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ガートナー ジャパンは2011年10月3日から5日まで、カンファレンス「Gartner Symposium
/ITxpo 2011」を開催している。初日の10月3日には、同社のトップアナリストによるリレー
形式の基調講演を実施した。
口火を切ったのはガートナー ジャパンの日高信彦社長(写真)。「ここ数年で個人消費者が
持つIT機器が進化した。それを企業はどう活用するのか、CIO(最高情報責任者)はビジネスの
最前線に立っていることを実感しているだろう」として、ここ最近の変革をコンシューマ向け
ITが先導しているとの見解を示した。
バトンを受けた米Gartner Researchのピーター・ソンダーガード シニアバイスプレジデント
(SVP)は「今年はITの影響力が大きくなっていることを見せつけられた。TwitterやFacebook、
YouTube、スマートフォンなどが日本の東日本大震災で有効に活用された。中東ではモバイル
技術の活用が革命をもたらした」と切り出した。「私たち(IT専門家)の行動が世界の政治や
経済を形作るようになっている。力とともに責任を伴う。人々が何を必要としているのか理解
しないといけない」(ソンダーガードSVP)。
社会を取り巻く課題は経済環境の悪化だ。「経済環境が悪いと引きこもりたくなるが、それは
危険な選択だ。CIOやCMO(最高マーケティング責任者)、サプライチェーンの責任者は
傍観者になるのではなく、自ら立ち上がるべきである」と、企業の経営層に檄を飛ばした。
ITを活用した新たな取り組みで、より優れた製品、サービス、切れのあるビジネスモデルを
生み出すべきという。
■モバイル中心の世界に移行
IT活用の基盤はモバイル中心に移っていくと予想する。「2010年にスマートフォンの台数が
デスクトップパソコンを超えた。デスクトップはもはや終わった。ユーザーにサービスを提供
したいならば、その人が居るところまで届けないといけない」(ソンダーガードSVP)。
OSのインストール数を見ても、「2014年にはiOSやAndroidといったモバイルOSが、パソコン
向けOSの数を超える。IT部門はどのようなアプリケーションを提供するのか、イチから練り
直さないといけない」(ソンダーガードSVP)。
続いて登場したガートナー リサーチの亦賀忠明ジャパンリサーチ部門最上級アナリスト兼
バイスプレジデント(VP)は「これからの未来は過去の単純な延長ではない。大きな歴史の
転換点にいる。ポストモダンのビジネスは新たな発想が必要になる」として、ITの専門家は
考えを切り替える必要性があることを訴えた。「消費者はスマートフォンやソーシャルメディアを
当たり前のように活用している。企業は企業自身よりもIT武装した人々に取り囲まれている。
ビジネスも中央集権的な考え方から、消費者主導に変わっていく」と主張した。
亦賀VPはビジネス変革の一例として、クレジットカードを挙げた。「クレジットカードは信用、
利率、ブランド、ポイントといった複数のサービスをまとめて提供している。これが分解されて、
クラウドで再統合したサービスが登場する可能性がある。消費者ニーズの激変に企業は対応しないと
いけない。その過程で、今までクレジットカードのビジネスに参画できなかった企業にもチャンスが
あるかもしれない」とした。(※続く)
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