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■流れは京都駅、烏丸通へ
新京極商店街(中京区)にある書店「紀伊國屋書店MOVIX京都店」(中京区)が
30日、閉店することになった。2001年に京都市初で誕生した複合型映画館
(シネコン)内の書店として05年4月に営業を始めたが、他店との激しい競争や
図書離れといった逆風を跳ね返せなかった。また、商業集積地が「河原町通から
烏丸通や京都駅周辺へ」という京都の流通地図の変化も作用したといえそうだ。
同店は、ビルの1階と地下1階を店舗にして広さ約1300平方メートル。まちなかの
好立地だが、同店総務部は「他店との競合で売り上げが減少しており、今後、回復する
見通しが立たない」と閉店の理由を説明する。
河原町通や新京極通かいわいには、かつて10店前後の書店が集まっていた。しかし、
近年、大型店が新規出店するのは、もっぱら烏丸通や京都駅周辺。河原町離れの“象徴的な
出来事”としては05年、河原町蛸薬師にあった老舗書店・丸善が撤退したことが関係者に
大きな衝撃を与えた。
入れ替わるようにジュンク堂が06年、京都BAL店を河原町六角下るで全面オープンさせ、
河原町通随一の「メガ書店」として存在感を示してはいるが、規模で劣るMOVIX京都店は、
そのあおりをもろに受けた格好だ。
地元資本の大垣書店(北区)は02年に烏丸三条店を構えて以降、烏丸通や京都駅周辺で
相次いで出店。しかし河原町通では1997年の高島屋店を最後に新規店がない。担当者は
「よい物件での出店を考えた結果、現在の店舗展開となった」と話す。
京都は大阪府や兵庫県と比べて、人口の割に書店が多い土地柄だ。しかし、若者の活字離れ
といった風潮に加え、大型店との競合により近年、中小店舗の廃業が急速に進んでいる。
日本書店商業組合連合会に加盟する府内の書店は1980年代には400店以上あったが、
今は200店を割り込んでいる。
府書店商業組合の中村晃造理事長(桂書房社長)は「大型店は従業員を多く抱え、家賃などの
コストも高く、客足の流れが大事。河原町通周辺と、烏丸通や京都駅周辺とで出店状況に
明確な違いが出ているのは、やはり人の流れの差からだろう。それだけに中小は中小として
地域密着で工夫していかなければ」と話す。
●30日で閉店する紀伊國屋書店MOVIX京都店
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●位置図
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