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東日本大震災で、埼玉県東部の新興住宅地、久喜(くき)市南栗橋地区では、局地的な液状化被害が発生した。
被害が確認されているのは同地区約2300世帯のうちの約150世帯、約200メートル四方。現在も下水管が
破損したままで、トイレや風呂が使えない家もある。狭い範囲に被害が集中した理由は不明だが、一帯は
久喜市と合併した旧栗橋町が区画整理事業を行っており、住民からは市の責任を追及する声も上がっている。
◇区画整理、市に不満
パート社員、石毛節子さん(50)は、県内の職場で地震に遭い、翌日昼、自家用車で家に向かった。
フロントガラス越しに見る幹線道路の様子はいつもと変わりなく、カーラジオも埼玉県には大きな被害がないと伝えていた。
ところが、自宅の近くまで来て我が目を疑った。電柱が傾き、道路は波打って泥に埋まっていた。2階建て一軒家の自宅は、
玄関が泥でひざの高さまで埋まり、全体が傾いていた。
会社員、若月一成さん(43)も築約15年の家が傾いた。1階のリビングの床にビー玉を置くと、曲がりながら転がっていく。
周囲から修復費は1000万円とも言われた。月9万円、ボーナス月25万円のローンはあと15年残っている。
市はいち早く道路、電柱、上下水道管を復旧した。しかし公共部分のみで、個人の敷地内に引き込まれた水道管の復旧費用は
自己負担。破損箇所を探す費用も含めて数十万~100万円かかるため、16世帯は今も下水道が復旧していない。
コンビニのトイレを借りながら生活を続ける住民もいる。
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庭と駐車場付き戸建て住宅が並ぶこのエリアは、駅まで徒歩で15分。東京に通勤、通学する住民も多い。もともとは、
86年の東武日光線南栗橋駅開業を機に、旧栗橋町が一帯の水田の区画整理事業を進めた。94年から入居が始まり、
99年に事業は終了した。
地震後、4回にわたり開かれた住民と久喜市の話し合いでは、市の責任を追及する声が相次いだ。「埋め立てた砂が原
因ではないか」などと住民から質問が飛んだが、市は「当時の基準を満たしているので問題はない」と繰り返した。
住民の一人は「『基準を満たしていた』という市の言い分も分からないではない。ただ、市役所の職員も自分の家だったらと
考えてほしい」と訴える。「建築業者の基礎工事に差があったのではないか。欠陥住宅の責任を問いたいが、業者はすでに
倒産してしまった」と嘆く住民もいる。市は近く、同地区一帯で深さ20メートルのボーリング調査に着手し、液状化が集中した
原因を探る。データは民間の研究機関で分析し住民と共有しながら、区画整理事業に問題がなかったか見直す予定だ。
そーす 毎日jp
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