11/10/03 10:20:59.70
9月上旬にブラジルはサンパウロを訪れる機会があった。ほんの数日の滞在だったが、
現地で案内してくれた複数の日本企業関係者から聞かされたのが、ここでも攻勢に
出ている韓国自動車メーカーの話題だった。
「これを見てください。すごいでしょう」。そう言って差し出されたのは地元有力紙の
「フォリャ・ジ・サンパウロ」。筆者が目にした日について言えば、1面には日本でも
おなじみのサッカー選手、ロナウジーニョの写真の下に現代自動車のSUV(多目的
スポーツ車)「サンタフェ」の広告(写真の左側)があった。そして数ページめくると、
再びサンタフェ。今度は右ページの全面広告だ。
同じ日の新聞に同じ商品の広告を複数打っているのに驚いていたら、これで終わりでは
なかった。さらに数ページ行くと今度は紙面の下半分を同社のSUV「ツーソン」の広告が
占領している(写真の右側)。主要部品を輸入して現地で組み立てるノックダウン方式で
作っているのだが、ご丁寧に「MADE IN BRAZIL」とのアピールまである。
新聞を渡してくれた相手は「今日だけじゃないです。これがしょっちゅうなんですよ。
日本メーカーは完全に押されてますね」。自動車で移動中に外を眺めていると、広告に
出ていたサンタフェをしばしば見かけ、言われた通りだと実感する。
ブラジルの乗用車市場はほぼすべて外国メーカーブランドで占められ、強いのは独フォルクス
ワーゲン、伊フィアット、米ゼネラル・モーターズ。それぞれ20%前後のシェアを占める。
その3強の後に米フォード・モーター、仏ルノー、仏プジョーが続いて、日本メーカーは
第3グループを形成している。ホンダ、トヨタ自動車、日産自動車のシェアはそれぞれ
2~3%といったところ。
そこに割って入り、一気に抜き去らんという勢いなのが韓国メーカーだ。2010年のブランド別
販売台数で現代自動車は前年比5割近く販売を伸ばした。わずか5年前には存在感はほとんど
なかったのだが、直近の月間ベースのシェアで見ると、現代ブランド車はトヨタ、日産を
追い抜き、ホンダに肉薄している。
■サッカーW杯でもアピール
もちろん、日本勢も巻き返しに動いてはいる。トヨタが2012年に小型車工場を稼働し、
日産も2016年度までの中期経営計画の中で年産20万台の工場新設を予定している。
それでも、韓国勢が消費者へのアピールを一層強めていくことは確実。ブラジルの「国技」
とも言えるサッカーのワールドカップ(W杯)を2014年に控え、現代自動車と起亜自動車は
国際サッカー連盟(FIFA)の公式スポンサーの座を射止めている。
ブラジル市場は、2010年にドイツを抜いて、中国、米国、日本に続く世界第4位の自動車
市場となった。自動車メーカーの将来を左右するブラジルでの勝負も熱を帯びる。日本勢は
どう巻き返すのだろうか。
●URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
◎URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
◎最近の関連スレ
【貿易】ブラジル政府、輸入車に高関税導入--輸入車シェアの11%超を占める"中国車"が主な対象 [09/16]
スレリンク(bizplus板)