11/09/04 16:02:19.98
中国がハイテク製品に不可欠なレアアース（希土類）の輸出制限を強める中、
日本企業が中国での原料調達から加工を行う動きを強めている。ただ、中国側は
先端技術の取り込みも狙っており、技術流出リスクの懸念もある。
世界最大規模のレアアース鉱床を有し、関連企業が集中する内モンゴル自治区包頭。
二〇〇三年から磁石用合金を生産する昭和電工は、七月から同合金の生産を中国に
一部移管。南部の江西省の工場も増設し、生産体制を強化している。
日本は輸入量の約八割（一〇年）を中国に依存する中、中国政府は環境保護を主な理由に、
今年のレアアース生産計画を九万三千八百トン、輸出枠を約三万トンに縮小した。
その上、投機マネーが流入したことで価格が高騰。ハイブリッド車や省エネクーラーの
駆動モーターに欠かせないジスプロシウムは、前年比で約十倍の一キロ約二千ドルに。
中国が世界生産の九割超を握る磁石用合金の主原料ネオジムは、中国の国内価格が
一キロ二百七十九ドルに対し、中国からの輸出価格は同五百ドル（七月）と内外
価格差も激しい。
現地生産の利点は、中国企業との合弁による原料調達の安定や、製品輸出で中国政府に
よる輸出制限の対象外となることだ。ＨＯＹＡは七月、光学ガラスレンズの研磨剤
セリウムを調達、現地生産するため、山東省に合弁会社を設立。高性能磁石で世界
最大手の日立金属も、中国での生産を検討中だ。
中国側も日本企業の進出を歓迎。包頭国家レアアース開発区の担当者は、営業税や増値
（消費）税の三～七年間免除など優遇策を説明した上、「モーターや電池を生産する
日本企業に進出してもらいたい」と話した。
問題は技術流出。昭和電工の担当者は「ある程度、キャッチアップ（追い上げ）される
のは仕方ない。ジスプロシウムの含有量を減らすなど技術革新で対応していく」と話した。
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