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さて、安蘭けいさんである。「湖国と文化」の誌面によると、安蘭さんはいまも大好きな父のことを「アボジ」と呼んでいる。
そう、安蘭さんは滋賀県湖南市生まれの在日韓国人三世なのだ。
安蘭さんは、そのアボジに小さいときから、韓民族の歴史と誇りを教え込まれて育ったという。
もちろん父も娘も差別に晒されたことがなかったとは言えない。
だが、安蘭さんは中学生のときに観た宝塚の華麗な舞台に自分の夢を託す。
片道三時間もかかるレッスンをこなし、その頑張りで宝塚音楽学校に合格、歌劇団に首席入団。
でも、そこからの道のりは平坦ではなかった。おまけに首席入団者は男役トップにはなれないというジンクスまであった。
だが、入団16年目にして男役トップに。首席入団者の男役トップは、1972年の汀夏子さん以来。
さらに外国籍男役トップスターは79年に退団した中国籍の鳳蘭さん以来であった。
何より私の心を捉えたのは、その安蘭けいという芸名の由来である。
かつては万葉集などの和歌から、そしていまは著名な方に名付けの親になってもらうヅカガールも多いなか、
家族で決めたという安蘭さんの名には民族の誇りが香り高く漂っている。
「安蘭(アリラン)伝説の主人公のアランの本名の安、好きな花の蘭。
そして故郷の慶尚南道の慶を『けい』とひらがなにしたんです」
在日三世にしてこれほどまでに、民族の誇りを胸に秘めている方に、私もそうそうお目にかかったことはない。
そこにはアボジの思いが色濃く出ているように思う。
「トップになること、それはあの娘の夢であり、私の夢でもあるんです。
大袈裟に言うと、瞳子は我が韓民族の夢と誇りを背負っているんです」と父は言う。
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