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トヨタ自動車は、来年から主力の中型セダン「カムリ」の韓国向け輸出について、
今の「日本製」を取りやめて米国生産車に切り替える検討を始めた。
円高による為替差損を避けられる上、米韓自由貿易協定（ＦＴＡ）批准による
関税撤廃も見込まれるためで、日本企業の円高対策の一環として注目されそうだ。
検討しているのは、韓国市場で販売を予定している新型カムリ。
現在、韓国向けカムリは愛知県豊田市の堤工場で生産しているが、
米の主力生産拠点、ケンタッキー工場に振り替える。
カムリの韓国販売は２０１０年で約５千台。
歴史的な円高により、日本からの輸出は採算性が極度に悪化している。
米ケンタッキー工場と韓国・ソウルの距離は１万キロ超あり、
堤工場－ソウル間（約１千キロ）の１０倍以上だが、輸送コストの増加分は
為替損益の改善分でカバーできるという。
さらに米韓ではＦＴＡが両国で議会の批准待ちの状態で、正式に発効されれば
米国からの乗用車輸出にかかる８％の関税は撤廃される。
日本の自動車メーカーは、円高に加えて政府間の関税交渉が進まないことから、
為替差損を抑える方策を模索している。
既に日産自動車は、米国生産の中型セダン「アルティマ」を韓国に輸出している。
カムリはトヨタが「世界戦略車」と位置付ける主力車種で、
米国では９年連続で販売台数がトップと収益の柱でもある。
韓国向けは規模が小さいものの、主力車種で成功すれば、同様の取り組みは
他の車種にも広がりそうだ。
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