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関西国際空港と伊丹空港の経営統合を担う新運営会社が設立される来年4月1日まで、あと半年を切った。
国内初となる空港統合に注目が集まる中、統合のそもそもの要因である1兆円超の有利子負債の返済をはじめ課題が山積し、
激化するアジア空港間の競争を生き残るのは容易ではない。収益改善に危機感を持つ関西経済同友会は今月、
焦点となる新会社の経営陣の人選について、国が100%出資でも「民間出身のプロの経営者を起用しなければだめだ」
とする提言を打ち出したが、空港周辺自治体や霞が関の思惑も絡み視界は不良だ。
伊丹との統合を前に、関空会社では今、需要が高まる格安航空会社(LCC)の誘致や貨物便強化など、
収益体質の改善に向けた動きが加速している。
2011年度冬(10月30日~来年3月24日)は、中国南方航空、タイ国際航空、大韓航空が便数を増やしたほか、
マレーシアに本拠を置くLCCのエアアジアXも新規就航。1週間当たりの国際線は1994年の開港以来、
夏冬通じて最高の792便(ピーク時)となる。
今月中旬には、福島伸一社長が自ら訪韓し、LCCのチェジュ航空やエアプサンを訪ね、増便や新規就航を願い出る。
関空を拠点とする日本初のLCC「ピーチ・アビエーション」も来年3~5月に福岡と新千歳、韓国・仁川に就航する予定。
東日本大震災の影響に歴史的な円高で、4~9月期に前年同期比35%減の123万7610人と落ち込んだ
国際線の外国人旅客数を取り戻す狙いだ。
ただ、こうした収益力の強化策にも巨額の有利子負債が影を落とす。
関空会社は11年3月期に73億円の最終黒字を達成したものの、有利子負債はいまだに1兆円を超す。
重荷を抱える関空はアジアの主要空港よりも着陸料が数倍高く、航空会社の誘致で不利な戦いを強いられている。
旅客便に占めるLCCの割合は約8%にすぎず、旅客数の約2割をLCCが占めるシンガポール・チャンギ空港との
差は歴然で、経営統合をしても、状況は簡単には変わらない。
騒音問題に配慮して大阪湾の泉州沖約5キロの海上に造成された関空は、埋め立て費用で巨額の負債を抱えた。
このため、毎年200億円程度の利子の返済に追われ、年75億~90億円程度の国の補給金なしでは立ちいかないのが現状だ。
そんな「火の車」の状況から脱却するための解決策が、黒字経営が続く伊丹との経営統合。
空港を運営する新関空会社を国の全額出資で来年4月1日に設立し、3カ月後に経営統合を実現するというものだ。
新関空会社は滑走路などの資産と約4000億円の有利子負債を引き継ぐ。土地と残りの有利子負債などは、
子会社となる土地保有会社が管理し、新関空会社から土地代を受け取り、負債を減らす。
2015年度までに空港の運営権を民間に売却し、債務を一掃する-というシナリオを国は描く。だが、事がうまく運ぶとはかぎらない。
(>>2以降に続きます)
▼ソース
≪SankeiBiz≫ URLリンク(www.sankeibiz.jp)
▼関連サイト
≪大阪国際空港≫ URLリンク(osaka-airport.co.jp)
≪関西国際空港≫ URLリンク(www.kansai-airport.or.jp)