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震災の影響で安全確保が困難になったとして、勾留中の容疑者約60人を釈放した検察の対応に
警察当局などから批判が噴出している。「軽微な事件に限定」とするが、警察側は
「悪質な強制わいせつ事案も含まれていた」と反発。
特に福島県内では原発事故の放射線漏れに揺れていることもあり、
「自分たちが避難するためだったのでは」と冷ややかな声も。検察内部からも「判断ミス」との
指摘が出ている。
▽再逮捕
「（勾留できる）時間が限られており、情状を考慮した。余震も相次いでいる事態だった」
▽不手際
「法相や検察幹部に個別の犯行状況に関する詳細な情報が伝わっていたのか」。警察関係者の間には
疑念が渦巻く。
捜査幹部によると、福島地検いわき支部が釈放を指示した容疑者の中には、昨年末、いわき市の
アパートに住む女性宅に侵入し、わいせつな行為をした疑いで逮捕された容疑者もいる。
この容疑者は、女性と面識はあったが交際はしておらず、捜査関係者は「目出し帽で顔を隠した上、
指紋などの痕跡を残さないよう手袋もはめており周到で悪質」と指摘。福島県警は、
被害を届け出た女性を逆恨みしかねないとみて、女性の身辺警戒を強化している。
▽“疑惑”
さらに、福島地検が、この容疑者の釈放をいわき中央署に指示したのが震災から
４日後だったことも、警察側の不信感を増幅させている。
警察幹部は「当時は福島第１原発が深刻な事態に陥っていることが判明した直後。
地検は、自分たちが避難するために釈放を指示したのではないかとの疑惑すら湧く」と
怒りを隠さない。
騒ぎが尾を引く中、検察内部からも地検の対応を疑問視する声が出始めた。
ある幹部は「まずいね。容疑内容の吟味が甘かったと言わざるを得ない」。
県警側への連絡が徹底されていなかったことにも触れ、「組織としてのたががゆるんでいたと反省している」。
別の検察関係者も「震災で容疑者の安全確保が保証できないなら、移送先を確保し身柄を移せば済むこと。
治安維持に努める使命をないがしろにした」と話している。
ソース：中國新聞
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