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「日本がここまで世界の笑いものになる例がほかにあるだろうか」―今週発売の本誌8月24日号
掲載のコラム「嵐がニャーと鳴く国に外国人は来たがらない」は、こんな強烈な一文で始まる。
この「Tokyo Eye」というコラムページには毎週、東京在住の外国人コラムニストが交替で寄稿している。
今週のコラムを書いたのは東京在住の仏フィガロ紙記者、レジス・アルノー氏。コラムの内容は、観光庁が
外国人観光客を誘致するために制作したPR映像を批判するものだ。
このPR映像では、人気グループ「嵐」のメンバーがそれぞれ日本の観光地を訪れ、招き猫のまねをして
「ニャー」と鳴く。PR映像の詳しい突っ込みどころについてはコラムをお読みいただければありがたいが、
アルノー氏が問題視しているのは、この映像で外国人を魅了しようという観光庁の「勘違いぶり」だ。
いわく、「日本はなぜ『最高の顔』で自分を売り込もうとしないのか。洗練された職人や建築家、知識人、
画家、料理人ではなく、国内限定のスターを宣伝に使うなんて」。
アルノー氏は以前も、「観光庁のPRサイトは日本の恥」というコラムで観光庁による外国人向けPRを
批判したことがある。だが、アルノー氏の観光庁批判は日本に対する愛情の裏返しだ。彼にとって一連の
批判は、日本人が「素晴らしい国を自らばかにする」のをなんとか阻止しようという孤独な抗議デモ。
冒頭で紹介した今週号のコラムを編集していた際、私が「今回のコラムはあなたのcynic(皮肉っぷり)が
炸裂してる!」とメールを送ると、「僕はcynicじゃなくてromantic(ロマンティスト)だ。自分のことを、
『日本の最後のウヨク』だと思っている」というメールが返ってきた。
アルノー氏は、問題のPR映像が世界133カ国・地域の国際空港や飛行機などで流れることを憂いて
コラムを書いた。だが幸いなことに、私が先週、東欧を訪れた際に使ったパリ、プラハ、ブダペストの
空港では「ニャーと鳴く嵐」にお目にかかることはなかった(個人的には、観光庁に「ニャー」とさせられた
嵐のみなさんに同情している)。その代わりにパリのシャルル・ド・ゴール国際空港で真っ先に目に
飛び込んできたのは、 イギリス銀行大手HSBCの巨大な看板広告だ。看板1枚につき各国のイメージを
1つずつ描いたその広告で、日本のイメージとして描かれていたのは「漫画を読む相撲取」だった。
なるほど、日本人が考える「日本」と外国人が描く「日本」には、いまだに大きな差があるようだ。
とはいえ、アルノー氏自身は以前のコラム「観光庁のPRサイトは日本の恥」で、「日本の価値を決めるのは、
その95%が醜い高層ビルなど形あるものではない。その周りに存在する人間だ」と書いている。それは、例えば
「外国人が日常的に体験する数えきれないほどの親切や気遣いの心」だと。(※続く)
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URLリンク(alp.jpn.org)
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●動画/嵐 CM 観光立国ナビゲーター 観光大使 URLリンク(youtu.be)
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