10/12/05 08:15:59 28RAPqY1
>>166
19世紀末から20世紀初頭にドイツあたりで大量に作られたものだと思います。
バイオリンの量産は19世紀初頭(1800年代はじめ)にはドイツのミッテンヴァルドなどで
すでにはじまっていました。
それらは街のなかで分業して、たとえばスクロールを作る家ではスクロールばかりを量産し、
裏板を作る家では裏板ばかりを量産し、といった形で分業して部品を作成して、
それらを組立専門のところで組み立てる、といったもので街自体がバイオリン工場のようなものに
なっていきました。
バイオリンの量産は19世紀後半にはフランスのミレクールなどでもおこなわれ、
このころになると蒸気プレス機械なども導入されて、工場生産に近いものになっていきます。
これらの楽器が決して悪いというわけではありませんが、
高い技術を持った職人が一人で全行程に目を配らせながら制作してゆくものを「手工品」
と呼ぶのであれば、これらはそうではありません。
また、一般に19世紀半ば(1850年代)以降ぐらいからの楽器は「モダン楽器」と呼ばれることが多く、
それ以前の1800年代初頭までに作成された「オールド楽器」とは区別されます。
それではこの楽器は「モダンジャーマン」なのでしょうか?
そう呼ぶかどうかは売る側の姿勢によると思います。
これがそのころのいわゆる「手工品」と呼べる範疇のものであれば、モダンジャーマンと呼ぶべきでしょう。
この楽器は「19世紀末から20世紀初頭ごろのドイツの楽器」と呼ぶのが正しい呼び方だと思います。