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東京電力が2009年までの数年間にわたり、自民党を中心とした50人以上の国会議員のパーティー券
などを少なくとも年間計5千万円以上購入していたことが分かった。原子力政策における各議員の重要度や、
電力施策への協力度を査定して購入額を決定。1回あたりの購入額を政治資金収支報告書に記載義務が
ない20万円以下に抑え、表面化しないようにしていた。
東電は1974年以降、「電力供給の地域独占が認められた公益企業にそぐわない」として企業献金を自粛
している。その一方で、組織的に議員をランク付けし、パーティー券を購入する形で資金提供していた実態が
初めて明らかになった。
複数の東電幹部らによると、東電本社には毎年、国会議員本人や秘書から政治資金集めのためのパーティー
券購入の依頼が、窓口役の総務部に多数寄せられていた。東電はパーティー券の購入予算枠を確保しており、
毎年50人以上の議員に配分したという。
議員ごとに原子力政策における重要度、東電の業務への協力度などを査定。東電の原発が立地・建設中の
青森、福島、新潟の3県から選出された議員や、電力会社を所管する経済産業省の大臣、副大臣、政務官の
経験者などは、購入額が高い議員にランク付けされた。
議員の政治団体や資金管理団体が開いたパーティーや勉強会に対する1回あたりの購入額は、政治資金
規正法に違反せずに企業名を出さないようにするため、収支報告書に記載義務がない20万円以下と決め
られていた。査定が高い議員は上限の20万円を複数回購入。東電との関係が浅い議員は券2枚を計4万円
で購入したり、依頼を断ったりしたという。
パーティー券の購入は長年続いていたとみられ、09年までの数年間は、毎年5千万円以上を購入。約1億円
にのぼった年もあった。
また、09年の政権交代までは、自民党議員と民主党議員の購入金額の割合は約10対1と、自民党側が中心
だった。交代後の10年も券購入を続けたが、民主党議員の購入額を増やしたという。
パーティー券購入について、東電元役員は「東電の施設がある県の選出議員かどうかや、電力施策や電力業界に
どのくらい理解があるかを考慮した。関連企業に割り当て分を購入してもらうこともあった」と証言。収支報告書に社名
が記載されないように金額を抑えた点については、「政治家と公的な企業につながりがあるというだけで、良からぬ
見方をされる。表にならないに越したことはない」と話している。
東電広報部はパーティー券購入について、「社会通念上のお付き合い程度で行っているが、具体的な購入内容は
公表を控える。飲食への支払いで、対価を伴っているので、政治献金ではない。(企業献金の自粛とは)矛盾して
いない」としている。
アサヒコム
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