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23日夜に突然の引退会見を行ったタレントの島田紳助さん(55)。
トップスターとして多くの番組を仕切る華やかな活動の一方で、暴力団との交際という“闇”を
抱えていたことも明らかになった。作家の麻生千晶さんに、今回の引退騒動と、島田さんが
活躍したテレビ界の現状をどうみるかを聞いた。
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そもそもテレビ局は免許事業で、ジャーナリズムの一翼も担う社会の木鐸(ぼくたく)の一つ。
番組、出演者とも品位と責任が求められる。中でも司会者は社会人代表であるべきなのに、
島田紳助の場合は“突っ込み”と称する「いじり」と「いじめ」を繰り返していた。
しかし現在のテレビ界は、彼のような下品な発言で人間の卑しい欲望に応える存在に
「視聴率が取れるから」と大金を積んできた。しかも“大司会者”として、
番組プロデューサーのように出演者やスタッフの選定までしていたと聞く。
芸能界の大権力者になってしまい、番組で人の顔の造作や体型についてまであれこれ
言うなど、全く見苦しかった。しかしテレビ局はたしなめるどころか、ひれ伏してきた。
そんな彼の手法を真似(まね)する子供も増えたと聞く。それだけ影響力があった訳で今回、
いかがわしい人間の黒い交際が分かったのだから、(反面教師として)教育材料にしたらいいのではないか。
テレビ局は、暴力団がらみの不祥事が起きると偉そうに糾弾するが、そんな彼を雇ってきた局側の
責任は大きい。彼が女性マネジャーへの傷害事件を起こした後も、各局対応は甘かった。
なぜ彼のような人間を使い続けてきたのか、テレビ局に問いたい。
背景には、テレビ局に対する吉本興業の巨大な力がある。彼はその頂点の地位にあった。
番組に若手芸人をタダみたいなギャラで出す一方、彼には高い出演料を払わせ、収支を
合わせる。
だからどの番組を見ても関西弁があふれ、彼が司会をする同じような番組ばかりになった。
まるで「金太郎飴(あめ)」のようだ。
レギュラー番組では「開運!なんでも鑑定団」がまっとうだったが、あれも石坂浩二という
“緩衝地帯”があったから、視聴者も安心して見られたと思う。
今回の引退も、詰め腹を切らされたというより、もう十分稼いで面倒くさくなったのだろう。
これで多少、テレビ界の風通しがよくなるのではないか。
テレビ局はまっとうに芸で勝負する人間を使うべきだ。
ソース(MSN産経ニュース):
URLリンク(sankei.jp.msn.com)