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日本から撤退していく外資系企業は多くなった。物やサービスを売るという
従来はとても重要視され、文系の主力職種でもあった「営業」が、人件費削減
よろしくとばかりに日本から消えようとしている。もうすでに、外資系企業では
そうした動きは始まっている。
■販売はインターネットにやらせとけ
「大手外資系運用会社がWebデザイナーを探している」
そう話すのは、外資系企業を中心に人材紹介を行っているヘッドハンターだ。
リーマンショック以後、外資系運用会社の日本での成績は芳しいとは言いにくい。
運用拠点を香港やシンガポールといったアジアの金融センターに移し、「香港に
異動になれば今の給料の6割になる」と実際に異動を打診された現役のファンド
マネージャーは言う。
経済成長が続くとは言え、まだまだ日本との給料格差がある香港。そこに高額な
報酬が必要となるファンドマネージャーを移し、給与を香港の水準にまで下げ、
人件費を削減する事がこの狙いだ。
形を変えたリストラなのか、はたまた戦略的撤退なのか、コスト高の運用者を
日本から撤退させた外資系金融機関は、日本の1500兆とも言われる個人金融資産に
食い込むために、販売網の拡大をインターネットに見いだし始めた。そこでWeb
デザイナーの求人なのである。
■3000万円→600万円へ経費削減
「通常ならばWebサイトのデザインは外注に出すはず」と外資系金融IT部門の
関係者は話す。「外注に出すよりも、自社に専門の社員が居た方が小回りは利く
ことも確か」(同)とも言う。
販売網の拡大というと営業マンの採用を想像するだろう。だが、外資系金融機関での
中堅クラスの営業マンの給料は安く見積もって2000万円~3000万円、かたやWeb
デザイナーの年収は高くても600万円程度である。
個人投資家のインターネット経由での金融商品の購入が伸びる中、少しでも顧客を
増やしたい外資系金融機関は、営業マンに比べ「安価」で「稼げる」Webデザイナー
を自社に置くことにしたのだ。
ただし、外資系金融機関にとってネット販売はまだ問題も多い。
■60歳以上は野村で買う
日本の個人投資家のネットでの取引金額は、60歳以上の世代が一番多い。この世代には、
外資系金融機関のブランド力は低く、保守的に「大手日系金融機関」での購入を好む。
そして、まだまだネット販売は、対面販売に比べ主流とは言いがたい。しかし、日本の
個人投資家は「歴史のある優良な」金融商品よりも、「新しいハイリスクハイリターンな」
金融商品で短期的にリターンを求める傾向が強い。
ハイリスクハイリターンの金融商品販売は外資系金融機関の得意とするところ。また、
外資系ならではのスピード感のある事業展開をネット上で行ったらどうなるか。シェアを
日系企業から奪うことも不可能とは言いがたい。
このネット販売戦略の成否次第では、コストの高い営業マンよりもWebデザイナー、
Webプログラマ職の採用が増え、外資系金融から営業マンが日本からいなくなる日も
近いかもしれない。
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