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外国人観光客を呼び込もうと、国の出先機関や自治体が海外のテレビ番組や映画の
ロケ誘致に力を入れている。日本で撮影された韓流ドラマがヒットし、観光客が
大幅に増えた地域もある。東京電力の福島第一原子力発電所事故による風評被害で
全国的に外国人観光客が減っており、巻き返しの起爆剤と期待されている。
人気タレント陳美鳳さんが出演する台湾のテレビ旅番組が、9月26日から12月10日まで
17回にわたり中国地方の観光地を取り上げる。この特集企画のロケ班は8月下旬、広島、
鳥取、島根など5県を1週間の旅程で回った。
仕掛けたのは国土交通省中国運輸局だ。ロケ費用や番組制作費600万円を負担したが、
「視聴率が高い番組で、宣伝効果が見込める」とそろばんをはじく。海外で知名度の低い
中国地方の観光振興策として今年度から誘致を本格化させた。台湾のほか韓国と香港の
テレビ局が計2番組のロケを終え、別に3件の予定もある。
滋賀県も今年度、海外ロケ誘致に向けた650万円を予算計上しており、琵琶湖などの
ロケ候補地や支援態勢を紹介するDVDやパンフレットを中国語や韓国語、英語で作った。
2009年度に県内で撮影した台湾映画「一万年愛してる」が現地でヒットした実績もある。
西日本各地がロケ誘致に力を入れるのは、原発事故による直接の影響はなくても、風評被害で
外国人観光客が激減したからだ。日本政府観光局がまとめた1~8月の訪日外国人旅行者数
(推計値)は前年同期比33%減の394万人だった。特に全体の約4割を占める韓国と
中国からの旅行者数は、8月(推計値)も前年同月比でそれぞれ約40%落ち込んでおり、
西日本でもなかなか回復しない。
ロケ誘致で成果を上げた先駆けは09年3月、人気俳優イ・ビョンホンさんらが出演する
韓国のアクションドラマ「アイリス」の撮影を全面支援した秋田県だ。
ドラマ放映後、韓国の旅行会社がロケ地訪問ツアーを手がけ、年間3万人前後だった
秋田―ソウル便の利用者が、10年には4万人を超えた。ドラマは台湾などでも放映され、
「アジアでの知名度が飛躍的に高まった」(県観光課)という。
今後、全国的に誘致競争が激しくなる可能性もあり、三菱総合研究所の松永久主任研究員は
「投資を無駄にしないためには、番組の放映効果を十分に調べ、作品が成功するよう撮影
スタッフをきめ細かく支える必要もある」と指摘している。
●中国運輸局が誘致した台湾テレビ番組のロケ
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