11/06/24 22:39:21.05
東日本大震災でエネルギー政策の転換が叫ばれる中、重力と浮力だけを利用して
電気を発生させる装置をさいたま市浦和区の会社役員、阿久津一郎さん(80)が発明した。
パチンコ玉を内蔵したピンポン球を高い位置から落として歯車を回して発電、
水の入ったパイプの中で球を再び浮力で上昇させて循環させるもので、平成22年10月に
特許を取得した。実用化されれば、天候や時間に左右されない“究極の自然エネルギー”として
注目を集めそうだ。(安岡一成)
阿久津さんが開発した装置は、容量約10リットルのアクリル製の箱に、高さ約2メートルの
「蓄水管」「上昇管」「落下管」という3本のパイプがついただけの簡単な構造。
上昇管には水の逆流を防ぐため、落下管には圧力を保つための弁がそれぞれ取り付けられており、
上部でつながっている。落下管には発電機と連動した歯車が取り付けられ、回転すると電力を
発生させる仕掛けになっている。
まず、落下管に水が入らないようにコックを閉め、蓄水管と上昇管がいっぱいになるまで水を入れる。
次に落下管のコックを開け、パチンコ玉を内蔵したピンポン球を20個、挿入口から投入。
落下した球は歯車を回して箱に落ち、上昇管に入った後、そのまま浮力で上に上がっていく。
球は上にたまったほかの球を押し出し、再び落下管に入った球が歯車に衝突する。
装置には水位を保つために、ピンポン球の体積分の水が出し入れされており、1つの球は約3分間隔で
この循環を繰り返す-という仕組みだ。
この装置で生み出される電力は1ワット程度だが、阿久津さんは「装置や球のサイズを大きくすれば
多くの電力が作れる」と、実験に乗り出している。
環境問題に関心があった阿久津さんは5年前、高いビルを眺めていて「上から物を落としたら
大きなエネルギーになるのでは」と考えたのが開発のきっかけとなった。
落とした物を上に持ち上げる方法に悩んでいたが、ある日、水に浮くゴルフボールを手にして、
浮力を活用することを思いついた。その後、約2年半かけて装置を開発。費用は700~800万円もかかったが、
昨年10月に特許を取得した。米国や欧州などにも特許出願中だ。阿久津さんは、この装置を使って
雨水で店舗のネオンの電力に使ったり、湧き水を使って登山道の明かりに使用したりというアイデアを披露する。
また、阿久津さんは「球体が動くのを眺めているだけで楽しいから、からくり時計のように楽しめる」ともいう。
「この装置をすべての送電鉄塔やビルに設置すれば、将来、原子力発電はいらなくなるよ」と話している。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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