だったら誰だって100点取れる……。」

「誰の為にやっとると思っとるんや!
そのループ中の記憶をなくしとる奴がここにおるやないか!
……それと。」

先生はオンラインゲームのPT編成をノートに書き込んでいる泉さんを指差す。
泉さんはそれに気づくと素早く落書きノートを授業用ノートと入れ替える。

あれでバレてないとでも思っているのだろうか…。

「ループ中から換算しても一度もまともに授業を受けてないヤツもおるし。」

「た、大変ですね先生……。」

オレはさりげなくノートを奪い返そうとするが、
先生はノートを持った手を上に上げ、チッチッとオレに指を振り、ノートに目を通す。

「う~ん、お前のノートを見るに、すこしづつ真意に近づいてるようやないか。
正直ようわからんけど。攻略本見取るようでおもろいわ。
ん~、で……『変わっていない』のが…、ん?岩崎?岩崎……。」

先生はオレのノートを興味津々に読む。
そして、「まぁ頑張れや!」と言って、ノートでオレの頭を一発しばいたあと、
ノートを机の上にポンポン、と置いた。

678:龍二 遠く、どこまでも近いモノ
09/08/20 22:02:46 babmYh03
休み時間。オレは迷うことなくみなみさんの教室に向かった。
理由はもちろん、あの言葉の意味を聞くためだ。

だが、みなみさんの姿は見当たらない。休み時間が始まって間もないというのに。
トイレかどこかだろうか?みなみさんには悪いけど居場所を聞き出そう。

「アナタはシなない…。ワタシがマモるもの。」

「ぱ、パティちゃん!」

「いいッスねー二人とも!映えるッス!」

みなみさんがいないからか、パティさんがみなみさんの役をしていた。
まったくひよりさんも暇だなぁ。

「あれ、サトシ先輩~。」

ゆたかさんがとてとて、と小走りで走って来る。 あ、こけた。
颯爽と出てきたパティさんがゆたかさんを抱え上げ、こちらにあるいてくる。
パティさんに抱きかかえられたゆたかさんはそのままオレに話しかける。

679:龍二 遠く、どこまでも近いモノ
09/08/20 22:04:25 babmYh03
「どうしました?サトシ先輩。」

みなみさんといつも仲良しなゆたかさんなら
みなみさんの行き場所を知ってるかも知れない。

「ゆたかさん。みなみさん、今どこにいるかな?」

「みなみ……さん?」

ん?反応が微妙だ。名前を間違えたかな?

「岩崎さんだよ。ゆたかさんと仲がいい。」

ゆたかさんはパティさんと目を合わせる。

パティさんは顔を横に振った。
ひよりさんも同じだった。

680:龍二 遠く、どこまでも近いモノ
09/08/20 22:30:03 babmYh03
「えーと、サトシ先輩?」

「え、なんだい?ゆたかさん。」





「みなみさんって、誰?」





「は?」



オレは、耳を疑った。

681:龍二
09/08/20 22:32:33 babmYh03
今回はここまでです!

そういえば携帯から小説投下できるの忘れてた。
これからはPC大破したら携帯で投下しますw

続きは書け次第投下します。
それではまた!

682:名無しくん、、、好きです。。。
09/08/21 07:14:12 rJGldfiy
GJ!待ってましたよ~、まさかみなみがそんな…続きが楽しみです。乙でした!

683:GREN ◆.V03vEgrME
09/08/28 04:40:18 i3ZHI7i7
お久しぶりです。
発売から1年をとうに越えても、今もなおここに人がいることに驚きと、感謝を改めて。

さて、つかさでSSです。
題して【ぐるーみんぐ☆あっぷ】 はいそこ、じゃじゃ馬とか言わない。

URLリンク(blogs.yahoo.co.jp)

だいぶ夜勤には慣れてきたけど、休日の使い方が難しいぜ…


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