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2009年に製作されながら、その過激な内容から日本公開が危ぶまれていた映画
『アジアの純真』が15日に新宿K’s cinemaで初日を迎え、主演の韓英恵、笠井しげ、
片嶋一貴監督、脚本家の井上淳一が舞台あいさつを行った。
韓は「この映画は、ネットで書かれているような反日映画ではない。わたし自身は
青春映画、ロードムービーとしてとらえています。わたしの10代最後の思い出の映画が、
この『アジアの純真』で本当に良かったと思っています」と晴れやかな笑顔で語った。
本作は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の拉致被害者5名が帰国し、北朝鮮バッシングが
渦巻いていた2002年の日本を舞台に描くロードムービー。双子の姉を街のチンピラに殺された
在日朝鮮人少女(韓)と、その現場を目撃しながら何も出来なかった日本人男子高校生(笠井)が、
旧日本軍の毒ガスを手に、無差別テロで社会へ復讐していく姿を描く。
主演の韓は韓国人と日本人のハーフで、10才の時、鈴木清順監督作『ピストルオペラ』(2001)で
デビュー。以後、『誰も知らない』(2004)、『疾走』(2005)、『悪夢探偵2』(2008)、『悪人』(2010)、
『マイ・バック・ぺージ』(2011)ほか数々の作品に出演し、着実なキャリアを歩んでいる個性派女優だ。
今作で、孤独で勝ち気な在日朝鮮人少女を演じた韓は、この日キュートなパープルの
ワンピ姿で登場し「たくさんの方に来てもらえてうれしいです」とあいさつ。
そして「わたしは昔から人間関係などうまくいかないところがたくさんあって、今までそういう自分から
逃げていた。でもこの作品に出会ってから、自分とまっすぐ向き合えるようになりました」と今作への
出演が自身の人間的な成長へとつながったことを明かした。
一方、そんな韓演じるヒロインと破天荒な逃避行を繰り広げる、気弱な日本人高校生を演じた
笠井は「撮影当時は高校2年生でした。映画を見直してみると、顔やお芝居が今と全然違う(笑)。
これからスクリーンに映る自分は別人ですので、そこを楽しんでもらえれば」とこれから
作品を観る観客に笑顔でユーモラスに語りかけていた。
また、片嶋監督は「この映画は2年前にはもう完成していたのですが、なかなか
上映できませんでした。関係者のみなさま、本当にありがとうございました」と感無量な様子。
その後「なんで湯布院映画祭は、この映画(の上映)を断ったんでしょうね」とぼやく一幕も。
脚本の井上は「国内の多くの映画祭や映画館に(上映を)断られてきたので、外国では
どういう評判になるのかと思いました。でもロッテルダム映画祭で上映されたとき、
ある女性から『ビューティフルフィルムだった』と言われたことに非常に感動しました。
でも日本に帰ってきてから、ネットで作品に対する賛否両論、特に否定的な反響が
起こっていることに驚きましたね」と今作への国内での反響にやや戸惑っている様子だった。
映画『アジアの純真』は共に若松孝二監督のもとで育った片嶋一貴(監督)と井上淳一(脚本)が
手掛けた作品。「第40回ロッテルダム国際映画祭 2011」で上映され、その過激なテーマから
物議を醸す一方、「白黒の奇跡」とも評された。
「ロンドン レインダンス映画祭 2011」「パリシネマ映画祭 2010」正式招待作品。(古河優)
映画『アジアの純真』は新宿K's cinemaにて公開中、11月5日よりシネマスコーレ(名古屋)、
12月3日より第七藝術劇場(大阪)ほかにて順次公開
韓英恵:
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ソース(シネマトゥデイ):
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