【主張】原発の未来に可能性を残せ--山形浩生(評論家兼業サラリーマン) /月刊Voice [10/15]at BIZPLUS
【主張】原発の未来に可能性を残せ--山形浩生(評論家兼業サラリーマン) /月刊Voice [10/15] - 暇つぶし2ch1:ライトスタッフ◎φ ★
11/10/15 21:31:17.92
■反対論は感情的にはわかるけれど

今回の話は別のところにも書いた話ではある。が、ネタの使い回しは避けたい一方で、
違う読者層にも考えてほしい話だ。それはいま流行の、原発談義のことではある。
とくに、今後の原子力のあり方をどうするのか、という話。これについては本誌の
各種論説を含め、いろんな人がいろんなことをいっている。でもそのほとんどは、
中身を考えないお題目だけの原発反対か、あるいはたんなるなしくずしの現状維持的な
逃げ口上ばかりだ。

むろん東電原発事故は、多くの問題点を明るみに出した。いちばん基本的なところで、
設計耐用年数の過ぎたポンコツを「まだ使えるから」で延命させたのは愚かだった。
そしてそんな基本的な工学原則も徹底できない、いまの愚かな関係者たち(いわゆる
原子力村)も、所轄官庁を代えるくらいでは済まない根本的なてこ入れは必須だろう。
難しいけど。

が、それでは原発反対といえば済むのか? ぼくは、最近になって原発反対を主張し
はじめた人が何を求めているのか、よくわからないのだ。というのも、そうした
議論の多くは、ただのポジション開陳以上のものではないからだ。

だんだん理解されてきたと思うけれど、いまある原発を明日からすぐなくせるわけ
じゃない。炉も、使用済み燃料も、冷やして保管処分に何十年もかかる。つまり
そのあいだ、ずっと誰かがそれを管理しなきゃいけない。それをいまの技術で続けて
いいの? いま動いている原発だって、少しでも安全なものに更新する手立てを
考えるべきじゃないの?

核燃料や廃棄物も、原発ヤメといえば消えてなくなるわけじゃない。いまそのまともな
処理方法がないなら、その処理方法もさらに研究が必要だ。いや完璧な処理方法は絶対
ありえないとしたり顔でいう人もいる。でも、いまより多少なりともマシなやり方は
あるはずだ。それを検討することは、原発反対論者の利益にも叶うことじゃないの?

となると、今後その研究に多少は知恵のある人材が回る必要がある。でも絶対に先が
ない産業に、人が行くと思う? こう書くと、そしてそれを考えるためには、やはり
産業として未来がある面白い分野でないと。原子炉の設計もすでにかなり進歩した。
外部電源が切れても、冷却水がなくなっても何も起きず、自然に止まる設計の原子力
エネルギーもあって、ビル・ゲイツもすでに目をつけている。そういう面白い可能性を
少しは追えないと、尻ぬぐいだけの産業にはなかなか人がこないのは、あの業界とか
この業界とかみても明らかだろう。原発反対論は感情的にはわかるけれど、それを
現実的に進めるには、むしろ原発の未来の可能性を残さないと、原発引退すらまともに
進められなくなるはずだ。(※続く)

◎月刊Voice URLリンク(voiceplus-php.jp)


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