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避暑地・軽井沢に変化が生まれている。原発事故による「節電」から避暑に訪れる人に
とどまらず、放射能への心配などから、首都圏から移り住む人も出てきている。新幹線を
使った、都内への通勤者もいる。
大手金融機関で投資信託取引をしている蔵屋剣士さん(26)は5月中旬、JR軽井沢駅
から徒歩7分のアパートに妻と子供2人と引っ越し、東京・丸の内の会社までの新幹線通勤
を始めた。
毎朝、午前6時43分の新幹線に乗り込む。車内では本を読んだり、マーケットニュース
をチェックしたりして過ごす。
「水も空気もきれいでよかった。何より食材に放射能をあまり心配しなくてよくなったの
は大きい」と話す。
以前は、茨城県守谷市に住んでいたが、福島第一原発の事故後は放射線量の高さに子供へ
の影響を恐れるようになった。「茨城より西で放射能の心配が少なく、会社にも通勤圏内の
場所はどこか」。八王子市や立川市など都内西部も考えたが、「どうせなら」と、趣味の
マウンテンバイクも楽しめる自然が豊かな軽井沢町を選んだ。
新幹線通勤族は蔵屋さんだけではない。同町で不動産業を営む「今コーポレーション」の
今信人社長(63)は「震災後は特にすごい勢いで増えた」と話す。例年、貸別荘や賃貸
マンションの契約は年間約150件だが、「今年は7月の段階で150件を超えた。忙し
すぎて従業員が体調を崩したくらいだ」と驚く。
別の不動産業者も「新築で安めの建売住宅も人気。5月末までにそうした物件はほぼ全て
なくなった」と話す。
7月上旬、旅行ついでに夫・省吾さん(32)と戸建て物件を見に来た藤井亜季子さん
(40)は、千葉県柏市在住。日々、放射線量を気にしながらの生活から脱したい。どうせ
移り住むならあこがれの軽井沢がいいと考えているという。「昔から避暑地として整備され
たきれいな街で、東京にあるようなお店もあるのが魅力。もちろんネームバリューにもひか
れます」
いずれ軽井沢に一戸建てを建てるつもりで、東京都練馬区から4月末、妻とアパートに
移住した相沢賢一郎さん(55)は、埼玉県朝霞市の会社に通う。
震災時、都内でも大きく揺れ、交通もまひした。「首都直下型地震が起きたら」と考える
と怖くなり、家を建てるよりも早く移住しようと決断した。
妻の久美子さん(52)とスーパーに買い物に行き、ホウレン草に似た「軽井沢菜」を
初めて見つけた。「東京にはない新鮮さがあっていい。同じ節電をするなら涼しい方がいい
し」と満足げに語る。
一方、5年前から住む新幹線通勤の「先輩」の男性(43)は「涼しい分、冬は寒いとき
は零下15~20度になる。1年を通じて住むには、本当に覚悟が必要」と忠告する。
軽井沢町によると、震災前の3月1日から7月1日までの速報値で、町の人口は105人
増えた。特に、40~44歳と60~64歳の年齢層が多かったという。(成田太昭)
ソース:asahi.com
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