11/10/04 14:20:51.97
>>1の続き
中国のある有名な家電量販店には、「退職希望者の列」と「入社希望者の列」が同じフロアに
2本できているという。「それでも現場は滞りなく回転する」(同社職員)そうである。
■中国人のサービスはなぜ質が低いのか
「中国では販売員の社会的地位が日本のように高くはない」という指摘もよく聞く。
中国では、1978年の改革開放が始まるまで、国営企業に経営の自主権はなかった。国家から
割り当てられた生産物を販売するだけであり、国民の生活と密接に結びついた商業は軽視され
ていた。
経済学者の李海峰氏は、著書『中国の大衆消費社会─市場経済化と消費者行動─』で、
「製品が市場で売れているかどうか、消費者が満足しているかどうか、といった事は調査
どころか関心さえ持たれなかった」と指摘している。
中国で販売スタッフが育ちにくいのは、こうした背景が存在するからでもある。
上海など大都市では、サービス業の末端に低賃金労働者を据える。つまり、上海で末端の
サービスを提供するのは、「サービス」という概念すらない外地出身の低賃金労働者である。
当然の結果として、サービスは限定されたものになってしまう。
「釣り銭を投げてよこす」「態度が悪い」「愛想がない」などと悪評ばかり聞こえてくるのは、
こうしたことに理由がある。
最近は、成熟した中国人客をどう振り向かせるかが、各社に共通する課題となっている。
某航空会社は目下、中国人材採用を増やしているが、従業員訓練を担当するD氏は
「トレイのレイアウトは教えられても、顧客の気持ちを汲むことまでは教えられない」と言う。
マニュアル化できない部分をいかに身につけさせるかが、大きな課題となっている。
また、中国の富裕層をターゲットに健康器具を売り込む中国人経営者も、同じ意識を持っていた。
「中国人職員はどうしても文化的素養に欠けているという点は否めない。顧客対応のひどさに
何度も冷や汗をかかされた」と話す。「その点、日本人のサービスは富裕層の間でも評判がいい。
中国人が日本で買い物したいのはそのためでもある」とも。
「確かに中国人人材は外国語の習得能力には秀でているけれど・・・」と、冒頭で紹介したX社の
人事担当者A氏。「欲しいのは英語力よりも接客力だ」とも語る。
■アジアと欧米の両方の文化を理解している日本人
こうした状況は、実は日系企業にとって大きなチャンスである。
中国ビジネスに詳しい大阪のコンサルティング会社、サダ・インターナショナルのサダナオコ氏の
持論は、「日本人の才能はアジアビジネスで強い武器になる。もっとその才能を活用すべし」と
いうものだ。(※続く)