11/02/06 03:00:57 Tivf9Ykx0
住宅街の隙間にある小さな公園で、少女達と猫が戯れています。少女達が餌を与えたり小さな手で愛しげに撫でると、
猫はくすぐったそうに身体を竦めるものの、実に満足そうにしています。私はその春のような光景をベンチに座って眺めています。
少女達は時間が来たのか、公園から去ろうとしています。猫にさようならと手を振ります。猫は少女達についていこうとしますが、
少女の一人が微笑みながら頭に手をやると、また遊ぼうね、と言い、猫もその意味が伝わったのでしょうか、にゃあ、と鳴くと
見送るように公園の出口に佇んで少女達の遠ざかる背中を見つめています。
ここ数日、この公園内で何度も繰り返された光景です。明日も少女達はやってきて、猫と共に幸福な時間を過ごすのでしょう。
私は立ち上がり、猫に近寄ります。ポケットからサラミを出して猫に向かって放り投げます。最初は露骨に警戒していた猫も
サラミの魅力に抗えないのか貪欲に食し、食べ終わってもまだまだ満たされないという表情で私の膝の上に乗り、媚びた声で甘えてきます。