11/09/18 01:36:08.53
大型複合商業施設「イオンモール大牟田」が、大牟田市岬町にオープンして18日で半年。
2001年秋には、中心部の旭町に「ゆめタウン大牟田」が開業しており、同市は流通業界の
2強がしのぎを削る激戦区となった。九州最大級のイオンモールの開業は、高齢化と人口減が
進む同市のまちづくりにどんな影響を及ぼしているのか。半年間の動きを追った。
■土日は「好調」
「お客さんは徐々に増えてきた。点数は80点」。イオンモール大牟田の山本幸男ゼネラル
マネージャー(GM)は、開業半年を振り返る。
開業の1週間前、東日本大震災が起きた。開業記念のイベントが次々と中止され、スタートは
つまずいたが、有明海沿岸道路の大牟田ICに近い地の利を生かし、土日は熊本や佐賀ナンバーの
車も駐車場を埋める。山本GMは「広域集客は予定通り」と力を込めた。
だが、平日は来客が少なく、4800台収容の駐車場は、かなり空きが目立つ。このため、8月
27日からは、千円以上の買い物をした人を対象に、同店からJR大牟田駅までの片道のバス運賃
(約2キロ、160円)を負担するサービス(火曜と日祝日のみ)を開始。駅利用者や周辺住民を
取り込む狙いだ。
■影響「想定内」
ライバルはイオン開業をどう見るか。「影響は想定の範囲内」と語るゆめタウン大牟田の小島隆一
支配人は「若者や週末の客は減った」としながらも「食料品の売り上げは前年同期を上回っている」
と自信を示す。
ゆめタウンは大牟田、八女、大川、荒尾の各店で3月から、月2回だった特売日を3回に増やした。
さらに、大牟田では4月から高齢者への宅配サービスも始めた。
しかし、地場スーパーの受け止め方は、ゆめタウンとは違う。イオンの開業は、大牟田の中小スーパー
に少なからず影響を与えているという。あるスーパーの経営者は「両大型店の安売り合戦が中小の
戦いにも火を付けた。利益度外視で特売品を売る所もあり、体力が消耗している」と厳しい表情を
浮かべる。
■団地や施設へ
大型店やスーパーの競争が激化する一方で、市内に約20カ所ある商店街はどこも衰退し、日々の
買い物にも苦労する“買い物難民”が増えているとされる。その多くは高齢者で占める。
「困っている人を少しでも助けたい」。同市では15日、二つのNPO法人が食料品や日用雑貨を
軽トラックに積んで回る移動販売事業を開始し、出発式を行った。
「よかよかネットワーク」(小宮田鶴子代表理事)と「大牟田市母子寡婦福祉会」(西河マス子
理事長)で、高齢者が多い市営団地や地域交流施設を定期的に巡る。
同市の高齢化率は29・8%と県内28市で最も高い。身近な商店の廃業はマイカーで移動できない
お年寄りにとって死活問題になりかねず、市は近く、買い物に困っている人たちの本格的な実態調査
に乗り出すという。
九州経済調査協会(福岡市)の松嶋慶祐・研究員は「大型店やスーパーの競争は消費者に歓迎すべき
ことだが、取り残される人も出てくる。高齢化率が高い大牟田市だからこそ、こうした人々を救う
システムが不可欠で、他都市のモデルになってほしい」と指摘する。
●イオンモール大牟田で買い物をすれば、JR大牟田駅までのバス運賃が無料になる
URLリンク(www.nishinippon.co.jp)
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