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３月決算の上場企業のうち、２０１１年９月中間期決算で、経営上重大なリスクを抱えているとして
「継続企業の前提」に注記が付いた企業が４２社に上ったことが２５日、東京商工リサーチの調べで分かった。
“危ない企業”は１１年３月決算期の５０社から８社減ったものの、予備軍の数は引き続き高水準。
社内のゴタゴタで決算を発表できていないオリンパスや大王製紙の動向も不透明で、
不気味な空気が漂っている。
商工リサーチの集計によると、１１年９月中間期に注記が付いた企業は４２社にのぼった。
証券取引所別にみると、東証１９社、大証２社、名証３社、札証２社、ジャスダック１６社となっており、
新興市場の多さが目立つ。
１１年３月期決算に付かず、１１年９月期に注記が付いた企業は４社で、
残る３８社は３月期からの継続組。大半が“常連さん”で占められた。
金融庁は０９年３月期から特例措置としてリスクの開示基準を緩和しており、
それでもなお注記が付く企業はかなりリスキーといえる。
今回新たに注記が付いたホッコク（東京）は、「札幌ラーメンどさん子」を中心としたラーメン店のチェーン展開で知られる。
今年１月、みずほ銀行元行員の不正融資事件で約５億円の融資金をだまし取ったとして、
東京地検特捜部に詐欺容疑でホッコクの元社長（４２）らが逮捕される事件があった。
連結子会社売却の影響や外食環境の変化もあったか、
９月期の売上高は前年同期比６６・２％減の１４億５４００万円と急降下。
決算短信では「原点回帰によりラーメン事業に特化し、他社との効果的な業務提携を進める」などと巻き返し策を掲げた。
東日本大震災の関連では、工業用機械刃物メーカーの東洋刃物（宮城）があげられる。
合板用刃物などを製造する多賀城工場（宮城県多賀城市）が被災したため、売上高が減少。
災害損失２４００万円を特別損失として計上したほか、繰延税金資産の取り崩しなどで債務超過に陥り、
震災発生直後の前回（１１年３月決算期）から注記が付いている。
有名どころでは、やはり前回から“イエローカード”が付いた東京電力（東京）だろう。
９月中間連結決算は６２７２億円の最終赤字（前年同期は９２２億円の黒字）。
決算短信では福島第１原発事故の巨額な賠償責任について触れ、
「当社グループの財務体質が大幅に悪化し継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している」とした。
東京商工リサーチ情報部の橋本邦夫課長は
「（注記の付いた企業が）減少しているとはいえ依然、警戒が必要」とし、こう指摘する。
「顔ぶれにあまり変化がなく、優劣がはっきりしつつあるなかでも注意すべき点はある。
『注記』の１ランク下となる『継続企業に関する重要事象』記載企業の数は高い水準にある。
また、オリンパスや大王製紙など注目度の高い大企業の動向はどうなるか。今後が気になるところだ」
新たな爆発を予感させるエネルギーの蓄積は着々と進んでいる、ということか。
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