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海外流出の前に定願寺で撮影か
江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿が描いた3枚1組の肉筆画「雪」「月」「花」のうち
「月」を撮影した明治時代の写真乾板が、栃木市内で見つかった。3~5日に
同市旭町の市栃木文化会館で開かれる「とちぎの歌麿特別展」で一般公開される。
歌麿研究の第一人者で同市特別顧問の浅野秀剛さんは「栃木と歌麿が関係が
あったことを補強する重要な資料になる」と話している。
「月」は、江戸時代の遊郭を描いた歌麿の代表作の一つ。肉筆画は1879年
(明治12年)に栃木市旭町の定願寺で開かれた展示会で「雪」や「花」と合わせて
公開された後、フランスに流出したとされている。現在は米国の美術館が所有している。
写真乾板は、明治時代に定願寺で撮影されたものとみられ、同市室町の片岡
写真館会長の片岡惟光さん(74)が自宅の蔵で発見した。ガラス製で大きさは
縦4・5センチ、横7・2センチ。中央部分にひびがあったが、保存状態は良好だった。
片岡さんによると、写真館を始めた初代、如松(じょしょう)さんが、市内の豪商から
依頼を受け、「雪」「月」「花」を撮影したという。
片岡さんは「残された『雪』や『花』の原板も見つけ出し、自分の手で写真を
刷ってみたい」と夢を膨らませる。
特別展では、「月」の写真乾板のほか、市が所有する歌麿の肉筆画「女達磨
(だるま)図」などが展示される。
午前9時から午後4時まで。
(2011年5月2日 読売新聞)
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