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『白夜行』 新たな“制約映画”の傑作
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原作は、人気ミステリー作家・東野圭吾の代表作。19年前の質屋殺し事件を追い続ける刑事が、
容疑者の娘と被害者の息子の秘めた関係に迫ってゆくノワール小説で、
最大の特徴は、主人公2人が何を考えているのか、その行動からしか推し量れない点にある。
行動を介して内面を描くというのは、むしろ映画の専売特許だろう。
それを小説でやったことで、原作は傑作になったわけだ。ならば東野圭吾のこの発明は、映像にすると変哲もなくなってしまう?
確かに斬新さは薄れたが、そもそも専売特許はこちらにあるのだから、
そのまま置き換えただけのシーンでさえ映画的な魅力に満ちている。
演じる堀北真希と高良健吾の無表情が、何と雄弁なことか!
では、主人公2人が表面上は交錯しない点はどうだろう?
主演スター2人を同一画面に収められないのだから、商業映画としては大きな障害だ。
それも結果を見ると、障害ですらなかったことが分かる。その制約がクライマックスの感動を生み出しているのだから。
これまでにも『12人の怒れる男』や中原俊監督の『桜の園』など、
空間や時間軸にあえて制約をかけることで傑作となった映画はたくさんあった。
本作もその系譜に連なる、新たな“制約映画”の傑作と言えるだろう。★★★★★(外山真也)